片山敬済

高校を卒業する頃、F1ドライバーに憧れジムカーナを始めるが、高橋国光や片山義美、北野元など二輪から四輪に転向して活躍するレーサーが多くいたため、地元の名門・木ノ実レーシングに加入。'71年、ヤマハで全日本ロードレースにデビューすると、圧倒的な速さを見せつけ、'74年には国内最高のセニアに昇格。ヤマハファクトリーライダーとなる。

しかし同年半ば、単身ヨーロッパに乗り込み、貸与されたTZ250で世界GPを転戦。スウェーデンGPで初優勝を飾るなど3回の表彰台を記録し、ランキング3位に入った。翌年、国内でF750中心のレースを行なったが、'76年に再び渡欧。まったくのプライベーターとして世界GPを走り、250ccランキング2位、350cc7位などの成績を残す。そして'77年、ヤマハのヨーロッパ販売会社（YMENV）と契約。市販型TZ250／350と現地開発の3気筒TZ350を使い分け、250ccランキング4位、350ccでは日本人初の世界GPチャンピオンに輝いた。それにより、'78年もYMENVからYZR500とTZ350を貸与され、350ccランキング2位、500cc5位となるが、翌年、世界GP活動を再開したホンダに移籍。'82年のスウェーデンGPで500cc初優勝を果たした。'85年、フランスGP開催中に引退を表明。