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MFJカップJP250選手権 竹本倫太郎選手がYAMAHA YZF-R3 スカラシップを獲得、2026年に欧州のR3 World Cupに挑戦

レースに関連する広報発表資料をご覧いただけます。

2025年10月29日

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 ヤマハ発動機株式会社は、中須賀克行選手や岡本裕生選手といった国内外のトップカテゴリーで戦える日本人ライダーの発掘を目的に、ヤマハ車を使用して全日本ロードレース選手権に参戦するクラブチームからMFJカップ JP250選手権(以下JP250)に出場する若手ライダーを対象にした「YAMAHA YZF-R3 スカラシップ」を2023年にスタートしました。

 このスカラシップは、シーズンを通じての戦績や将来性などを鑑み選抜したライダー1名を、当社のグループ会社「Yamaha Motor Europe N.V.」がオーガナイズし、スーパーバイク世界選手権に併催される「Yamaha R3 BLU CRU FIM World Cup(以下R3 World Cup)」に、1シーズン派遣するというものです。



 2024年には現在、全日本ロードレース選手権のST600を走る高橋匠選手が初の派遣ライダーとしてR3 World Cupに参戦し、2度の表彰台を獲得してランキング6位。2025年は久川哲平選手が欧州に渡り、第3戦のイギリス・ドニントンラウンドのレース1で優勝するなど、3度の表彰台を獲得してランキング4位と、世界中の若手ヤマハライダーたちの中で揉まれ、渡り合う中で力をつけてきました。



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 そして2025年は、#21今井勝也選手(BLU CRU Team BabyFace)、#14片田泰志選手(BLU CRU Team BabyFace)、#18高平理智選手(BLU CRU DOGFIGHT RACING)、#8竹本倫太郎選手(BLU CRU AKENO SPEED)、#64塚脇椋太選手(BLU CRU Team BabyFace)、#37津田雄飛選手(BLU CRU Team BabyFace)、#3針尾大治郎選手(BLU CRU Nitro Ryota Racing)、#92本間国光選手(BLU CRU Team Norick+MGR.)、#28森山浬選手(BLU CRU Webike team Norick)という、過去最高となる9名がエントリー。※五十音順

 9名のライダーたちはJP250を通じライバルとして熱い戦いを繰り広げながら、同時に日々のトレーニングの成果と成長を確認し、また新たな課題を見つけてはトレーニングに励むという地道な成長のサイクルを繰り返してきました。



 また春と夏には京都府にある近畿スポーツランドで走行会を実施。今度はトップライダーという同じ目標を持った仲間として互いに刺激し合い、成長を目指してきたのです。



 さらにJP250アドバイザーである前田恵助選手と、JP250レーシングサービスの菅原陵がレースや走行会に帯同、ST1000に参戦する井手翔太選手が走行会で臨時コーチを務めるなど、ライダーたちを技術面、メンタル面、データ面と各方向から支え、成長を促していったのです。

 その中で安定して力を発揮し続けたのが竹本選手でした。ウエットコンディションとなったスポーツランドSUGOでのJP250の開幕戦は、他車に追突されて転倒リタイアとなり、かつライバルの高平選手が優勝と大きなビハインドを背負いましたが、その後は安定して力を発揮。優勝こそないものの、インタークラスで4戦連続2位、総合でも3位以上を取り続けたのです。



 こうした成長を示したことで、8月末、Yamaha BLU CRU Master Campのメンバーに選抜され、スペインはバレンシアのアスパル・サーキットを拠点に、MotoGPライダーであるファビオ・クアルタラロ選手やアレック・リンス選手、ジャック・ミラー選手、ミゲール・オリベイラ選手といったMotoGPをはじめとする世界のトップライダーたちを指導者に迎え、世界中から集まった有望な若手ヤマハライダーともにさまざまなトレーニングを行ったのです。

 こうして竹本選手は、インタークラスのトップに4ポイント差のランキング2位、スカラシップでは2位の本間選手に20ポイント差のトップで最終戦となる第57回MFJグランプリを迎えたのでした。



 ウエットで行われた予選で竹本選手は、総合2番手としてフロントローを獲得すると、同じくウエットとなった決勝は、スカラシップを争う本間選手を含めた4名でトップ争いを展開。3番手、2番手と順位をアップすると、最終ラップに首位を捉えてトップに立つと、そのままファーストチェッカーを受けナショナルクラスを含めた総合優勝&インタークラス優勝。さらに逆転でインタークラスのチャンピオンとなりスカラシップを獲得。さまざまな経験を幾重にも重ねて力をつけてきた結果として、価値ある勝利を手中にしてシーズンを締め括ったのです。

 この結果、竹本選手は2026年から欧州のR3 World Cupを主戦場として、世界中から集まったライバルを相手に競い合い、トップライダーを目指すこととなります。



 そしてスカラシップこそ逃しましたのが、本間選手がナショナルクラスの全レースで表彰台に登壇してチャンピオンを獲得するなど、9名それぞれが「YZF-R3」とともに躍動し、表彰台の獲得や初優勝などそれぞれがそれぞれの歩幅で力をつけるとともに、将来に向けての高いポテンシャルを披露してくれました。



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竹本倫太郎選手(BLU CRU AKENO SPEED)

「開幕戦のSUGOで、他車に突っ込まれて転倒しノーポイントというとても苦しいスタートを切りました。でも残り全部勝てばチャンピオンになれることはわかっていたので、焦ることはありませんでした。実際は優勝することはできませんでしたが、総合2・3位を獲得してランキングも上昇し、オートポリスぐらいからチャンピオンになれる可能性が見えており、スカラシップでもリードを持って鈴鹿を迎えました。
鈴鹿は、金曜日のフリープラクティスから単独でトップタイムを出すことができるなどフィーリングも良かったので、予選はコースレコードの更新を目指していました。でも雨になってしまって… 最後に抜かれてしまいましたが2番手。決勝はリアのグリップを感じることができず、トップについていくレースになりました。ラスト2周でトップがミスして一気に差が縮まり、総合優勝が一回もなかったし、地元だし、インターのチャンピオンもかかっていたのでリスクも承知で腹を括り勝負して優勝できました。
また今年はMaster Campに参加。MotoGPやWSBKのライダーと走れる機会は滅多にないので、すごくいい刺激になったし、ファビオ選手は、自分の身体の一部のようにマシンを自由自在に操っていたので、衝撃を受け、自分もできるよう意識してトレーニングしています。ダートトレーニングでは、ガードナー選手やレイ選手と走って、リアブレーキのかけ方を1から教えてもらったり、一緒に走って見せてくれたり、まだまだいっぱい学ぶことがあることを気づかせてくれ、このトレーニングが自分に活きていることを実感しています。
まだ来年のことは深く考えられていませんが、行くからには次につなげないと意味がないので、目標はチャンピオンをとること。走ったことがないサーキットばかりだし、タイムスケジュールもタイトなのでコース攻略も大事だし、欧州のライダーたちの走り方や考え方も日本とは異なり最初は苦労すると思いますが、しっかりアジャストしていきたいと思います。本当に楽しみです」

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