強風レースで好感触。ライバルたちに競り勝つ。ワールドカップシリーズ・ファイナル
世界を転戦するセーリング・ワールドカップの最終戦「ワールドカップシリーズ・ファイナル」が、6月2日から9日までフランスのマルセイユで開催されました。この大会に髙山大智/今村公彦、宇田川真乃/工藤彩乃、マシュー・ベルチャー/ウィル・ライアンが出場しました。
世界を転戦するセーリング・ワールドカップの最終戦「ワールドカップシリーズ・ファイナル」が、6月2日から9日までフランスのマルセイユで開催されました。この大会に髙山大智/今村公彦、宇田川真乃/工藤彩乃、2018年度の最終戦で優勝したディフェンディングチャンピオンのマシュー・ベルチャー/ウィル・ライアンが出場しました。
ワールドカップ・マルセイユは、2020年の日本代表を目指すチームにとってシリーズ最終戦という意味だけでなく、世界のトップセーラーの実力を知り、競い合う貴重な大会です。特に日本の選手にとっては2020年の日本代表選考が8月に行われるため、マルセイユ大会がハイレベルなレースを経験できる直近の国際大会となります。
大会は予選5日間と決勝(メダルレース)で行われました。島と半島に囲まれた大きな湾となるマルセイユの海面は、岸近くでは風が不安定で、沖に出ると波が悪くなるという特長があります。470級のレースは、風が強く波も悪い、セーリングの難しいレース海面で行われました。
髙山/今村は、軽風の初日こそ中位置の順位に甘んじましたが、風が吹き上がった2日目から波をつかみます。強風セーリングに定評があるチームだけに10位以内の成績を重ね、2018年ワールドカップ江ノ島大会(銅メダル獲得)以来となる決勝メダルレース進出を決めました。
「強風のなかで十分に戦えることを再確認できました。最終成績は10位でレースを振り返ると取りこぼしもあって、もう少し上の成績を取りたかった気持ちもあります。でも、チームは8月の世界選手権が目標です。今回、日本チーム内で最高順位になれたことは、この後につながる良い戦いができたと思っています」(髙山大智)
髙山/今村は、課題としていた2人のコミュニケーションも改善され、レース内容に手応えを感じたようです。なおオーストラリアのマシュー・ベルチャー/ウィル・ライアンは、2位との得点差を大きく引き離して金メダルを獲得しました。
強風シリーズとなったマルセイユ大会で、女子の宇田川真乃/工藤彩乃も好感触をつかみました。特に予選最終日の吹き上がった風の中、トップセーラーを相手に引けを取ることなく、6位、7位の順位を取ったことは成長した証といえるでしょう(最終成績16位)。
「4月のスペインから始まったヨーロッパ遠征では、思うように走れず、苦しい戦いでした。この期間に走らせ方を改良して、やっとこの大会で形になってきたと感じています。海外選手と強風レースで走り負けしなかったし、ライバルの日本チームとの戦いで競り勝てたことは自信につながりました」(工藤彩乃)
2020年の日本代表選考レースは、残すところ8月に江ノ島で開催される470級世界選手権とワールドカップ江ノ島大会の2大会。先に行われたプリンセスソフィア杯の得点と合わせ、日本チーム内で最高得点を獲得した男女1チームが日本代表となります。