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イヌワシ

日本最大の猛禽類「イヌワシ」をペーパークラフト化

日本の希少動物シリーズ

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「イヌワシ」は、体長80~90cmほどのタカの仲間です。大きな黒い翼と頭部に生えた金色の羽が特徴的です。日本各地の山岳部に生息し、その生態系の頂点に君臨する雄々しい猛禽です。
しかし人間の手による自然の開発によってその生息地を追われ、個体数が減っています。
「イヌワシ」は、「レッドリスト」に絶滅危惧[I]B類[EN]として登録されています。

天狗伝説の由来ともいわれた「イヌワシ」をペーパークラフトにしました。ダウンロードしてお楽しみください。

データのダウンロードPDFデータ初出:1999年11月1日

イヌワシ - 動物小事典

  • イヌワシ(タカ科)
  • JAPANESE GOLDEN EAGLE
    Aquila chrysaetos japonica
  • 全長 80~90cm/翼開長 200cm以上
  • 日本版レッドリストカテゴリー区分[EN]

イヌワシはタカ科に属し、翼を広げると2mを超える大型の猛禽で、山地の生態系の頂点にあたります。
猛禽類ならではの鋭い目とくちばしを持ち、身体は黒褐色の羽で覆われていますが、英語名「JAPANESE GOLDEN EAGLE」の名のとおり、後頭部に金色の羽があり、鮮やかなアクセントになっているのが特徴です。
イヌワシという名の由来ですが、イヌワシは漢字で「犬鷲」や「狗鷲」と書かれ、「犬」も「狗(イヌ)」も動物の「イヌ」という意味の他に、「大きい」という意味を持っています。つまり「大きなワシ」という意味なのです。
また、「天狗」の「狗」という漢字と「狗鷲」の「狗」は同一からか、天狗伝説は、このイヌワシがモデルといわれています。
昔、山村で子供が突然姿を消すと「天狗にさらわれた」といわれたそうですが、猛スピードで空を駆ける巨大な影を見て、昔の人は驚きと恐怖から「天狗」という架空の存在を作り出したのかもしれません。
イヌワシの餌は通常ヘビやヤマドリ、ノウサギなどが主食ですが、ネズミやイヌを狩ることもあります。
翼を広げて風に乗り、上空から獲物を見つけると翼を畳んで急降下して、鋭い脚の爪で捕えまえます。
イヌワシのつがい(夫婦)は通常一度に2個の卵を産みます。
2~5カ所の巣を持ち、そうした複数の巣を含む広い地域を縄張りとして、一生その地で生活するのです。

全幅2mにも及ぶ翼を広げた姿

生息地

イヌワシは山岳地帯の切り立った崖にヒノキやブナ、イタヤカエデなどの木の枝を用いて巣をつくります。
青森・秋田両県の県境に位置し、世界自然遺産として名高い「白神山地」をはじめ、北海道・本州各地の山岳地帯に生息しています。
日本各地に生息するイヌワシですが、その数は極めて少なく、しかも餌の採餌のために非常に広い面積が必要となるため、森林の伐採などで生息環境が狭くなっています。
また警戒心が強いので、人の手が入った環境では繁殖を止めてしまうことからも個体数は減少し、現在は300羽しかいないといわれています。
1965年には国の特別天然記念物に指定されました。絶滅の危機から救うために、各地の保護団体や動物園などで保護・飼育・繁殖が試みられています。

イヌワシの主な生息地
住みかは自然があふれる山岳地帯
(写真:白神山地)

写真提供:牧野竹雄/石川県白山自然保護センター/岩崎村役場

レッドリストとは

レッドリストは、日本国内で絶滅のおそれのある様々な野生生物を種類別にまとめたリストです。さらにこのレッドリストに基づいて生息状況などを明らかにしたものがレッドデータブックと呼ばれる資料です。
これらは生物学的観点から個々の種の絶滅の危険度を評価し選定したもので、規制などの法律上の効果を持つものではありません。絶滅のおそれのある野生生物の保護を進めていくための、基礎的な資料として広く活用されています。

※国際基準となるレッドリストはIUCNによってまとめられていますが、日本の環境庁も国内の稀少動物に関する独自のレッドリストを作成しています。当サイトでは環境庁報道発表資料に基づいたカテゴリー定義でご紹介しています。

日本版レッドリスト・カテゴリー区分
絶滅 EX 我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
野生絶滅 EW 飼育・栽培下でのみ存続している種
絶滅危惧[I]A類 CR ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い種
絶滅危惧[I]B類 EN IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種
絶滅危惧[II] VU 絶滅の危険が増大している種
準絶滅危惧 NT 現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
情報不足種 DD 評価するだけの情報が不足している種
絶滅のおそれのある地域個体群 LP 地域的に孤立しており、地域レベルでの絶滅のおそれが高い個体群
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