技報【バックナンバー】
ヤマハ発動機では研究開発の成果や製品を支える技術をご紹介するために、年1回(12月)、技報を発行しております。
本ページでは、PDFファイルのダウンロード・閲覧ができます。(現在、冊子の配布はいたしておりませんのでご了承ください。)
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| 製品紹介 | 民輪 剛志 表面実装技術は、高機能を求めるパソコンや携帯電話などの電気製品から、信頼性を求める自動車部品まで広く利用されるようになった。表面実装技術の普及に伴い、表面実装システムの市場は急速に発展した。ヤマハ発動機(株)のディスペンサとマウンタは、その信頼性とコストパフォーマンスにより好評を得ている。年々スピードアップするマウンタの生産タクトに対応するために、ディスペンサの高速化が必要になった。また、同時に電子部品の小型化が進み、実装密度が高まったことにより、塗布量や塗布位置の精度が求められるようになった。今回は、高速・高精度塗布を実現させたディスペンサである「HSD」を紹介する。 |
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大橋 喜四郎/上川 秀哉 前号(No.25)にてビルトイン浄水器を紹介したが、浄水器は「よりおいしく、また安全な水」を提供するのが役割である。このおいしく安全な水の次に求められるのは、「より健康に良い水」ということになる。近年の健康ブームが高まる中、数年前に一大ブームとなったのがアルカリイオン整水器である。初めは一部のメーカーが訪問販売を中心に市場導入していたが、大手家電メーカーが参入して以来、一気に市場が拡大し、現在に至っている。(株)アイアイシー(以下、当社という)では、今年の2月より当社として初めてアルカリイオン整水器をヤマハリビングテック(株)へOEM供給を開始し、市場導入した。今回、この新規商品「ヤマハビルトイン型アルカリイオン整水器」について概要を紹介する。 | |
尾上 昭博/荻野 浩 アメリカ合衆国においては、オフショア、バス、ハイクなど、さまざまなフィッシングが行われている。中でも最近ポピュラになってきたのが、インショアフィッシングである。このインショアフィッシングとは、主にフロリダ周辺やテキサス南部に広がる広大な浅瀬を、ルアー、フライ、餌などを狙う獲物に対し使い分けながら、ターポンという1m以上もある魚や、トラウト、シーバス(いずれもマスの一種)を釣るスポーツフィッシングである。今回、このような市場に対し、新たに90馬力と115馬力の船外機を開発したので紹介する。 | |
鈴木 孝叔 漁船、遊漁船などに搭載される舶用ディーゼルエンジンは、漁船法馬力規制の中でますます出力馬力が向上する方向にあり、今回最大出力420PSの新型エンジン「MD690KUH」を発売した。エンジンと組み合わせて使用される逆転減速機(以下、マリンギヤという)についても、この高馬力のエンジンに対応した新型マリンギヤ「HMI30」を市場導入することとなったので、その概要を紹介する。 | |
野末 季宏/川向 謙次/安部 晃志 近年、世界的規模で環境に対する関心が高まり、船外機に対しても、より一層のクリーンさと燃費の向上が求められるようになってきている。このような市場の声に応えるべく、4ストローク船外機のラインナップを整えてきたが、今回はその中でもベーシックモデルである「F4A」について紹介する。 | |
平 一成 ヤマハ発動機㈱は、業務用モデルからの発展形として開発された家庭用モデルのガスヒートポンプを、ハウジングマルチエアコンとして以前より販売してきた。今回は、従来のような開発方法ではなく、新設計で家庭用モデルを目的とした「YCHJ80M」の開発を行ったので、以下にその概要を紹介する。 | |
有村 正嗣 ヤマハ発動機㈱は、GHP(ガスヒートポンプエアコン)業界に先駆けてビル用のマルチエアコンを市場投入し、低ランニングコスト、高機能、設置自由度の大きさなどから、大型物件に多数採用されるようになった。近年、特にバブル崩壊以降、建築物件のコストダウン、とりわけ設備機器に対するコストダウン要請が強くなってきている。そこで、多数の室内機を個別に制御している従来の高機能なビル用マルチMシリーズに対して、小型店舗の大空間用に機能を特化することにより、大幅にコストダウンしたSHシリーズ20馬力を開発したので、ここにその概要を紹介する。 | |
2WD Utility ATV 1999 BearTracker YFM250XL Todd Booth/Eiji Kato/Akihiro Tsuzuki/Hirohisa Imai/Reed Shupe/Andrew Meltzger/Troy Mann The fruits of 32 months of design, testing, and production preparation were realized April 6, 1998 with the on-schedule start-up of BearTracker ATV production at Yamaha Motor Manufacturing Corporation of America (YMMC), Newnan, Georgia, USA. With 90% of total ATV sales in North America and a steady yearly market growth in double digits, YMMC was the ideal choice for expanded ATV production. Immediate benefits from U.S. production are development in the heart of the ATV market, shorter delivery time from production to dealer, and increased manufacturing capacity. An economical utility 2WD ATV was selected as the basis for the first U.S. developed and produced model due to its high popularity. Priorities during the BearTracker program were a design for optimized utility appeal, simplification forease of manufacturing, and establishment of high quality domestic suppliers. | |
松木 閲央/小林 泰之/月花 良市/斉藤 稔/南雲 修一 ここ1、2年、免許制度の改正などにより活性化が著しい日本国内のビッグバイク市場において、1994年の発売以来人気No.1を誇ってきたモデルに「XJR1200」がある。しかしながら、発売から4年あまりが経過したことや、その間の他社モデルの攻勢により競争力が低下していた。我々はここで、基本モデルであるXJR1200のコンセプトを熟成・進化させた「XJR1300」を開発することにより、商品魅力の維持向上を図った。ここにその内容について紹介する。 | |
環境対応2サイクルエンジンオイル オートルーブスーパーバイオ 矢代 善伸/河部 秀明/高橋 邦男 ヤマハ発動機㈱では、「人と自然の調和を目指して」のスローガンのもと、地球環境をよりよく保つよう、環境対応製品の開発や普及に積極的に取り組んでいる。2サイクルエンジンオイルは、エンジンの機構上、エンジン内部での仕事を終えた後、その未燃焼オイル分が排気ガスとともに排出される。船外機用としては、排出された未燃焼オイル分が分解して自然に帰る生分解性オイルが既に販売されているが、モータサイクルではエンジン要求値と生分解性との両立が難しく、製品化されていなかった。そこで、世界に先がけてその難題を見事にクリアし、生分解性を持つモータサイクル用2サイクルエンジンオイル「オートルーブスーパーバイオ」を開発したので紹介する。 | |
赤尾 拓也/Laurent Derche 近年の欧州における50ccスクータ市場は活況を呈し、1998年時点で約110万台の市場規模が見込まれている。50ccスクータに対する市場ニーズは日本に比べてより多種多様であり、それに応じて商品カテゴリも、オフロードスクータや前後輪に16インチタイヤを装着した街乗り専用のものなど、バラエティに富んでいる。その中でも、より走りを重視した商品が「スーパースポーツカテゴリ」と呼ばれるもので、市場全体の約30%を占めている。「Nitro(ニトロ)」は、MBKIndustrie(以下、MBKという)初のスーパースポーツカテゴリとして現地で開発されたスクータであるが、ここにその商品概要を紹介する。なお、「Nitro」というのはMBKブランドの商品名であり、ヤマハブランドとしては「Aerox(エアロックス)」の商品名で、同じく欧州域内で発売されている。 | |
石井 喜好 「街で見かけるスクータと呼ばれる乗り物とは…」ヘルメットも入る便利な日常の足として、今の形の50ccスクータが世に出て、既に15年ほどになる。その間に、若者はもちろん、主婦や年配の方にまでその性能や利便性が受け入れられ、日常の簡便な移動手段として商品も市場も成長を遂げてきた。最近になると、ほかの消費財同様に個性化が進み、買い物に特化したものやファッションに特化したものなど、その種類も多様化が進んでいる。加えて、省エネ、環境、安全など社会的な問題に対して、お客様の期待や要望が確実に変化し、厳しくなってきている。そのような背景の中で、今回紹介するYV50(ニュージョグ)は、スクータとして要求される基本要素をフルに向上させ、“毎日使う”特に厳しい目を持ったお客様に、スタイリングばかりでなく中身に最大の満足を持って頂くことを目標に開発された。 | |
| 技術紹介 | 岡本 泰雄/鈴木 仁 オートバイにおける盗難件数は毎年20万件を超えており、特にスクータは普及台数も多く、手軽な乗り物であるため盗難の対象となりやすい。近年、若年者によるいたずら的盗難が増加しており、盗難の手口の多くは、コンビニエンスストアなどで容易に手に入るハサミでメインスイッチ部を破壊し、乗り去るというものである。さらに、この方法で盗難がされなかった場合でも、メインスイッチ部が破壊されているため修理費用がかかり、ユーザーにとって大きな負担となっている。現在、主流となっている盗難対策方法は2つあり、ユーザーが個々に購入して取り付ける「U字ロック」と、車両本体にあらかじめ搭載されている「メインスタンドを固定する機構」である。しかしながら、いずれの場合もメインスイッチの破壊やいたずらに対しては、何ら効果のないものである。今回、ニューJOGに搭載した「G-LoCK」は、業界初のシステムであり、いたずら的盗難に対し絶大な威力を発揮するものである。 |
竹内 均 ヤマハ発動機(株)のスノーモビルは、1996年モデルまで機械式ブレーキを採用していたが、近年の走行性能向上に伴い、より高いブレーキ性能が求められるようになった。そこで、油圧ブレーキシステムおよびベンチレイテッドディスクブレーキの開発を進め、1997年モデル「VX600」より採用を始めた。この開発の中で、スノーモビル用ブレーキシステムの特徴が明確となったので、ここに紹介する。 | |
朝枝 史郎/柳沢 豊 1994年9月にTPM活動を開始し、中期経営方針である「お客様に信頼されるグローバルな電装メーカー」になるべく、経営体質の強化を目指した全社活動を展開してきた。活動の柱として、製造部門、事務・間接部門、技術部門の三位一体による主要製品のものづくり改革を推し進めた成果を紹介する。 | |
戸田 伊知郎 歯車の歯切り加工は、粘度の高い切削油を使用するため、製品には多量の油と切粉やゴミなどが付着する。一般的には洗浄を行って後工程へ渡している。その洗浄も洗浄液を使い、油と切粉の除去および乾燥と防錆処理という処理時間がかかり、大型装置も必要な工程であるため、ライン外に洗浄装置を置いて洗浄処理をしている。ヤマハ発動機㈱の工場においても、歯切り加工後に製品を運搬して大型洗浄機で処理している。環境面からみると、製品とともに切削油は多量に持ち出され、洗浄後は洗浄液とともに産業廃棄物となり、地球環境を悪化させる。また運搬中に油が落ちて床が滑りやすくなり、工場環境も悪化させている。今回、洗浄機能を見直すことにより、産廃処理の廃止および工場の床への油ダレゼロの、地球環境に優しい小型装置への置き換えができたので、その経過について述べる。 | |
河合 秀夫/梶原 邦夫/瀬戸 宏昭/高田 祐司/山本 幹夫 1991年、ヤマハ発動機(株)はFJ1200Aで初のABSを装着し、次いでGTS1000Aにも展開を図り、お客様の好評を得た。本年、その機能水準を継承進化させ、マジェスティ250にABSを装着した。これにより、お客様にはスクータをさらに安心して快適に愛用していただけるものと確信している。以下に、スクータ用ABSとして新開発した内容を紹介する。
1.1ヤマハABSの4つの特性
ヤマハABSの第1の特徴は、車両安定性と制動性能をバランスさせるため、ブレーキシステムをフル油圧システムとし、その制御を液圧補償型液圧制御弁(Flow Control Valve)と、それをコントロールする電子制御によって実現している。第2の特徴は、ABS作動中の乗り手の操作感覚と車両挙動の相関関係の適正化を図り、スムーズな車両挙動を実現させながら、限界条件での制動であるという情報をブレーキ操作系にフィードバックしている。第3の特徴は、電子制御部および電装システム系の自己診断能力と、液圧制御系の最適化などによるフェイルセーフ性の確保である。第4の特徴は、小型・軽量なシステムであり、車両としての運動基本特性を高く維持している。
1.2スクータにおけるABSの位置づけ
通常走行時には制動操作により車両挙動が自然さを損なわないことを意図して、前後が独立に作動するブレーキシステムを選択し、ABSを付加することで、さまざまな気象状況や路面状況においても安心して愛用していただけることを目指した。 | |
| 技術論文 | 内山 敦/福井 巧 車イス用の電動補助ユニットを開発し、商品名JW-IIとして市場に導入した。システムは、手動車イスの車体に装着する交換車輪の形態をとっているが、ここではその制御系を構成する新しいアイデアについて報告する。すなわち、人力補助装置、模擬慣性走行出力、左右輪のクロス成分出力、4象限車輪駆動などについてである。これら独自のシステム構成により、極めてコンパクトな機械構造と自然な操作性を実現することができた。このJW-IIを用いることで、操作者は身体疲労を軽減でき、かつ生活圏の劇的な拡大を実現することができる。 |
ファジイモデリングにおけるメンバシップ関数配置に関する一提案 藤目 葉子/山口 昌志 筆者らは、既にファジィモデリングにおいてメンバシップ関数を自動的に配置する方法を提案しているが、ノイズに弱く、また時には不必要なメンバシップ関数を生成してしまうという問題点があった。そこで、これらの問題点を解決するために、メンバシップ関数の生成位置判断を局所的な誤差ではなく、全体的な誤差分布で行うようにした。また、メンバシップ関数の生成と削除の終了基準となる関数の導入も行った。この新たな関数は、モデルの精度と簡潔さの双方を任意にバランスさせるものである。以上の改良点効果を数値実験およびエンジンのモデル化において確認した。 |
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