業界最高性能の先端回転軸､全機種アブソ方式を採用した省スペース･コンパクト設計　ヤマハスカラ型ロボットＹＫ-Ｘシリーズ新発売

　ヤマハ発動機（株）の社内カンパニーである「IMカンパニー」（プレジデント：戸上常司、所在地：静岡県浜松市）では、スカラ型ロボットYKシリーズをフルモデルチェンジしたYK-Xシリーズを6月1日より発売します。この新型YK-Xシリーズは、先端回転軸の精度・剛性で業界最高水準の機能を備え、設置面積・全高が業界最小など実質コンパクトを追求、全機種に耐環境性に優れたレゾルバ式アブソ機能を標準装備し、価格面でも現行機種比で平均4.5％の価格ダウンを達成しました。

スカラ型ロボットＹＫ-Ｘシリーズ

　21世紀スカラ型ロボットの業界標準を目指し、「高性能」「コンパクト」「高信頼性」「低価格」をコンセプトとして開発した新スカラ型ロボットです。
　先端回転軸※1のモーター・減速機を独創的に配置することで、先端回転軸精度と許容慣性モーメントにおいて業界最高性能を達成することができました。また、徹底したコンパクト設計を行うことで、設置面積※1と全高※1において業界トップクラスのコンパクトさを実現しました。
　さらに、位置検出器としてエンコ－ダの代りに耐環境性能に優れる絶対角度検出器であるレゾルバを採用することで、温度・衝撃・振動などに強くしかも原点復帰レスのアブソリュート位置検出機能を標準装備しました。
　また、新シリーズとして250mm、350mmのショートアームモデルをラインナップに加え、アーム長最大1,000mm、可搬質量最大20kgまで、全13機種の豊富なバリエーションは、半導体チップなど微小電子部品からエンジン部品などの大型機械部品までの搬送・組立・加工作業など様々な用途への使用が期待されます。

　先端回転軸減速機をモーターと分離して先端回転シャフトに直結することで、先端回転軸精度は業界最高の±0.005°を達成しました。同様の手段で、先端の許容慣性モーメントも他社同等クラス製品と比較してトップクラスの性能を実現しています。これは、大きくて重い先端ツールが取付可能であることと同時に、同じ慣性負荷なら他社同等クラス製品より速く動作できることも意味します。また、モーターの高回転化、高容量化、コントローラの高性能化などで、標準サイクルタイム※２でも全機種20%以上短縮することができました。

　設置面積（ロボット取付部の占有面積）では全機種業界最小、全高でも業界トップクラスの低さを実現し、クリーンルーム設備などの省スペース化の要求に応えました。
またアーム長500mm以上の機種では、配線・配管が背面側に出っ張らないデザイン※1で背面スペースを広く確保しました。

　ロボットの部品として最も耐環境性能の低い位置検出器に、モーターと同じ簡単で堅牢な構造を持つレゾルバを採用しました。また全機種20％以上の部品点数の削減を行うことで、信頼性の向上に努めました。特にX,Y,R軸の減速機は、耐久性の高い新型グリスの採用でグリス交換不要のメンテナンスフリーを実現しました。

　設計の見直しにより現行シリーズと比較して全機種20％以上の部品点数を削減、ベース部・アーム部にアルミ押し出し材を採用（YK250X,YK350X,YK400X）することで、アブソ標準にもかかわらず価格ダウンを達成しました。

　専用コントローラQRCXは、多彩な軸制御やマルチタスク機能などの豊富な機能、プログラミング装置やロボット言語の使い易さは現行機種QRCHシリーズと同等であり、プログラミング装置や入出力配線などの互換性も維持しました。

　パソコンや携帯型機器などの小型精密機械部品、自動車用部品、基板実装用の電子部品など各種部品の組立、加工、挿入、取出し、移載、箱詰などの作業に幅広く利用できます。