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技報【バックナンバー】

ヤマハ発動機では研究開発の成果や製品を支える技術をご紹介するために、年1回(12月)、技報を発行しております。
本ページでは、PDFファイルのダウンロード・閲覧ができます。(現在、冊子の配布はいたしておりませんのでご了承ください。)
YAMAHA MOTOR TECHNICAL REVIEW
技報No.5 表紙

ヤマハ発動機 技報 No.5(1988年1月)

                     
巻頭言

巻頭言 PDF

塩川 信夫

明けまして新年おめでとうございます。新しい年を迎え今年一年はどうなって行くのか、それから将来は、マスコミは先き行きの不透明感の中で何かビジョンを明確にしたいと努力し、情報を流してくれます。このような変動の激しい先行き不透明な厳しい国際環境の中ではありますが、当社は中期計画という全社のベクトルを一つに合せる指針を持って進めて居ります。これを常に見つめながら情勢の変化に即応して各々の都度会社方針が明示され業務展開が計られて居ります。従って我々は日常業務の中で一つ一つの業務を結実させる努力をし、PDCAを廻しながら目標を達成して行かなければなりません。
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技術紹介
技報No.5 技術紹介1 説明画像

ヤマハスノーモビル技術の変遷 PDF

安井 敏裕/高田 一良/今井 哲夫/石橋 直和

ヤマハがスノーモビルを作り始めて、今年でちょうど20年が経過しました。この間、後発メーカーとしてスタートしたにもかかわらず、性能と品質を売り物に、着々とシェアーを延ばし、現在ではトップメーカーとして、業界をリードするまでになりました。本稿ではこの20年間の変遷を軸に、スノーモビル技術の一端を紹介したい。
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技報No.5 技術紹介2 説明画像

ヤマハGHPシステムの開発 PDF

数田 久

GHPとは、GAS ENGINE HEAT PUMPの頭文字を採った略称です。ガスエンジンとは、ガスを燃料としたエンジンであり、ヒートポンプとは、フロン等の冷媒の相変化を利用した熱搬送機構で、手短に言えば、冷暖両用エアコンのコンプレッサーの駆動をガスエンジンで行い、暖房時にはエンジンの排熱も暖房に上乗せする空調機です。
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技報No.5 技術紹介3 説明画像

二輪車用4サイクルエンジンの排気制御システムEXUPの開発 PDF

山辺 清貴/上田 英明

二輪車用エンジンにおける最近の出力向上はめざましいものがある。これを4サイクルエンジンについてながめてみると、年々高出力化が図られてきた結果、250ccクラスでは180PS/ℓ、1000ccクラスでは130PS/ℓの高性能エンジンが市販車に搭載されるようになってきている。このように高出力化が進むと、一方ではアイドリングでの不安定現象や低中速域の性能低下といった弊害が生じるため、こうした問題の解決が性能開発における技術課題となっている。二輪車用4サイクルエンジンでは排気系で改善を図っている例が多く、排気管の連結方法や絞りの選定を行ない効果を上げている。しかしこのような手法では排気の脈動効果を減じる結果となるため、高速域での性能を考えると限界があり、アイドリングの安定性、低中速域の出力向上も今一歩のレベルにとどまっており、加えて今以上の高出力化を進めていく場合には排気の脈動効果を最大限に利用することが必要となるため、その点において不利となる。このような状況から排気可変バルブシステムEXUP(エグザップExhaust Ultimate Power Valve)が開発された。このシステムは排気管の絞りの効果に注目して、各々のエンジン回転速度で最適な絞り比を得られるように排気管の後端に可変バルブを設けたもので、1987年4月に発売となったFZR400Rに装着されている。
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技報No.5 技術紹介4 説明画像

BASE 技術部品表システムのしくみ PDF

坂本 裕之/杉山 任/上野 康男

図面がひとつひとつの部品の形状や寸法を表すのに対し、部品表は、これらの部品がどのように組み合わされて製品が出来上がっているかを表している。部品表には、商品開発から生産に至る段階で、さまざまな呼び名を持つ部品表が存在する。例えば、試作部品表は試作品を作るための部品表であり、製造部品表(PYMAC)は加工や組立のための部品表である。CKDには現地自製用の部品表があり、補修部品用にも専用の部品表がある。これらの部品表は、個々の目的に応じた使い捨て情報ではなく、技術の蓄積として引継がれなければならないし、最近ではコストや重量の作り込みにも利用されるようになった。このような企業活動の中枢的な情報と言われている部品表情報を中核に置き、それを取り巻く業務への支援機能を含めて、トータルなシステムを開発することにした。このシステムを「BASE」と名付け、3年の歳月をかけて今年5月に完成・稼働させた。BASEそのものを分かりやすいかたちで紹介し、より多くの皆さんにBASEを効果的に使っていただけることを願って書いた。ぜひ読んでいただきたいと思う。
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技報No.5 技術紹介5 説明画像

梱包設計 PDF

熊田 博仲

技術会に入会されている方々の大部分は、商品開発あるいは生技、製造の技術部門に携わっていることと思います。したがって、商品の組立が完了し完成検査に合格すれば、我事足れりと思われているのではないでしょうか。しかし、そこから販売店まで到着するには梱包をし、幾多の荷役と輸送を行い、思いがけない費用を要しているのです。また、商品の品質は販売店の御手元に無事到着してこそ評価されるのです。そこで、今回は組立以降の梱包・輸送についてご紹介してみようと思います。昨今、各企業はコストダウンに行き詰まり、物流合理化に重大な関心を寄せつつあります。本稿により、技術会の方々が少しでも梱包・輸送に関心をもっていただければ幸いです。
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技報No.5 技術紹介6 説明画像

歯車タイプ3一貫ラインの開発 PDF

小岸 宣夫/鈴木 啓之/田中 隆

これまで、ミッションギヤの製造工程は、いくつかの工場や建屋間を持ち回るかたちでつくられてきた。例えば、ある歯車はその素材として丸棒鋼を切断された以降、 (1)建物間移動:6回 (2)トラック運搬回数:3回 (3)運搬カゴ詰め替え回数:26回 (4)フォークリフト運搬回数:18回 (5)加工する設備:24台 と、実に多くの手間をかけてつくられている。これを改革すると同時に、歯車の品質向上、リードタイムの短縮、中間在庫の削減、トータルのコストダウンの必要性が高まり、その第一ステップとして「歯車タイプ3一貫ライン」を具体化させてきた。ここでは、その「一貫ライン」を構成しているいくつかの新しい技術について紹介する。
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技報No.5 技術紹介7 説明画像

材料技術における最近の話題(Ⅴ) チタン材料編 PDF

高橋 尚久/安達 修平

チタン材料は、大きな比強度(強度/密度)とすぐれた耐食性のため、宇宙・航空機器はもとより、化学プラントや発電設備のような陸上施設にも欠かせない材料となっている。構造用材料としてのチタン合金は、1953年以来、要求に応じてその種類も増え、現在では代表的なものだけで約30を数えるに至っている。素材となるスポンジチタンの生産量は、世界的に見て漸増を続けているが、新規の需要開拓の方は、業界の思うようには進んでいないように見える。特に国内市場では、欧米に見られるような大きな航空機産業を欠如しているため、一般機器にその使途を見い出さねばならず、量的にも価格的にも厳しい制約を課せられている。自動車やモーターサイクル部品への応用は、レース用として20数年前からすでにチタン合金の使用が試みられているが、量産モデルへの応用例はきわめて少ない。しかしながら、汎用チタン合金の価格は年々減少してきており、高性能化に伴って材料への要求が厳しくなりつつあることを考えると、市販モデルへの導入はそう遠い日のことではないと思われる。本稿では、チタン材料の基礎的な性質について概説したのち、最近の応用例のいくつかを紹介する。
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技報No.5 技術紹介8 説明画像

世界一のエンジン工場を目指す磐田第5工場の紹介 PDF

塩沢 晃

当社、製造事業部の戦略である〈高付加価値工場〉構想の一環として建設された磐田第5工場は、生産拠点が国際化していく中で、国内工場の位置づけを明確にし、国際競争力のある工場づくりを目指しており、全世界のヤマハ工場群へのエンジン供給基地としての使命を受け、昭和62年5月より本格稼働を開始した。今回は、世界一のエンジン組立工場を目指す当社の最新鋭工場の紹介をしたい。
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製品紹介
技報No.5 製品紹介1 説明画像

ウォータービークル(MMV)の開発と紹介 PDF

小林 昇

ウォータービークル、この聞き慣れない乗り物はなんだろうと思う人が多いかもしれない。船は昔から人や荷物などを乗せる水上の運搬の道具として、幅広く活用され発展してきた。また一方では、レクリエイションとして活用されてきたのも歴史的事実として記録されている。近年、特に小型船(ボート)は目ざましい発達を遂げてきた。これには主に二つの理由がある。一つは船体材料としてF.R.P(Fiberglass Reinforced Plastic=強化プラスチック)を採用し、強くて軽量な船体を作りあげられるようになったことであり、もう一つは信頼性の高い小型推進機関の開発が進んだことによることが大である。現在、湖沼や渚を中心に活動する多くのボートは、こうした理由から隻数も非常に増加しているが、ボートそのものの形態を考えると丸木船の時代とあまり変わってはいない。つまり端的に言うと、船体が木からFRPへ、櫓や櫂がエンジンに変わっただけである。したがって波をかぶればボートに水が溜り、転覆すれば走れなくなるとか、浅瀬の岩場で船体をぶつければ沈没するとか、漂流するとか、スピードや快適性の面では飛躍的に進歩はしているものの、本質的な面ではあまり変っていないように見受けられる。こうした現状の中で、より安全に、より楽しく、より機動的に航行できる水上の乗り物を追求していったところに、ヤマハウォータービークルが生まれた。
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技術論文
技報No.5 技術論文1 説明画像

エンジン異音の定量的評価手法について PDF

前田 修

一般にエンジンは低速回転時にピストン打音、バルブ着座音、ギヤ打音などの周期性衝撃音を発生することが多い。そのような音は単にやかましいだけでなく、場合によっては異音として捉えられ、運転者を不安にさせることがある。特にモーターサイクルの場合、エンジンが露出しており、その位置もライダーに近いため、このようなエンジン音の低減が重要な課題となっている。そこで問題となるのは、評価手法である。普通、エンジン音の評価は騒音レベル(音圧に対して周波数による補正を加え、対数表示した値であり、感覚的な音の大きさと対応する)によって行われているが、衝撃音のやかましさは必ずしも騒音レベルと対応しないため、アイドリングでのエンジン音の評価は、これまで主に聴感によって行われていた。しかし、官能評価は評定の個人差や再現性などの問題があるため、正確に評価するには多人数で行わねばならず、実際にはなかなか面倒な評価手法である。そこで、エンジン音を客観的、定量的に評価するための新手法が求められていた。今日、環境騒音などに対しては様々な評価手法があるが、周期性衝撃音のやかましさについては、残念ながら良い手法がまだ確立されていないため、自動車メーカーなどでは独自に研究を進め、いくつものエンジン音評価手法が開発されている。しかし、表を見てわかるようにそれらの内容はまちまちであり、統一された手法はないといってよい。この原因は対象となる音が異なることもあるが、評価因子の抽出方法の違いによるところが大きいと思われる。この種の研究においては、人間の聴感を構成する因子を如何にして抽出するかがポイントとなるからである。本研究では、モーターサイクルのエンジン音を対象に、人間の聴感を多次元尺度構成法を用いて解析し、主要な評価因子の抽出を行った。さらに、これらの因子と物理量の関係を調べ、聴感を物理量で表わす評価モデルを作成した。このモデルに基づいてエンジン異音評価計を製作し、エンジン音の評価に用いたところ、聴感評価とよく一致する結果が得られたので報告する。
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