職場体験実習 レポート4
2025年10月15日、16日ヤマハ発動機本社で開催された職場体験実習の様子をレポートします。
イベント情報
| 開催日 | 2025年10月15(水)、16日(木) |
|---|---|
| 会場 | ヤマハ発動機本社(静岡県磐田市) |
| イベント/コース | 職場体験実習 |
イベントレポート
ヤマハ発動機グループは、企業と地域社会との共存共栄を図り、持続可能な関係が重要であるとの認識に立って、地域の皆さまと日常的なコミュニケーションを通じ信頼関係を維持・向上することが大切だと考えています。
中でも「将来を担う人たちの育成」「地球環境の保全」「交通安全普及」「地域社会の課題解決」を重点領域と定め、ヤマハ発動機グループの強みを生かし、事業戦略と連動させながら社会貢献活動を推進しています。
今回の「職場体験実習」は「将来を担う人たちの育成」に寄与するもので、毎年、磐田市立城山中学校からご依頼をいただき、さまざまな部門の協力のもとに、専門知識・技術を持つ従業員が中学生にとっての初めての仕事をサポートしてきました。
そして2025年は、組立工場が受け入れを担当し、城山中学校の「職場体験実習」を、中学2年生6名を迎え2日間のスジュールで実施しました。
実習は工場見学からスタート、エンジン組立、車体組立、完成検査など各工程を解説付きで約45分をかけてじっくり見学。従業員の皆さんがラインなどで働く姿、たくさんのAGV(自動搬送車)が、製造現場をつなぎ合わせながら働く姿を見てもらいました。
その後、座学による安全教育では、「職場体験ではありますが、実際に工場・現場で働くわけなので、中学生だからということではなく、新入社員や新人たちと同じように必要なことを学んでもらいました(担当者)」
続いて事故の疑似体験では、「今回もいつも通り、怪我人を出すことがないようにという思いを込めて実施しました。ルールを逸脱した時に事故が起こることやその怖さを認識してもらいながら、ルールを守ることの大切さをわかってもらえるように指導しました(担当者)」
さらに組立作業の擬似体験も行いました。「基本的な手順を覚えるため、同じことを何度も繰り返してやってもらいましたが、一つでも間違いがあるとそれが品質に影響してしまうことを感じてもらいました」と担当者は話しましたが、普段は使うことがない工具に悪戦苦闘しながらも、緊張感を持って取り組み、品質にこだわる姿勢を見せてくれました。
2日目は、早速配属先での勤務へ。その配属先の一つがキット工程です。ここでは各種製品のパーツを正確にピックアップして揃えるという作業が行われます。
「最初は慣れない作業で緊張もあったようですが、何回かやっていくうちに、動きもスムーズになってきました。午後になると疲れもあり集中力が続かず小さなミスもありましたが、最後までみんな一所懸命にやってくれました(担当者)」
「早くできた時、完璧にできた時は私自身も“よしっ”て思うことがありますが、それが仕事の楽しい部分なんだと思います。なんとなくこなすのではなく、“もっとよくしよう”、“もっとできるようになりたい”という気持ちを持って取り組むことがとても大切なんです。そしてモノづくりの会社なので、やっぱりお客さまにはいいものを届けたいわけです。だから、いいバイクだねって思ってもらえるように私たちも頑張っていますが、これが仕事の本質であり、彼らにもこうしたことが伝わるといいなと思って取り組みました。初めての先生役でしたが、私自身も楽しかったです(担当者)」
もう一つの配属先が、ユニット工程です。パーツを組み上げてもらう細々とした作業ですが、やはりコツを掴むまで四苦八苦。しかし若さや興味から飲み込みが早く、正確かつスピーディーに進めていきます。
この現場を担当者は、「私は普段から派遣の方や新入社員を教える立場にいますが、今回は中学生と正直、戸惑いがありました。ただ冒頭に話したのが、ヤマハ発動機の製品は国内だけでなく、欧州やアメリカなどいろんな国で販売され、世界中に私たちの製品を買ってくれる人たちがいるということ。その人たちが喜んでいる顔を見ることはできませんが、喜んでいる顔を想像し、また喜んでもらえるように、一つ一つ丁寧に作っていくことが大切であると伝えました。
大人と違って、後半は疲れが見え集中力はなかなか続かないところがありましたが、彼らなりに頑張ってくれたと思います」
最後に、2日間の「職業体験」を終えた中学生の皆さんの感想をいただいたのでご紹介します。
参加者のコメント
先頭へ
今回は初めての仕事でしたが、自分でやりたいと思って選んだ仕事だし、疲れたけどいろんなものに触れて体験して、その中でうまくできるようになって褒めてもらったりして楽しかったです。工場を見学させてもらった時に、実際にバイクのエンジンをかけて検査したり、パーツを組んでいく仕事がありましたが、自分もやってみたいと思ったし、社食も美味しかったので、ヤマハ発動機に入りたいなと思いました」
僕は将来、モノづくり系などの技術者になりたいと思っていますが、今回、いろいろ指導してくれた皆さんをはじめ、ヤマハ発動機の皆さんはみんな優しかったし、楽しく仕事をしているように見えました。僕も将来は楽しく働きたいと思いました」
実際の作業では、一つのパーツをはめるだけでも難しいのに、全部を10秒で仕上げる人がいるって聞いた時に、働いて得た経験というのはすごいなと実感しました。また今回、ヤマハ発動機に来て感じたのは、皆さん親切で親しみやすく、仕事に対しての向き合い方も熱心で、自分の仕事をやり切ろうとする方ばかりだということです。そしてヤマハ発動機のモノづくりは、人を喜ばせたり、人の役に立つものをみんなで一緒に作り上げていくものなんだと感じました」
業務ではみんなも疲れていたけれど、ずっと働くというのは本当にすごいなって思ったし、これを毎日やるのは本当に大変だなって。正直、もっと楽かと思っていたので、大人ってすごいなって思いました。
ヤマハ発動機の皆さんは、優しく丁寧に教えてくれるのですぐにコツを覚えることができて楽しく取り組むことができました。将来は製造業などモノを作る仕事をしたいと中学生になってくらいから思っていましたが、改めてモノづくりがいいなと思ったし、これからの進路もそういった方向に進みたいと思います」
今回はいろいろな体験をしましたが、指導してくれた方が“自分たちが組み立てたものを、世界中で誰かが乗っていると思うとすごくない?”と話していましたが、確かに不思議な感じがして印象に残りましたし、実際に組み立てる作業も楽しかったです。将来はサッカー選手になりたいのですが、今回の体験を通じて、工場で働くのもいいなと思いました」
体験して、モノづくりというのは大変な仕事であると分かりましたが、それでも好きなので、将来はモノづくりに携わっていきたいなと改めて思いました」