代表選考レースとなった「2024年470級世界選手権」(スペイン)磯崎/関組は8位入賞
2024年2月27日〜3月3日まで、スペインのパルマ(マヨルカ島)で「2024年470世界選手権」が開催されました。
2024年2月27日〜3月3日まで、スペインのパルマ(マヨルカ島)で「2024年470世界選手権」が開催されました。この大会は7月に開幕するパリ大会セーリング競技470級の日本代表チームを決める選考対象になっています。
パリ大会日本代表は2つの選考大会の総合得点で決まります。得点は獲得した順位が与えられ、総合得点が少ないチームが勝者となります。また、この世界選手権でメダルを獲得したチームにはボーナス得点が与えられるため重要度が高く、ヤマハチームにとってもこれまでの活動の集大成となる大会です。
夏のマヨルカ島はビーチリゾートとして知られていますが、冬は日本と同じように安定した風が期待され、欧州セーラーの冬の練習拠点となっています。軽風から強風まで吹くことが予想され、世界チャンピオンを決めるのに最高の舞台です。
初日のレースがはじまり、勢いよく首位に立ったのは、ヤマハセーリングチームの磯崎哲也/関友里恵でした。2023年度世界選手権で銅メダルを獲得した磯崎/関は本大会のメダル候補であり、その実力は世界が知るところ。今冬は海外のトップチームが集まるスペインで強化合宿を重ね、本大会へ挑みました。
初日の3レースでトップに立った磯崎/関は、ペースを落とすことなく決勝シリーズへ進出しました。髙山大智/盛田冬華も苦手としてきた軽風域のスピードが上がり好レースをみせますが、「感覚以上に成績がついてこなかった」と髙山がコメントするように成績をまとめることができません。
また、前年度の世界選手権金メダルの岡田奎樹/吉岡美帆(トヨタ自動車東日本/ベネッセ)も負けていません。予選を2位で突破した岡田/吉岡は、緊張感を漂わせながら磯崎/関を追い詰めていきます。
レースの転機は最終日前日にやってきました。海上は朝から強風が吹き、波も高くなり、これまでのコンディションから一転しました。強風となった決勝レースの最終日は、この風域を得意とする髙山/盛田がすべてのレースで日本人チームのトップを取り、メダルレースへの出場には届かなかったものの健闘を見せました。これまで首位を守っていた磯崎/関は、強風の戦いで歯車が合いません。磯崎/関は順位を大きく落として8位に。岡田/吉岡も万全な走りではありませんが、強風レースを耐えてメダル獲得圏内の3位を守りました。
磯崎/関は最終日におこなわれる決勝メダルレースで逆転に賭けますが、海上は不運にも出艇できないほどの荒天です。レースができる状態になるまで15時近くまで待機しましたがタイムリミット。前日までの成績が最終成績となりました。
世界選手権/日本代表一次選考の結果、岡田/吉岡の得点=順位にボーナス得点(マイナス6点)が入り、ポイントはマイナス3点。磯崎/関は8点、高山/盛田は19点。
「(最終日前日の結果に)冷静に走れていたし、強風の走りも改善できていたけれど、レース中スピードが出ないのを感じていました。11点差になるけれど、まだチャンスはあります。プリンセスソフィア杯は1位を取るつもりで戦います」(磯崎)
パリ大会日本代表二次選考は、4月1日〜6日まで同じくマヨルカ島で開催される「プリンセスソフィア杯」です。ヤマハセーリングチームは最終決戦へ向かいます。