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経営陣からのメッセージです。
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2025年2月
コア事業の競争力を高め、人の可能性を拡げる新技術を獲得し、人の悦びと環境が共生する社会を、ヤマハ発動機らしい挑戦で実現します。
当社は、1955年に創業者である川上源一の「生活を楽しむことを拡げたい」との思いから、モビリティを提供する会社として創業しました。生活を楽しむことを拡げる活動は、アウトドアレジャーを中心とした事業の多軸化、グローバル市場への挑戦、新たな需要の創造、サステナビリティ視点での新価値創出へとつながり、今年、ヤマハ発動機は創立70周年を迎えます。
私たちの企業目的は「感動創造企業」です。2018年には、2030年に向けた長期ビジョンとして「ART for Human Possibilities 人はもっと幸せになれる」を発表しました。本年度から始まる中期経営計画は、この長期ビジョンの後半6年間のスタートになります。「コア事業の競争力を高め、人の可能性を拡げる新技術を獲得し、人の悦びと、環境が共生する社会を、ヤマハ発動機らしい挑戦で実現する」を基本方針として、更なる成長を目指します。
2024年は、半導体の供給が改善し、二輪車のプレミアムモデルの供給が回復した一方、コロナ禍に高まったアウトドアレジャー需要は先進国を中心に落ち着きました。また、マリン事業やRV事業、SPV事業については、需給の調整に取り組みました。このような経営環境の中、当社は中期経営計画に基づき各事業の戦略を推進するとともに、損益分岐点経営を念頭にコストダウンなどに取り組みました。当連結会計年度の売上収益は2兆5,762億円(前期比1,614億円・6.7%増加)、営業利益は、物価高騰や新興国通貨安による原価や販管費の増加、在庫評価減など事業構造の見直しに伴う費用やSPV事業やRV事業の一部固定資産の減損損失などを計上した結果、1,815億円(前期比624億円・25.6%減少)となりました。
2025年については、コア事業の新興国二輪車需要や船外機需要は緩やかに回復すると予想し、研究開発や新製品開発、生産設備の強化など持続的成長に向けた取り組みを進めます。SPV事業、RV事業については、収益性改善に向けた構造改革に取り組んでいきます。併せてコストダウンや生産性向上を図ることで、売上収益・営業利益は増益の見通しです。
また、中期経営計画では、ポートフォリオ経営を発展させて、事業セグメントをコア事業、戦略事業、新規事業に変更します。将来的に、当社が保持する全ての事業がROICのハードルレート12.5%を上回る経営を目指し、資本コストを上回るリターンを創出してまいります。同時に、株主・投資家の皆様と積極的な対話を行い、その内容を経営にフィードバックする好循環を維持することで、企業価値の向上を図ってまいります。
これからも長期ビジョン「ART for Human Possibilities~人はもっと幸せになれる~」の実現に向けて、全てのステークホルダーの皆さまの期待に応え、感動をお届けできるように取り組んでまいります。
引き続き、なお一層のご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
ヤマハ発動機株式会社
取締役会長 兼 代表取締役社長
渡部 克明