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Vol.12 うるおいを創る。ともに、創る。

チェネルフルベ — セネガル - 2018年6月22日

チェネルフルベ — セネガル

ギニア高地に端を発するセネガル川の流れ。その流域に点在するセネガル北部の10か所の集落で、新たにヤマハクリーンウォーターシステムの設置工事が始まりました。安全性の高い水への恒久的なアクセスが生む、衛生的で豊かな日常。水が変われば、暮らしが変わる。村の社交場である水汲み場からは、今日も賑やかな笑い声が聞こえてきます。

山間に降った雨が地中に滲み込み、ゆっくり時間をかけて水脈を伝う。その間、微生物等による段階的な浄化作用を受け、やがて清らかな水となって麓の集落をうるおす――。そんな光景を思い浮かべていただくと、緩速ろ過という方式を用いて水を浄化する「ヤマハクリーンウォーターシステム」の概要をご理解いただけるかもしれません。自然の水浄化の仕組みを応用したこのコンパクトな浄水装置は、大きな電力や専門家によるメンテナンスを必要とせず、住民による自主運営と管理が可能です。こうした特長が水道設備のない小さな集落で有効とされ、主に東南アジアやアフリカで設置が広がっています。

2018年、日本政府からセネガル政府への無償協力案件として、セネガル川流域の10か村にヤマハクリーンウォーターシステムの設置が始まりました。暑い日には摂氏45度を超える灼熱の中で、現地の人々とともに汗を流しながら設置工事を管理し、住民の皆さんにメンテナンスの指導を行う一人の日本人。「設置したどこの集落でも、たくさんの人に『ありがとう』と言ってもらえた。それが本当に嬉しかった」と振り返ります。

カメラは、2012年にヤマハクリーンウォーターシステムを設置したンジャオドゥンナー村にも再訪。あの日、大きなボトルを抱えて水を汲みに来た笑顔の少年との再会を果たしました

ヤマハクリーンウォーターシステム

緩速ろ過という方法を用いた幅5m×奥行8m×高さ4mほどのコンパクトな浄水装置。自然界における水浄化の仕組みを応用し、丸一日かけて川や沼の表流水を生活水に浄化する。特別な薬品や大きな電力、また専門技術者のオペレーション等を必要とせず、住民による自主運営が可能なシステムをめざして1996年に開発をスタート。これまでにインドネシア、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、スリランカ、そしてセネガルを加えた7か国・9か所の村落で実証実験を行ってきた(2012年時点)。

 

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