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Yamaha R3 bLU cRU Asia-Pacific Championship 全参加選手の育成を推進、レースでは日本の奥貫選手が2連勝でチャンピオンに王手

レースに関連する広報発表資料をご覧いただけます。

2024年8月29日

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 8月2・3日、Yamaha R3 bLU cRU Asia-Pacific Championship(R3 bLU cRU APC)が、過去3戦が行われたタイから離れ日本に初上陸。シリーズ第4戦が宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。

 このR3 bLU cRU APCは、才能あるヤングライダーの「発掘」と「支援」を目的に、ヤマハ発動機とグループ企業であるタイ・ヤマハ・モーターが協力して2024年に新設したワンメイクレース。今年はタイを中心に、オーストラリア、中国、日本、ニュージーランド、フィリピンから平均年齢15歳という20名の若者たちが参戦。4月の開幕戦(タイ)を皮切りに6大会12レースを開催し、それぞれがシリーズチャンピオンを目指し戦っています。



 この「発掘」「支援」を象徴する取り組みの一つが、シリーズチャンピオンを獲得したライダーは、翌シーズンから2年間、スーパーバイク世界選手権に併催される「Yamaha R3 bLU cRU FIM World Cup(R3 FIM World Cup)」にステップアップできるというもの。
※上記画像はR3 FIM World Cupの写真です。



 これまでは自国や地域の選手権で経験を積んでから世界に挑戦するという流れが主流でした。しかし当社は、より柔軟で吸収力のある若い年齢から世界中の実力者が集まるモータースポーツの中心地・欧州に身を置き、ハイレベルな戦いの中で技術を磨き、コミュニケーションを学び、最前線の情報を収集することがトップライダーになるために重要だと考えています。



 「アジア・大洋州から世界の舞台につながる道(チャンス)はほんのわずかしかなく、その道から外れてしまったら世界に行くことは難しくなります。R3 bLU cRU APCは世界を目指す若手ライダー、それを応援する保護者にとって、新しい道ができた感覚です。世界に行けるのは1年に1名かもしれませんが、チャンスがあるのは本当にありがたいこと。私たちも最後のチャンスとして参加を決意しました」と、参戦ライダーの保護者が話してくれたように、R3 bLU cRU APCは世界への架け橋となるだけでなく、R3 FIM World Cup、スーパースポーツ・スーパーバイク世界選手権、Moto2、MotoGPという当社やグループ企業が参戦するレースを活用したステップアップ構造の中で、トップライダーを目指す最初の一歩となる活動として推進しています。

 このように若年層向けのシリーズ戦では「ステップアップ」が重要視されますが、R3 bLU cRU APCは、優秀なライダー1名を選出するだけでなく、参加したライダー全員のレベルアップを目指して活動しています。今後、R3 bLU cRU APCを卒業したライダーが他のレースに参戦した際にしっかりと戦える実力をつけ、そのレースを代表するライダーになってほしいと当社は考えているのです。



 そのため、ウィークはレースで順位を決めるだけではありません。フィジカルスポーツと同様に心技体に着目し、ライダーたちは走行と走行の間に様々なプログラムをこなしています。その内の一つがコーチングスタッフによる「フィードバックタイム」です。



 コーチは、全日本のST600でタイトル獲得の経験などを持つデチャ・クライサート氏、ARRCのSS600のチャンピオンとなったラタポン・ウィライロー選手、そしてARRC、全日本を中心に活躍してきた伊藤勇樹選手が務め、彼らがライダー一人一人のライディングをチェックした後、個別にアドバイスをするシステム。ライダーたちは走行直後に疑問や悩みを解決するヒントをもらい、次のセッションで実践するのです。これをウィーク中に何度も繰り返すことで、ライディング技術の向上を図っています。



 そして試合・レースで最大限のパフォーマンスを発揮するために心を整える技術は、アスリートにとって欠かせないものとなっていますが、日本ラウンドでは今シーズン初の試みとして専門家を迎えてのメンタルトレーニングを実施しました。

 講義の中では、まだ十分に意識できていない心の準備について、ライダーたちにその必要性を伝えるとともに、自分にとって最適な準備(ルーティン)が何なのかを考え発表して共有する機会を作りました。さらに、緊張を和らげる方法、緊張とうまく付き合う方法、レース中にコントロールできるものとできないものの選別などを整理していきました。走行前になるとトレーニングで学んだことを実践するライダーも現れ、意識を高く持ってウィークに臨んでいることが伝わってきました。



 また、今回はヤマハ発動機本社のある日本でのレースということで、レースウィークの前日には、会場となるスポーツランドSUGOが地域やモータースポーツ・バイクファンとの接点として運営するSUGO CAFÉや、ヤマハバイクの専門店であるYSP仙台を訪問。当社のグループ会社やパートナーによる取り組みなど、日本のヤマハワールドを知ってもらい、当社への親近感、興味を持ってもらう機会を作りました。



 そしてレースウィークは、初日の2日(金)に公式練習と予選を実施。SUGOインターナショナルサーキットを知る日本の#31奥貫翔選手がポール・ポジションを獲得、2番手に#13 Tanakit Pratumtong選手(タイ)、さらにオーストラリアの#68 Ryan Larkin選手がフロントローを獲得しました。



 3日(土)、レース1では、予選からダントツ速さを見せた奥貫選手が1周目からトップに立ち、2番手のTanakit選手に約0.5秒の差をつけます。ここから1分45秒917、1分45秒702、ら1分45秒575と3周連続でファステストラップを刻んで、2番手のTanakit選手と、3番手のRyan選手に約2秒差をつけて単独トップを確保。さらにその後も少しずつその差を開き、奥貫選手は独走体制を築きましたが、7周目に入ったところで転倒者が発生して赤旗が提示されレースが中断。この結果、5周の再レースが設定されました。

 その再レースも序盤から奥貫選手、Tanakit選手、Ryan選手の3名が抜け出すと、今度は奥貫選手とTanakit選手がRyan選手を突き放してマッチレースを展開。序盤は奥貫選手がトップを守っていましたが、Tanakit選手が3周目にこのウィークで最速の1分44秒632をマークしてトップに浮上しました。しかし4周目に奥貫選手が逆転すると、最後までポジションを守り優勝、開幕のレース2以来となる今季3勝目をあげ、ランキングで2位以下との差を拡大しました。



 レース2も再び赤旗が提示される波乱の展開となりました。スタートはホームコースで勢いに乗る奥貫選手がホールショットを決めトップ。これにSUGOに順応したTanakit選手とRyan選手が続きましたが、トップ2は1分45秒台のハイペースをキープし、Ryan選手を含む後続を引き離していきました。

 トップ2は1周目からテール・トゥ・ノーズの接近戦を展開。わずかな差を奥貫選手が守りつつ周回を重ねましたが、3位グループの先頭につけた#54 Sakchai Khongduangdee選手(タイ)が、6周目にこのレースのファステストラップ1分45秒283をマークしてトップ2に接近しました。

 ところがそのSakchai選手がシケインで転倒してトップ争いから脱落。再び奥貫選手とTanakit選手のトップ争いとなり、ラスト2周となる前にTanakit選手が逆転に成功。ところがその後に赤旗が提示され、一つ前の周回の順位が正式結果になったため、奥貫選手が優勝して2連勝。ランキングではリードを拡大し、2番手につけるTanakit選手に26ポイント差をつけて大会を終えました。



Yamaha R3 bLU cRU Asia-Pacific Championshipの活動の詳細は、特設サイト(英語)にてご覧いただけます。
https://www.yamahablucruasiapacific.com



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 次回の第5戦は9月6-8日、再びタイに戻り、チャーン・インターナショナル・サーキットで行われます。そして11月8-10日には、オーストラリアのベンド・モータースポーツ・パークで、2025年、R3 FIM World Cupに参戦することとなる初代チャンピオンを決定する最終戦の第6戦を行う予定です。

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