欧州サスペンションメーカー 「パイオリ メカニカ社」への出資について

　ヤマハ発動機株式会社は、欧州第２位のサスペンションメーカーであるパイオリメカニカS.p.A.社(所在地：イタリア、代表者：マリア ジョバンナ ヌーディー)に対し、第３者割当による増資に応じ出資することを決定し、2000年１月１日より、新体制での事業を開始します。なお、契約調印は９月１５日に実施し、事業認可は１１月１３日にイタリア政府より 取得しました。

　出資金額は、1.4百万ユーロ(約1.6億円)で、当社の子会社で欧州における製造ならびに販売、研究開発(Ｒ＆Ｄ)を統括するヤマハモーターヨーロッパ Ｎ.Ｖ.(所在地：オランダ、代表者：田中 宏)より行い、出資比率14.9％を取得します。なお、この度の増資では、カヤバ工業株式会社（所在地：東京都、代表者：細見 淳）も同社に対する本格的な技術援助を目的とし共に出資を決定、10％の出資比率を取得します。
　これにより、パイオリ メカニカS.p.A.社の出資比率構成は、同社の持ち株会社であるフィン･サンS.p.A.社が75.1%、ヤマハモーターヨーロッパ Ｎ.Ｖ.が14.9%、カヤバ工業株式会社が10.0%となります。

　パイオリ メカニカS.p.A.社は、欧州を中心に、二輪車用サスペンションを年間で30万セットを超す製造・販売をしており、欧州での供給量におけるシェア約20％を占める専門メーカーです。一方、ヤマハ発動機は、これまで、欧州における製造拠点の強化に努め、現在、ＭＢＫ社(フランス)、ＹＭＥＳ社(スペイン)、ベルガルダ社(イタリア)の３製造拠点を擁しており、その総生産台数は年間35万台規模に達し、日本の二輪車メーカーの中では 最大規模の欧州域内生産台数となっています。
　現在、欧州における二輪車市場は、東西ドイツの統合、東欧市場の開放、更には125cc クラスの免許制度改正などにより、総市場は年々増加傾向にあり、本年は約240万台規模が見込まれる有望市場です。同時に、50ccクラス市場もイタリア・フランス・ドイツを中心にスクーター販売が好調で、本年も総市場の約半数を占める120万台規模と好調です。

　この度の出資は、パイオリ メカニカS.p.A.社製の二輪車用サスペンションを将来的に欧州主要３製造拠点で全面的に採用し、調達の効率化並びにコストダウンを目指す当社の狙いと、欧州域内での拡販を目指すパイオリ メカニカS.p.A.社の構想が一致したものであり、今後同社はカヤバ工業株式会社の本格的な技術援助を受け、品質・コスト並びに納期について大幅な改善を行っていきます。
　これらの結果、パイオリ メカニカS.p.A.社は当社の主要3製造拠点での受注と同社独自の販売を合わせると、数年以内で年間５０万セット規模を越える製造･販売量となり、欧州
域内ではトップクラスの供給量に達すると共に、当社としても量産効果等を見込んでいます。

　ヤマハ発動機は、企業理念に「感動創造企業」、長期ビジョンに｢世界の市場で進化し続けるリーディングカンパニー｣を掲げ、変化に強い企業体質への変換を目指し、全社をあげて種々の活動に取り組んでおります。この度のパイオリ メカニカS.p.A.社への出資は、グローバルな部品調達、効率化やコストダウンの実現だけでなく、現地製造拠点の強化を実現することで、為替変動に左右されない変化に強い企業体質を目指すものです。

(ご参考)上記金額における円換算には、次のレートを適用しています。
１ Ｅｕｒｏ(ユーロ）＝１１５円