全日本モトクロス選手権 BLU CRU活動 国際A級、国際B級が揃い、トップライダーたちと走行会を実施
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2025年4月11日

3月下旬、2025年シーズンの開幕に向けて、全日本モトクロス選手権の第2・7戦の舞台にもなる国内屈指のモトクロスコース、スポーツランドSUGO(宮城県)で、BLU CRU走行会を実施しました。


今回は、IA1/IA2(国際A級)、IBOPEN(国際B級)のライダー14名が参加。これを指導・サポートする形で、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」のジェイ・ウィルソン選手をはじめ、「YAMAHA BLU CRU RACING TEAM」の大城魁之輔選手、渡辺祐介選手、田中淳也選手が加わり、2日間に渡って走り込みを行いました。※2日目は強風のため走行でのリスクが高まったことから午前中で終了しました。

走行会ではトップライダーを含め、昨年10月末にシーズンを終えてから培ってきたことの成果について、全日本が開催されるコースで、ともに全日本を戦うライダーとともに確認する機会としたほか、トップライダーとともに走ることでさらなる課題を抽出しながら、シーズンに向けての体とマシンをレースモードへと整えていくことなどを目的に実施しました。


特にライディングでは、フリー走行に加えてインターバルトレーニング、スタート練習などを実施。インターバルトレーニングは3周、または4周というスプリントを2分の休憩をとりながら数回連続で走る練習で、実戦を意識したメニューとして、レース序盤のスプリント力や体力強化などジェイ選手らトップライダーが実際に活用しているメニューの一つです。

A級、B級とクラスで別れ、一列になって互いをプッシュしながら精力的に周回を重ねます。時には、「YAMAHA BLU CRU RACING TEAM」 の渡辺選手が混じって、先頭に立ってグループを引っ張り、後方からプッシュするなどライダーにあえて負荷をかけるシーンも。


走行会の最後にはスタート練習を実施しました。ジェイ選手らも一緒に参加し、時折アドバイスを交えながら本番さながらの緊張感を持って行い、来る開幕戦に向けて有意義な練習になったようです。

さて、2024年の全日本モトクロスではIA1でジェイ選手、IA2で中島漱也選手、IBOPENで松岡力翔選手がチャンピオンを獲得し、ヤマハYZは全日本三冠を達成しました。今年は当社にとって、創立70周年とレース活動70周年という記念すべき一年になります。ライダーの皆さんとともに昨年の三冠を再び成し遂げられよう、全力で挑みますので、今年もヤマハライダーたちへのご声援をお願いします。
全日本モトクロス選手権は今年7大会が設定されています。ぜひ、会場でジェイ選手をはじめ、BLU CRUライダーたちへのご声援をお願いします。それでは最後に、BLU CRU走行会に参加したライダーたちに2025年シーズンへの抱負を聞いていますので、ご紹介して終わりにします。
IA1:#8 大城 魁之輔(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松)


「昨年は終盤に怪我をしてそれでシーズンが終わってしまいましたが、バイクに乗れない間にいろいろと整理し、12月の練習再開に合わせてスタンダードのYZ250Fを使い、基本に立ち返ってセッティングとライディングともに作り直して450に乗り換えました。ライディングとしては、コーナーで止めてしまう癖がありました。これを変えるのはかなり困難な作業で、動画を撮影しチェックしながら修正を繰り返しました。並行してマシンを作ってきましたが、怪我する前よりもフィーリングは良く、ライディングにもマッチするものになっており、昨年の同じ時期や、怪我する前の自分と比べてもかなりいい感触があります。
近年、ジェイさんがIA1のトップライダーとしてスタンダードになっています。昨年はそこに横山選手やビクトル選手が絡んでいましたが、僕はそこにはいませんでした。今年はIA1で4年目、YZも2年目と結果にこだわる一年。ジェイさんに絡めるようスピードにこだわって、彼の領域にステップアップする一年にしなければなりません。
その結果として、一つはネイションズに日本代表として出場することが目標となります。シーズン前半でメンバーが決まると思うので、やはり前半からトップ3に絡んいきたいし、今シーズンはなんとしても勝ちたいと思います」
IA1:#15 渡辺 祐介(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM)


「昨年の年末に背中に入っていたボルトを抜く手術をしました。体の動きに制限があった状況から可動域が戻ったのですが、抜いてすぐは固まった筋肉を元に戻すリハビリが大変でした。さらにフォームを修正し、いろいろ試しながら、徐々にスピードを上げていきました。
今はだいぶん怪我をする前の状態に戻ってきて、トップライダーたちと戦える段階に近づいている感覚があります。それでも基礎体力の向上とスピードアップは続ける必要があり、シーズンを戦いながら完全復活を目指します。
今年の目標は、2シーズンにわたり怪我で欠場しているので、“いいシーズンにしたい”というのが正直なところです。フルにシーズンを走り切るのは大前提で、一戦一戦を大切にして常に入賞圏内、表彰台、優勝を目指す戦い方をしていきます。そして、ジェイ選手がやはり一番のライバルで、日本人として超えないといけない壁。素晴らしい目標が目の前にいるので、それを目指して最終的にはファクトリーチームに戻れるようなランキングでシーズンを締め括りたいと思います」
IA2:#4 田中 淳也(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松)


「昨年の12月、地元の京都を離れヤマハ発動機の本社がある磐田に引っ越してきました。その結果、テストの機会が一気に増え、マシンへの理解度が増し、セッティングをレベルアップすることができました。1月中旬〜3月中旬まではニュージーランドに遠征。元グランプリライダーのジョシュ・コピンズさんにお世話になり、どうしても“焦る傾向”があるので、ジョシュさんのアドバイスをもらいながら修正してきました。加えてニュージーランド選手権に4戦出場。毎戦転倒があり十分な結果を残すことはできず、最高がヒート5位でランキングは8位。それでも内容としては、日本にはないコースを走り多くの学びがあり、今後、海外でレースしたいという気持ちにプラスになる経験ができました。
全日本では開幕戦をはじめ常に優勝が目標ですが、自分に集中してこれまでやってきたことを出すことが一番大事だと思っていますし、それができれば目標を達成できると考えています。夏のインターバルでもまた海外に行って強くなりたいという気持ちもありますし、最後はチャンピオンになってシーズンを終えたいと思っています」
IA2:#10 渡辺 陵(BLU CRU Team Pitin with M:F)


「自分の課題は、スタートと序盤のスピードです。なかなか序盤はエンジンがかからず、その結果として順位に大きな波がありました。そこで、ジェイさんに教えてもらったスプリントトレーニングを積極的に取り入れ、スタート練習にもたくさんの時間を使い、濃いオフシーズンを過ごしてきました。でもまだ、コースへの合わせ込みが遅いという課題もあるので、落ち着いて速く走る練習を続けていく必要があると思っています。
シーズンの序盤については、開幕のHSR九州が苦手なコースなので、リスクを犯すことなくリザルトをしっかりと残し、第2戦の得意なSUGOにつなげたいと考えています。そしてホームコースであるSUGOでは、完全に勝ちを狙って走ります。最終的にはチャンピオンになりたいと思いますが、まずはランキング3位以内を目標にして頑張ります」
IA2:#09 樋⼝ 絆⾥(レーシングチーム鷹)


「昨年の最終戦で2位に入って国際A級に昇格することができました。正直、昇格できないと思っていたので戸惑いもありましたが、もう“やるしかねー”と気持ちを切り替えました。昨年はシーズンを通して参戦していたのですが、正直、怠けていた部分もあったので、このオフはかなりの乗り込みをしてきました。それでもIA は未知の世界なのでまずは感覚を掴み、決勝を走るところからスタートだと考えています。予選を通過するところが難関だと思いますが、今年の中盤には決勝の常連になり、地元群馬の先輩ライダーに勝つことも一つの目標です。そして決勝でトップ10に入ることができればいいなと思っています。やれることをしっかりとやって、揉まれて、速いライダーに噛みついていくだけです」
IBOPEN:#57 髙⽊ 碧(BLU CRUレーシングチーム鷹)


「全日本に上がるとみんなが一気に速くなるということはわかっています。だからこそ質の高い練習をするため、チームの先輩方に指導してもらいながらオフを過ごしてきました。IBの決勝は地方戦から10分長い20分になることを意識した練習を中心にしてきました。やっぱり“きつい”というのが一番でしたが、今はだいぶん慣れてきました。ただ、IBのライバルとの実戦は未経験なので、シーズンに入ってからの成長も重要です。
1年目の今年はマシンをYZ125にしました。まだ体が十分にできていなことや、スキルアップが重要な時期ということで、周りの皆さんの勧めもあって選択しました。今年は、しっかり体力や基礎技術をつけること。ライバルは4ストロークの250か450になるので、ハイスピードコースは簡単ではありませんが、ホームコースのオフロードヴィレッジなどは十分に戦えると思うので、まず序盤は6位以内を目標として、その後はしっかり表彰台、優勝を狙っていきます」
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