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全日本モトクロス選手権 シーズン後半戦に向け、「BLU CRU走行会」を開催

レースに関連する広報発表資料をご覧いただけます。

2025年9月19日

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 8月後半、全日本選手権の会場となる名阪スポーツランドに、全国のヤマハクラブチームから、国際A・B級をはじめ、レディース、ジュニアらヤマハライダーが一堂に集結し、2日間にわたって走行会を実施しました。

 全日本モトクロス選手権は、6月に広島県で開催された第4戦中国大会から第5戦の近畿大会まで、約3ヵ月という長いインターバルがあります。プロライダーはもちろん、学生ライダーにとっては夏休みがあるため、練習・トレーニングを集中して実施できる期間です。



 中でも吸収力が高く成長速度が速い若手ライダーにとって、約3ヵ月という期間は非常に重要であり、大きく進化する可能性を秘めています。そこでヤマハ発動機は全国のヤマハクラブチームをご招待し、合同走行会を実施。さらに今回は、若いライダーたちが目指すべき場所となる「YAMAHA BLU CRU RACING TEAM」から、IA1に参戦する大城魁之輔選手、渡辺祐介選手、IA2に参戦中の中島漱也選手、田中淳也選手が参加。それぞれ全日本再会に向けて走り込みを行うとともに、若いライダーたちの手本として刺激を与える役割を持って参加したのです。



 「YAMAHA BLU CRU RACING TEAM」のライダーたちは「今回はトッププロからIB、レディース、ジュニアまで、ヤマハライダーが一丸となってみんなで速くなろうという走行会です。YAMAHA BLU CRU RACING TEAMとしては、モトクロスレースの次を担う後輩たちの手本となり、物差しとなり、その成長を後押しする走行会だという意識を持って参加しました」というように、全員でのウォームアップや、質疑応答を含む座談会などでコミュニケーションを取りながら、さまざまなアドバイスや刺激を提供していきました。



 またライディングについては、「普段は一人で乗ることが多いと思いますが、今回は同クラス、同レベルのライバル同士で走ることで、多くの刺激があったと思います。また格上のライダーと競い、IAライダーの物差し目の当たりにすることで、“このままでは足りない”という危機感を伝えることができたと思います。この貴重な経験と新しい物差しをぜひ日頃の練習から有効活用してほしいですね(YAMAHA BLU CRU RACING TEAMライダー)」



 走行会ではトップライダーたちも練習で実際に行っている「スプリントトレーニング」を中心に実施しました。フリー走行でタイムアタックして基準となるタイムを決定。「スプリントトレーニング」では、そのタイムで2周や3周連続で走行し、その後1分程度のインターバルを挟みながらそれを繰り返していくというものです。非常にきつい練習ですが、スタートの良し悪しにかかわらずレース序盤にハイペースで走り、上位にポジショニングするための非常に重要な技術なのです。

 このほかにはスタート練習も実施。こちらも同じクラスのライダーたちと一緒に練習できる機会は限られており、同時にトップライダーからのアドバイスなどもあり、合同走行会ならではの貴重な時間となりました。



 「走行中はみんなで真剣にファイトしているので、あまり考える余裕はなかったと思います。逆に普段は基本的に一人で練習やトレーンニングをしていると思いますが、一人だからこそ考える時間を作ることができます。今回の走行会をはじめ、これまで見つけてきた課題を一つでも克服できるよう、通常に戻ったら常に考えながら取り組んでほしいですね(YAMAHA BLU CRU RACING TEAMライダー)」



 また、今回は「YAMAHA BLU CRU RACING TEAM」にとっての走行会でもあったため、IBやジュニア、レディースの走りをじっくり見る時間はありませんでしたが、「今度はみんなの目標だったり課題を聞いた上で走行を見て、アドバイス、サポートができる機会を作りたい(YAMAHA BLU CRU RACING TEAMライダー)」という意見もあり、今後の走行会ではこうした意見を取り入れながら、さらに質を高め、若手ライダーたちの成長を加速させていきたいと思います。

 それでは最後に、後半戦に挑む「YAMAHA BLU CRU RACING TEAM」のライダーたちに、このインターバルでやってきたことや後半戦に向けての意気込みなどを聞いていますので、ご紹介して終わりにします。



IA1:大城魁之輔選手(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松)
「シーズンオフからマシン、ライディングも含めた調子が良く、レースでも良いライディングができることもありましたが、開幕戦から3戦までは悔しい結果ばかり。そして迎えた前半戦最後のラウンド(広島)は、土曜日は調子がよかったのに、ヒート1は良い結果が得られず6位。“またこれか…”という状態でしたが、ヒート2ではようやく優勝でき、自信も大きくなり、いいメンタルでインターバルを迎えることができました。
だからと言って満足もしていないのでやることは変えていません。乗り込み中心で一番の課題であるスピードを上げていくことにこだわっています。目標とし意識しているのは自分よりも速いジェイ選手。これを超えていけば、全日本のチャンピオンだけでなく、次の世界が見えてくるからです。
インターバルは海外に行きたいと思っていたのですが、いろんな事情で断念。ただ非常に熱く質の高い練習をする上では難しいので、1ヶ月弱くらいかけて東北から北海道に移動しながらトレーニングや全道選手権に出場するなど、気候も良く、集中して質の高い練習ができました。
チャンピオン争いには入っていないので、ランキングは意識していません。広島でのヒート優勝は本当に嬉しかったし、何回勝ってもいいので、一つ一つのヒートで優勝を重ねていくことが目標になります」



IA1:渡辺祐介選手(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM)
「8月上旬は涼しく、集中できる環境を求めて北海道に行っていました。千歳だったり海外に近いハイスピードのコースが多くてそのメリットもあり、フィジカル、ライディングの部分でもみっちりこなすことができて、充実したインターバルになりました。
前半戦は怪我からの復帰の途中で、身体の様子を見ながらのレースとなって苦しい戦いが続きましたが、自分がやるべきことはこなせているし、だんだん身体の方も良くなってきて90%くらいまでは戻せています。バイクもチームとテストを重ねセッティングの変更もしてだいぶ乗りやすくもなりました。
残りは3戦ですが、後半戦がすごく楽しみです。3ヒートの大会もあるので、まずは表彰台を目指していきます」



IA2:中島漱也選手(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM TAKA)
「元AMAライダーであるダグ・デュバックさんをトレーナーに、5週間カリフォルニアでトレーニングしてきました。AMAのライダーたちもシーズン中ということで、自分が練習するコースには速いライダーがいる状況がありました。そのため、自分と世界トップレベルのライダーとの差を常に実感しながらトレーニングができました。自分のスタイルが、スムーズで丁寧なライディングですが、ニュージーランド選手権や全日本でブライアン選手がきた時も感じましたが、海外で走るにはもっとアグレッシブさが必要なので、限界までプッシュしてスピードを上げていくことに取り組んできました。
また僕は30分の長いヒートが得意なので、日頃から30分、常にいいタイムで走る練習をしており、どちらかといえばスプリントは苦手でした。でも今回の合宿ではスピードアップに加え、最終的にたれてもいいので最初の5分、10分は全力で行くことができるスプリント系の身体に仕上げることをテーマにしてきました。
自分としては、確実に調子が上がってきているのに、練習に行くと常に大きな差を突きつけられ、その度に“まだダメだ。まだダメだ”と、何度も心を折られるという本当にきつい環境の中で練習を続けタフにはなったと思います。
今年は、ネイションズの日本代表に選ばれましたが、正直、昨年のチャンピオンよりも嬉しかったですね。これが大きな目標の一つだったし、今年はなんとしてもという思いがあったので、ホッとしたというところもあります。目標は高いところにあり、自分の結果次第で成績が大きく変わるというところもあって、プレッシャーと緊張感は半端ないです。さらにコースも大きくて、観客もいっぱいの大舞台。自分が経験したことのない難しい環境です。だから、全日本でいつも心がけているように、自分の力を100%出し切ることが一番結果につながるのだと思っています。
また、今回はネイションズが決まってからアメリカにいきました。これまでは海外に行っても自分のライバルという認識はありませんでしたが、10月には本当に海外のライダーと戦うので、彼らを実際のライバルとして練習できたことで、本番に向けての準備にもなりました。
今はネイションズに気持ちが入っているので、全日本に集中するのが難しいのですが、気を抜くと大きく落としてしまうのがレース。しっかり切り替え、守りに入ることなく常に優勝を照準に臨みます」



IA2:田中淳也選手(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松)
「このインターバルは約1ヵ月、アメリカのフロリダに行っていました。下田選手をはじめ、多くのAMAのチャンピオン経験者も拠点にしているサンドボックスというコースで練習してきました。フロリダを選んだのは、路面が柔らかく、わだちやギャップができて荒れているコースで練習したいという意図があったからです。
ライディングでは向こうのライダーはアクセルが開いている時間が長い。そして自分はアクセル開度としては中間くらいでコントロールしている感じですが、AMAのライダーはアクセル全開に近いところでコントロールしているという違いがありました。例えば下田選手もスムーズに見えるのですが、実際はかなりアクセルが開いていて、自分からしたらそのスピードでは到底コーナーを曲がれないほどのハイスピードで、かつスムーズに走っています。
そのスピードの違いを大きく感じたことから、それを意識して取り組んできました。少しは近づけたという感覚としてはあったのですが、滞在終盤に転倒で負傷してしまい最後までプッシュすることができず、もったいない感じで終わってしまいました。
今はランキング2位で、決してチャンピオンの可能性がなくなったわけではありません。残り7ヒートあるので諦めることなく、各ヒート集中して、この夏にやってきたことを出し切り、とことん勝ちにこだわって、全ヒート勝つつもりで戦い、チャンピオンを目指します」



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