1987年

スタート方式は従来のプッシュスタート（押しがけ）からクラッチスタートに変更された。GP500ccのシリーズ戦に日本ラウンドが初めて組みこまれた。全15戦が開かれ、チームラッキーストライクロバーツのR・マモラがランキング2位、ヤマハマールボロチームのE・ローソンがランキング3位と活躍。ヤマハは2年連続でコンストラクタータイトルを手中にした。

マモラは開幕戦の鈴鹿で、定評の<雨での速さ>を見せて優勝、また終盤の第13戦サンマリノでは炎天下の優勝と、状況に左右されない安定した速さを見せ終盤タイトル争いを展開。1レースを除き全戦でポイントを獲得した。一方前年チャンピオン、ローソンは開幕戦鈴鹿でマシンを大きくスライドさせてリタイア。第2戦スペイン2位、第3戦西ドイツでは優勝してランキング争いに加わるが、オーストリア、フランスでのノーポイントが響いて後退、連覇はならなかった。ヤマハマールボロチームから500ccフル参戦した平忠彦は、第11戦ブルノでは11周目までローソンをかわして2位をキープ。終盤3位に後退したが追撃を振り切り500cc初表彰台に登った。

ヤマハ、ホンダ、そしてアプリリアが加わったシリーズ戦。ヤマハYZR250を駆るのは、ベネモトチームのC・ラバード（ベネゼエラ）、ヤマハマールボロチームのM・ウイマー(西ドイツ）、L・カダローラ（イタリア）、SEMSAチームのJ・ガリッガ（スペイン）、ソノートチームのP・イゴア(フランス）の布陣だった。
　ヤマハ勢は第2戦スペインGPでウイマー、カダローラ、ガリッガが表彰台を独占、イゴアも5位となりシーズン序盤からポテンシャルを発揮。しかしその後は、いくつかのレースでポールポジションを獲得したが、アンラッキーが続き苦しい展開。開幕戦での負傷から復帰したラバードは、第6戦のユーゴスラビアで復帰してシーズン１勝目を飾ったが、シーズン終盤はまたも鎖骨骨折で欠場、連覇はならずランキングも10位に終った。ランキングはホンダ勢が上位を占め、ヤマハ最上位は7位のカダローラだった。