スーパースポーツ世界選手権に出場したマンジ選手と岡本選手が本社を訪問、YZF-R9が繋ぐ従業員との絆
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2025年12月26日

12月某日、2025年のスーパースポーツ世界選手権(WorldSSP)に参戦し、11勝に加え2位7回、3位2回、合計20回の表彰台に立つ圧倒的なパフォーマンスを披露し、自身初となるWorldSSPでのチャンピオンを獲得したステファノ・マンジ選手が来日。チームメイトとして2025年をともに戦った岡本裕生選手とともに静岡県磐田市にあるヤマハ発動機本社を訪問しました。


今回は多くの目的を持っての来日となりましたが、中でもマンジ選手と岡本選手が楽しみにしていたのが、「YZF-R9」が生み出されているヤマハ発動機の本社工場見学でした。最初に本社工場の規模や配置、生産能力などの基本情報を学ぶ座学からスタート。二人ともに真剣な眼差しで話に耳を傾けます。


まず、一行を迎えたのが、オートバイの組立工場で従来のコンベア方式に代わる画期的な生産システムとなるさまざまなAGV(自動搬送車)。それらを横目に見ながら、早速、両ライダーがレースにおいて「大きな武器になった」と話すトルクフルな888cm3・水冷・DOHC・直列3気筒・フューエルインジェクションを搭載したCP3(クロスプレーン・コンセプトの3気筒)エンジンが組み立てられるラインへ。ともに初の工場見学でしたが、最も楽しみにしていた一つです。


この日は「YZF-R7」などに搭載されるCP2(クロスプレーン・コンセプトの2気筒)エンジンがラインの大部分を占めていたものの、一部、CP3エンジンも流れており、初の組立ラインに両ライダーとも興味深々で見学しました。


続いて、車両の組立ラインへ。ここでは、工場全体を俯瞰して見るだけでなく、完成検査場を見学。「YZF-R9」も含め、作業者が実際にエンジンをかけ検査を行うシーンを間近で観察。

2026年にマンジ選手がスーパーバイク世界選手権(WorldSBK)で駆る「YZF-R1」も登場。岡本選手にとっては2024年に全日本ロードレース選手権の JSB1000でチャンピオンを獲得している思い出のマシンです。


作業者の皆さんから大歓迎を受け、急遽サイン会へ。「YZF-R9」を製造する皆さんと、それを駆って世界の舞台で戦うライダーが一つなぎになった瞬間。どんな人たちが作っているのか? どんなライダーが乗っているのか? 互いを認識することで心を一つに、モチベーションを高めあったのでした。


次は「YZF-R9」を世界中の市場に販売する従業員との対面です。たくさんの従業員の出迎えに驚く、マンジ選手と岡本選手。ここでは、WorldSSPの紹介のほか、「YZF-R9」のポテンシャルやレースについてのQ&Aなどでコミュニケーションを図ったのでした。


マンジ選手と岡本選手からは「YZF-R9」への高い評価が聞かれ、また多くの触れ合いを通じてライダーや車両に愛着を持ち、自信を持って次の業務に進んでいく機会となりました。


社内訪問の最後は「YZF-R9」の開発陣の訪問です。津谷晃司プロジェクトリーダーをはじめとする開発メンバーが揃って歓迎。ここでは、今後の車両開発も踏まえてライダーが開発者へレースでのインプレッションを提供するなど、熱いトークが繰り広げられ、開発陣は大きな刺激をもらったのでした。

最後は設楽元文社長へのチャンピオン獲得報告会に参加。今シーズンのWorldSSPでは、マンジ選手がライダータイトルを獲得したほか、Yamaha BLU CRU Evan Bros WorldSSP Supported Teamがチームタイトル、ヤマハ発動機がマニュファクチャラーズタイトルを獲得。そこでマンジ選手がこのマニュファクチャラーズタイトルのトロフィーを、ライダーを代表し欧州から持ってきてくれたのです。そして、会社を代表し設楽社長が、ヤマハ発動機、そして「YZF-R9」が世界チャンピオンである証となるトロフィーを受け取ったのでした。


報告会の最後に設楽社長から今後の目標について聞かれた二人は、まず岡本選手が「来シーズンもWorldSSPに参戦することが決定しました。今年は多くのコースが初めてで苦労しましたが、2026年は今年の経験を活かし、マンジ選手が残してくれた多くのデータを活用させてもらい、全レースでのポイント獲得。そして表彰台に登ることが目標です」と語ると、マンジ選手は、「皆さんの前で話すのは恥ずかしいですが」と前置きしながら、「スーパーバイクで活躍し、ヤマハ発動機のファクトリーライダーとしてMotoGPに参戦することが目標です」と、堂々と力強く宣言すると、大きな拍手とともに報告会を終えたのでした。
来る2026年シーズン、マンジ選手はWorldSBKへのフル参戦を開始。岡本選手は2年とWorldSSPでの活躍を目指します。来シーズンもヤマハライダーへのご声援をお願いします。
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