自信と課題をつかんだ470級世界選手権大会
チームとして世界への第一歩を刻む
2017年の国際470級世界選手権大会が7月9〜15日、ギリシャのテッサロニキにおいて開催されました。YAMAHA Sailing Team 'Revs'にとってはもちろん、ベテランクルーの今村選手を除く5人にとっても初めての世界選手権です。テッサロニキのこの時期は軽風が多いとの予想通り、大会期間中は3〜5m/sの軽風となりました。
[ダイジェストムービー] 470 ワールドチャンピオンシップ2017 ギリシャ・テッサロニキ
軽風コンディションを得意とする神木/疋田にとっては実力を発揮できる最高の舞台。本人たちもその思いが強かったようで、気負いすぎたのか初日の2レースで出遅れたものの、その後は手堅くスコアをまとめ、メダルレースを狙えるポジションでゴールドフリートに残りました。ところが、決勝シリーズに入った第10レースでスタート後に艇をぶつけられてしまい、破損。レースを継続することができなかった神木/疋田は第10レースをリタイアし、引き続き行われた最終の第11レースにも出走できませんでした。幸い、神木艇は権利艇でルール上の非がないと認められたため、この2レースには救済措置が与えられ、最終順位は16位(日本チーム3番手)に留まりましたが、メダルレース出場を狙っていただけに残念なトラブルとなりました。
一方、強風域が得意な高山/今村は、初日の第2レースでトップフィニッシュするなど、これ以上ない滑り出しとなりましたが、4番手でフィニッシュした第4レースが痛恨のリコールとなり順位を落としてしまいます。ギリギリでゴールドフリートにとどまったところまではよかったのですが、決勝シリーズに入ってから1レースごとに勝負するような展開になってしまいスコアを崩してしまいます。その後、総合順位を意識したレース展開をすることに気持ちを切り替えてからは自分の走りを取り戻し、最終順位を21位(日本チーム6番手)まで挽回しました。
女子の宇田川/関は雰囲気に呑まれたのか、シフティーな風を掴むことができず、ゴールドフリートに残れませんでした。シルバーフリートとなった後半戦もスコアが安定しませんでしたが、後半は開き直ったのか最終日にはシルバーフリートながら5-5位でフィニッシュするなど、ようやく「らしさ」を見せることができ、最終順位を37位(日本チーム2番手)まで回復させました。各チームとも満足できる順位ではなかったようですが、今大会でもそれぞれに課題を見出し、メダルレースが行われた最終日は晴れ晴れとした顔で撤収作業を行っていました。
ヤマハ発動機・木村副社長が選手を激励
大会開催中の7月12・13日の両日、ヤマハ発動機の木村隆昭副社長(マリン事業本部長)が視察に訪れ、レースの様子を観戦しました。今回の視察は宇田川真乃選手が本社に挨拶に訪れたとき「世界選手権は応援に行く」という約束をかわしたことがきっかけで実現したもの。当初は12日のみの予定でしたが、選手たちの奮闘ぶりに感動した木村副社長はスケジュールを変更して、翌13日も海に出て観戦し、陸上では選手たちと触れ合う時間もつくって、選手たちを大いに激励しました。
この大会後、選手たちは日本に帰国し、8月半ばに江の島で行われる全日本選手権と、それに続いて開催される470級ジュニア世界選手権に向けて、ホームポートの葉山マリーナで調整に入りました。