2024年に向け、世界で白熱したレースが続く「470級世界選手権大会」
2022年10月21日から29日にかけて「470級世界選手権大会」がイスラエルのスドット・ヤムにて開催されました
2022年10月21日から29日にかけて、470級世界選手権大会がイスラエルのスドット・ヤムにて開催され、ヤマハセーリングチームの髙山大智/盛田冬華、磯崎哲也/関友里恵のコンビが参戦しました。
[2022年470級世界選手権大会 選手インタビュー]
2020年大会は世界的なパンデミックで中止、ポルトガルで開催された2021年大会は日本国内の感染状況を考慮して参加を辞退していたことから、日本の470チームにとっては2019年の8月の江の島ヨットハーバー(神奈川県)以来、3年ぶりの世界選手権です。会場となったイスラエルのスドットヤム・ヨットクラブは地中海に面した小さなクラブで、各レース艇は目の前のビーチから出艇していきました。
2024年のパリ大会から470級はミックス(男女混合)種目に変更されたため、今大会からは男女別のカテゴリーは開催されないこととなり、世界20カ国から60チームのミックスチームが集まりました。
日本からはヤマハセーリングチームの2組の他、東京大会の男女の代表同士がコンビを組んだ岡田奎樹選手/吉岡美帆選手(トヨタ自動車東日本/ベネッセ)、2018年世界選手権女子優勝ヘルムスマンの吉田愛選手/木村直矢選手(ピアソンジャパン)の計4チームが参戦しました。
前半の5レースは予選シリーズ。ヤマハの2チームと岡田/吉岡はこれを突破してゴールドフリート(上位グループ)に進出。吉田/木村は第3レースのリコールが響いて惜しくもシルバーフリートにまわることになります。大会4日目の第6レースからは、最終日に上位10チームで競われるメダルレース進出を目指しての戦いとなりましたが、ヤマハの2チームは磯崎/関が16位、髙山/盛田が28位で、目標だったメダルレース進出はなりませんでした。
日本チームからは岡田/吉岡選手が8位で唯一メダルレースにコマを進め、メダルレースでは3位となり、最終順位を7位にまで上げました。優勝したのはドイツのヴァンザー/オウテンリース。かつて470王国だったドイツですが、西ドイツ時代に男女アベック優勝した1990年大会以来となる32年ぶりの世界選手権優勝となりました。
チーム結成直後ながら第9レースではトップフィニッシュを決めるなど、いい走りを見せながらもメダルレースには届かなかった磯崎は「まだコンビネーションが噛み合っていないので、スタートやマーク周りで攻めることができませんでしたが、そこは乗り込みで高めていくしかありません。レース勘みたいなものは、これから国際レースに出て行くことで取り戻せると思います」と語ってくれました。
一方、初日にいい滑り出しを見せながら、なかなか順位を上げることができなかった髙山は「今回はいいスタートが切れたんですが、コース取りが裏目に出てしまうことが多くて順位を上げきれませんでした。全体的なパフォーマンスは上がってきているので、辛抱強く練習と調整を重ねていくしかありません」と、今大会を振り返りました。
来年からはいよいよパリ大会に向けての選考が本格的に始まり、これまでには感じることのなかったプレッシャーが選手を襲い、待ったなしの厳しい戦いが続きます。