ワールドクラスのレースを走り抜き8位入賞。「セーリングワールドカップ江ノ島大会」
2020年度日本代表選考の最終戦となるセーリングワールドカップ江の島大会が、8月25日から9月1日にかけて神奈川県藤沢市の江ノ島ヨットハーバーで開催されました。
2020年度日本代表選考の最終戦となるセーリングワールドカップ江の島大会が、8月25日から9月1日にかけて神奈川県藤沢市の江ノ島ヨットハーバーで開催されました。女子の代表は選考2戦目となった8月の世界選手権大会で吉田愛選手/吉岡美帆選手に決定。YAMAHA Sailing Team‘Revs’(ヤマハ)の宇田川真乃/工藤彩乃は残念ながら日本女子2位の成績でリザーブ(補欠)に決定しました。男子の代表争いはこれまでの選考レースのポイントで岡田奎樹選手/外薗潤平選手のペアが優位に立ち、ヤマハの髙山大智/今村公彦はわずかな可能性を残した形で最後の選考レースに臨みました。
[セーリングワールドカップ江ノ島大会]
大会は大会3日目から夏の江の島の風物詩とも言える南からの強風が吹き込むコンディション。ここで目の覚めるような走りを見せたのが、ヤマハと“One Team”として活動を続けてきた土居一斗選手と、2年前に日本大学を卒業した若手クルーの木村直選手。世界のトップランカーたちを相手に、互角以上の戦いぶりを見せ、レースを重ねる毎に順位を上げ3位という成績で、上位10チームで行われるメダルレースに進出を決めました。
前大会から新艇「YAMAHA470CPH」でレースに臨んでいるヤマハの髙山と今村は前半の軽風レース、後半の強風コンディションをしっかりと自分たちのものとし、予選を8位という成績で終え、メダルレースへの進出を決めました。 しかし、この時点で首位にいた岡田選手/外薗選手の選考ポイントに追い着くことが出来ず。最終日に行われたメダルレースは、「選考」においては「勝者」のいないレースとなりました。
「今回のキャンペーンが最後と決めていたので悔いのないレースがしたい。そして髙山と二人でレースを楽しみたいと思っていた」(今村)
「可能性は確かに低かったが、最後まで‘諦める’という感覚は起きなかった。しっかりとレースが出来た」(髙山)
その言葉通り、苦手だった軽風のレースでもしっかりと走りきり、総合8位という成績でワールドカップを終え、レース後には二人でがっちりと握手を交わしました。
なお、土居と木村は3位で銅メダルを獲得。代表になることは叶いませんでしたが、表彰台の周りを埋め尽くした観衆から大きな拍手を浴びました。
また、ヤマハの契約セーラーで土居らと同じく“One Team”として共にトレーニングを重ねてきたオーストラリアのマシュー・ベルチャー選手/ウィル・ライアン選手(豪)は圧巻のレース運びでメダルレースを終えずして1位を確定させ、表彰台に立ちました。
2020年世界大会の表彰台を目的に2016年に結成されたYAMAHA Sailing Team‘Revs’の活動は一段落。これから新たなステージへと進みます。まずは宇田川と工藤はリザーブにふさわしい力をつけ、実力の底上げが求められます。男子はベルチャーらのセーリングパートナーとしてチームをサポートする予定です。
岡田/外薗、吉田/吉岡の活躍を祈り、声援を送るとともに、今後もヤマハセーリングチームのさらなる成長に期待したいところです。