排気煙を低減する"YCLS"装備、アルミ製リヤアームを新採用　ヤマハトレール『ランツァ』マイナーチェンジについて

　ヤマハ発動機(株)は、水冷2サイクル224ccエンジン搭載の"ジャストフィットサイズ"のトレールモデル｢ランツァ｣をマイナーチェンジし、98年7月1日より発売します。
①潤滑オイルの吐出量をコンピューター制御する"YCLS"(Yamaha Computerized Lubrication System)装備によるオイル消費量低減および排気煙低減、②アルミ製リヤアーム採用による外観品質アップと剛性バランスの最適化などを図りました。

98ヤマハトレール｢ランツァ｣

　ヤマハトレール｢ランツァ｣は、97年1月より発売の商品で、レースやコンペ志向とは一線を画した"スポーツトレール"を提唱するモデルです。｢大きすぎる車体｣｢高いシート高｣という近年の2スト・オフロードモデルに対する市場での敬遠理由を考慮し、軽量コンパクトでジャストフィットサイズを具現化、林道などで快適かつ爽快感あふれる走行性を楽しめるのが特徴です。
　今回のマイナーチェンジでは、①オイル消費量低減、排気煙を低減を促進するシステム"YCLS"の採用、②アルミ製リヤアームの採用、などを行い、熟成を図りました。

　エンジンのオイル吐出量コントロールには、コンピューター制御によるYCLS(ヤマハ・コンピュータライズド・リュブリケーション・システム)を採用しました。ヤマハスポーツ｢TZR250SPR｣等にも採用の機構です。マイコンのマップ制御により、エンジン回転数、スロットル開度を検知して最適なオイル吐出量を算出し、これによりソレノイドバルブを作動して潤滑オイルを供給します。エンジンの基本性能はそのままに、オイル消費量の約30%低減、排気煙の低減などを実現しました。

　外観クオリティに優れるアルミ製リヤアームを採用し、剛性バランスの最適化を図りました。

　転倒時の破損減少を図るため、エアスクープ部の材質をABS樹脂からPP樹脂に変更しました。

　カラーリングは、オフ&林道志向の｢ディープパープリッシュメタリックC｣と、ストリート志向の｢ライトグレーメタリック3｣の2色設定で、ニーズの多様化に応えました。後者の｢ライトグレーメタリック3｣色の仕様は、ホイールリムについてもブラックアルマイト処理を施しています。

　リアタイヤの駆動情況変化を点火時期制御に反映させる｢トラクションコントロールシステム｣を採用している。8ビットマイコンによりエンジン回転数の変化から加速度を検出し、リアタイヤの空転を検出。点火時期をエンジン回転数と加速度の3次元マップで制御し、リアのトラクションを積極的に発生させる機構。リアタイヤが空転した時などに優れた操縦性を発揮します。

　①低シートでコンパクトな車体、②セルスターター装備、③デジタルメーター採用などが特徴です。