試練の「セーリングワールドカップ・イエール大会」
4月22〜29日、フランス南部のイエールで「ワールドカップ(W杯)イエール大会」が開催され、高山大智/今村公彦、宇田川真乃/工藤彩乃が出場しました。
4月22〜29日、フランス南部のイエールで「ワールドカップ(W杯)イエール大会」が開催されました。2018年W杯シリーズは4戦が予定され、本大会は第3戦目にあたります。世界ランキング上位選手だけが出場するW杯イエール大会に高山大智/今村公彦、宇田川真乃/工藤彩乃が出場しました。イエール大会は、今年で50回の歴史を持つ伝統のヨットレースです。W杯に組み込まれる以前から欧州のトップセーラーが集まる重要な大会として知られ、今年は46カ国・地域から647選手が集まりました。
アルプス山脈から吹き下ろすミストラル(フランス南東部に吹く冷たい強風)で知られるイエールですが、今年は例年に比べて暖かく、ミストラルは吹かず。弱風が中心のレースになりました。もともと強風域を得意とする高山/今村は、第1レースのスタートでリコールし(フライングによる失格)、自分たちのペースをつかめないままにレースが進行。選手たちは軽風での走り方を課題に取り組んできましたが、レースの流れをつかみきれず総合23位に甘んじる結果となりました。
「大会前から天気予報で軽風が予想されていました。セッティングやコンディショニングも風に合わせましたが、スタートで出られず苦しい展開になりました。軽風では自分たちの技術があきらかに足りません。夏の世界選手権までに結果を出せるように改善していきます」(今村公彦)
今春に新チームを結成した宇田川/工藤は、スペインで開催されたプリンセスソフィア杯に続いて2度目の国際大会出場となりました。宇田川/工藤は、レース経験は少ないながらも世界のトップ選手と戦う中で一歩ずつ成長しています。
「順位(総合31位)に満足していませんが、学ぶことの多いレースでした。序盤はスタートが成功しなかったけれど、2人で試行錯誤しながら後半でうまく出られるようになりました。でも冷静に見れば、まだまだ実力不足です。今年はメダルレース(予選成績上位10艇で競う決勝戦)に出ることが目標。もっとトレーニングします」( 宇田川真乃)としっかり前を向いて話します。
なお、ヤマハの契約チーム、オーストラリアのマシュー・ベルチャー/ウィル・ライアンは銀メダルを獲得しました。
YAMAHA Sailing Team 'Revs'にとって厳しい結果となったW杯イエール大会。しかし、選手たちの気持ちは前向きで、この結果を、成長するために必要な試練と考えています。