強風のレースで苦渋「第53回フランス・オリンピックウィーク」
2022年4月25日から30日にかけて、南フランスのイエールで「第53回フランス・オリンピックウィーク」が開催されました
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2022年4月25日から30日にかけて、南フランスのイエールで「第53回フランス・オリンピックウィーク」が開催されました。
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2024年パリ大会セーリング競技の開催地マルセイユからクルマで1時間半の距離にあるイエール。ここで毎年春に開催されるフランス・オリンピックウィークは注目度の高いレースの一つです。また、東京大会後、フランスで初めて開催されるセーリング競技10種目の大会とあって、50カ国以上から750選手が集結しました。
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このレースの人気のもうひとつの理由は、安定して吹く風です。アルプス山脈から地中海に向かって吹き下ろすミストラルと呼ばれる強風は、イエールの名物と呼ばれるもので、強靭なセーラーを育ててくれます。
2022年3月に日本を離れ、スペイン・マヨルカ島の「プリンセスソフィア杯」でチーム初の海外大会を経験した髙山大智/盛田冬華は、スペインからフランス入りしてトレーニングを開始。スペインで経験した課題を克服するべく、約2週間の練習を経て大会にのぞみました。
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フランス・オリンピックウィークは30ノット近くまであがるミストラルで幕を開けました。現時点では得意とはいえない初日の強風レ−スを4-11位で切り抜けますが、2日目の第3レースでフライングによる失格を受けてしまいます。
ここでリズムを崩してしまった髙山/盛田は、イエールの風をなかなかうまく捉えることができません。このまま大会前半の予選シリーズで浮上することができず、ゴールドフリート(予選上位グループによる決勝シリーズ)に進むことができませんでした。髙山/盛田は27位/51艇中で大会を終えました。
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「スペイン大会で見つけた課題は、事前練習でいくつかクリアできて良い感触がありました。この大会ではさらに上の段階を目指そうとしていたのですが、新しい取り組みを入れたことで混乱してしまった部分があります。スタートの混戦から抜け出せなかったし、その後のアップウインドのコース取りがよくなかった。もう一度、やるべきことを整理して次の大会へ挑みます」(髙山大智)
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「今回は苦しい戦いでした。強風のレースで海外選手と比べて体重差を感じることはありましたが、ダウンウインドのスピードが良く、トップ選手に負けていません。ペアのコンビネーションが良くなってきている証拠だと思います。ただ、アップウインドのコースでミスがあり順位を落とす場面がありました。こうしたミスをなくしていかなければなりません」(盛田冬華)
思い通りの戦いができず、悔しい内容となったフランス・オリンピックウィーク。約1カ月半続いたチーム初の海外遠征を経験した髙山/盛田は、またひとつ成長を遂げてくれるでしょう。