海外遠征で経験値を積み上げて臨んだ選考レース初戦
「プリンセスソフィア杯」の第50回大会が、3月29日から4月6日にかけてスペインのマヨルカ島で開催され、神木/疋田、髙山/今村、宇田川/工藤、さらにオーストラリアのベルチャー/ライアンが出場しました。
ヨーロッパを代表するビッグレガッタのひとつ「プリンセスソフィア杯」の第50回大会が、3月29日から4月6日にかけてスペインのマヨルカ島で開催され、オリンピック種目を含む計15種目に、世界62カ国から1200名以上のセーラーが出場しました。2020年日本代表の選考対象の初戦となった470級には、日本から男子9チーム(全79チーム)、女子4チーム(全48チーム)が出場。YAMAHA Sailing Team ‘Revs’からは神木聖/疋田大晟、髙山大智/今村公彦、宇田川真乃/工藤彩乃、さらにオーストラリアのマシュー・ベルチャー/ウィル・ライアンが出場しました。
[選手インタビュー] 代表選考レースの初戦で得た次戦への課題
軽風コンディションのレースが中心となった今大会、度重なる怪我で苦しんできた神木は疋田とともに7ヶ月ぶりの実戦に臨みましたが37位という成績に終わりました。また、チームのなかでも世界ランキングのもっとも上位に位置づけている髙山/今村は、軽風中心のレースに苦しみながら、しぶとく前半戦を走り抜いたものの、大会4日目に迎えた得意の強風レースでも思わぬ苦戦を強いられ、19位という成績に低迷しました。
「いつも苦手意識を持ってきた軽風のレースという部分では成長していると感じています。得意のはずの強風では油断をしてしまい、目標としていたメダルレース出場には届きませんでしたが、ベテランの今村さんからは追われることのプレッシャーがいかにきついかについて聞いてきたので、初戦で日本人3位という位置は決して悪くはないと思っています。選考レースはこれから続きますが、次は2位、その次は1位と、順位を上げていきます」(髙山)
女子の宇田川/工藤も男子と同じく力を発揮しきれずに31位という成績。初日のレースでケース(ルール違反による抗議の対象)を2回起こし、うち1レースが失格となってしまい、リズムを崩す形となりました。
「いつも以上に緊張していて自分たちのレースができるようになるまで時間がかかってしまいました。自信を持って臨んだ大会でしたが、世界の選手も同じようにレベルアップしていることを痛感した大会でもありました。次回の日本での選考レースまでに海外でレースを積み重ねていきますが、そのなかで自分たちの流れをしっかりと作っていきたいです」(宇田川)
なお、オーストラリアのマシュー・ベルチャー/ウィルアイアンは初日に失格するなど苦しいスタートとなりましたが、最終順位は5位にまで回復。後半でワールドランキング1位の実力を見せつけました。
次回の日本代表選考レースは8月に日本の江ノ島で開催される世界選手権。その間、選手たちはヨーロッパ選手権、ワールドカップなど、海外でハイレベルなレースに参戦していきます。焦ることなく、チャレンジ精神を持って、ひとつひとつのレースに臨んでいきます。