Vol.16 はじめの一歩。そのそばに。
日本 - 2020年1月15日
日本
はじめての出会いはとびきりの笑顔であってほしい。そして、親子で味わったその緊張感や達成感をずっと忘れず大切にしてほしい――。澄み渡った青い空の下、はじめてのバイクと向き合う子どもたち。不安な表情を浮かべる子には元気な声で励まし、「できた!」と喜ぶ子どもたちとはじけるような笑顔でハイタッチ。親子バイク教室の会場には、今日も「ヤマハのおねいさん」の元気な声が響き渡っています。
親子バイク教室は、小学生とその保護者を対象としたバイクの体験教室。バイクを操る「楽しさ」、思い出の共有による「親子の絆」、ルールやマナーを身に着ける「安全教育」、そしてチャレンジ精神と達成感による「成長」を目的に1980年代から続くヤマハの安全普及活動の一つです。
自転車なら自在に乗りこなす子どもたちでも、エンジンという機械が発する音には顔も身体もこわばらせるものです。心の中に生まれるのはわずかな躊躇。勇気をふりしぼっておそるおそるスロットルをひねると、バイクは視線の先にあるお父さんやお母さんに向かってトコトコ進み始めました。その光景は「まるではじめてハイハイができた赤ちゃんのよう。見ているだけで幸せになれる一番好きなシーン」と、インストラクターを務める西森理恵さん。「親子がともに味わう感動の瞬間。そのはじめの一歩にヤマハが介在できることが嬉しい」と話します。
一方、エンジン分解・組立教室は、親子バイク教室を卒業した中学生を対象にしたイベントです。親子でそろいの整備士ユニフォームを着込み、さまざまな工具を使いながらバイクのエンジンを分解してそれを再び組み上げる。非常に難しいプログラムだからこそ、キックを踏み下ろしてエンジンが始動した時には大きな拍手が沸き起こります。
「親子バイク教室に参加した子どもたちには、バイクへの関心を持ち続けてほしい。そしていつか一緒にツーリングできる日が来れば……。ずっとそう願いながら運営してきました」。インストラクターになって間もなく10年。抱き続けていたその夢が「まさか叶うとは思っていなかった」そうです。