ＧＨＰエンジン工場の落成について

　ヤマハ発動機（株）の関連会社である創輝（株）は、1月１６日、掛川市にガスヒートポンプ・エアコン（ＧＨＰ）用エンジンを一貫生産する新工場を竣工します。この新工場は当社が創輝（株）に生産を委託しているヤマハＧＨＰの需要拡大予測に基づく将来の増産のための体制の確立と、コスト低減化ならびに品質向上等の生産性向上を狙い、総合的に体制の強化を図るものです。同時にＧＨＰ事業の営業および技術部門が磐田本社より移転し、ＧＨＰ事業の製造・販売・技術が一体化します。それにより緊密な連携のもと、コスト低減化、品質向上、お客様への迅速な対応など総合力を発揮する計画です。従来、豊岡工場で行なっていたエンジン部品の加工を新工場に移管することにより、従来から創輝（株）で行なってきたＧＨＰのフレーム等の塗装、溶接、および組立て工程と併せてＧＨＰの一貫生産工場となります。

　新工場の特徴としては、働く人にやさしい工場作りを目標にＧＨＰによる全館完全空調によって理想的な冷暖房を実現し、労働環境の快適性を追求したモデル工場となっています。

　新工場は工場棟と事務所棟の間にアトリウム（吹き抜けホール）を介して一体となった構造になっており、工場部分が２階建てで、１階はＧＨＰ、ゴルフカーを中心としたアルミ製エンジン部品の加工工場、２階はＧＨＰ、汎用エンジン等のエンジンの組立て工場です。
　当社のＧＨＰ事業はＧＨＰの利便性、低コスト、クリーン性が社会認知されるに従い、順調に伸長を続け、現在３馬力から２０馬力まで１０機種のラインナップを有し、'９７年３月期で売上高２３３億円を達成するまでに成長しました。当社は家庭用ハウジングマルチエアコンのパイオニアとして昨年１１月には「リビングメイト」を新発売しました。この「リビング・メイト」は最大で７室まで接続が可能で、暖房時５室、冷房時４室同時運転が可能な、床暖房機能をオプションで設定したモデルであり、家庭用ＧＨＰ市場をさらに切り開く普及用のモデルです。新工場の建設によりこの新製品「リビングメイト」を中心にヤマハＧＨＰの更なる拡販を目指しています。

　また、創輝（株）としてはＧＨＰ同様、当社から生産委託を受けていますゴルフカー、発電機、汎用エンジン、レーシングカートの部品加工とエンジン組立てを集約し、合理化ラインとして、増産への対応を図るとともに物流と管理業務の効率化を図っています。