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MFJカップ JP250選手権の前半戦が終了
Yamaha R3 bLU cRU FIM World Cup参戦権をかけた戦いは久川選手が大きくリード

2024年7月5日

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 ヤマハ発動機は、若手ライダーの育成する「bLU cRU」活動の一環として、昨年に続きMFJカップ JP250選手権(以下JP250)に参戦する若手ライダーを対象に、スーパーバイク世界選手に併催される「Yamaha R3 bLU cRU FIM World Cup」へのフル参戦権をかけた「YAMAHA YZF-R3 スカラシップ」を実施しています。

 今年、参加しているライダー(五十音順)は、岡田陽大選手(bLU cRU AKENO SPEED)、奥貫翔選手(bLU cRU ITO RACING)、片田泰志選手(bLU cRU Team Baby Face)、久川鉄平選手(bLU cRU Webike team Norick)、塚本龍選手(bLU cRU GarageL8 Racing Team)、津田雄飛選手(bLU cRU AKENO SPEED)、そして森山浬選手(bLU cRU Webike team Norick)の7名です。



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※奥貫選手は怪我により撮影に参加できませんでした。



 JP250の開幕戦は4月13日、モビリティリゾートもてぎ。ここから、若者たちがそれぞれ描く夢・目標の一歩となる欧州行きの切符をかけた熱き戦いがスタートしました。

 そのもてぎラウンドでは、昨年から2回目の挑戦となるインタークラスの久川選手が、ライバルの転倒もあり総合優勝、岡田選手が総合5位を獲得。ナショナルクラスでは津田選手が2位(総合9位)、森山選手が3位(総合10位)、奥貫選手が4位(総合11位)、片田選手が5位(総合12位)、塚本龍選手はリタイアで開幕戦を終えました。



第1戦 モビリティリゾートもてぎ

順位 クラス ライダー マシン
1 インター #26 久川 鉄平 YZF-R3
2 インター #73 飯高 新悟 CBR250RR
3 インター #55 中沢 寿寛 CBR250RR
4 インター #32 小室 旭 RC390
5 インター #96 岡田 陽大 YZF-R3
6 インター #64 及川 玲 CBR250RR
9 ナショナル #37 津田 雄飛 YZF-R3
10 ナショナル #28 森山 浬 YZF-R3
11 ナショナル #31 奥貫 翔 YZF-R3
12 ナショナル #14 片田 泰志 YZF-R3
DNF ナショナル #23 塚本 龍 YZF-R3


 5月25日、スポーツランドSUGOでの第2戦では早くも拮抗した状況が崩れました。昨年は前半にノーポイントレースを繰り返した久川選手が、今年は成長を示して開幕2連勝を決めた一方、岡田選手は4位フィニッシュも黄旗追越の違反によって30秒加算のペナルティが課せられインタークラス10位(総合18位)に。 ナショナルクラスでは森山選手が2戦連続の表彰台となる2位(総合6位)、片田選手が初表彰台となる3位(総合7位)と上位をキープした一方で、津田選手は6位(総合13位)、塚本選手は8位(総合15位)、奥貫選手は怪我による欠場と明暗を分けることとなったのです。



第2戦 スポーツランドSUGO

順位 クラス ライダー マシン
1 インター #26 久川 鉄平 YZF-R3
2 ナショナル #8 野村 唯人 CBR250RR
3 インター #22 土岩 直人 CBR250RR
4 インター #73 飯高 新悟 CBR250RR
5 インター #55 中沢 寿寛 CBR250RR
6 ナショナル #28 森山 浬 YZF-R3
7 ナショナル #14 片田 泰志 YZF-R3
13 ナショナル #37 津田 雄飛 YZF-R3
15 ナショナル #23 塚本 龍 YZF-R3
18 インター #21岡田 陽大 YZF-R3


 続く第3戦は6月16日、筑波サーキットが舞台。JP250の前半戦最後となるレースということで、ライダーたちは様々な思いを胸に臨んでいました。



 ここまで2連勝の久川選手は、「もてぎはライバルが転倒、SUGOも後ろが転倒して優勝と、ここまではライバルとの勝負を制して優勝しているわけではなく、運が良かっただけなのかもしれません。このままでは欧州にいっても勝てないと思っています。
 JP250は僕にとっては予選のようなもの。まだスタートラインにも立っていませんし、World Cupに行ってようやくスタートラインです。だから、ここで足踏みするにはいかないし、全戦全勝を意識して今回も臨みます」と、自らにプレッシャーをかけるように言葉をつなぎます。



 そして今年、ミニバイクからYZF-R3に乗り換えたルーキーとしてナショナルクラスに参戦する森山選手は、「チームメイトの久川選手から刺激をもらい学びつつ、自分の走行データを確認・分析してライバルに対し遅い部分を修正してきました。また、ミニバイク時代にいろんなライダーとたくさんバトルをしてきたことが生きていると思います」と好調の理由を理解し、自信を持って今大会に臨みます。



 開幕前に、「今年はポイントを着実にとって来年につなげたい!」と話していた片田選手は、「いい意味で欲が出てきました。やるからには結果を追求することが大切だし、ポイントを取っていくだけではレベルも上がっていかないので、第2戦の3位から2位、優勝と順位を上げていきたいし、それができないと先はないと思っています」と、自身のポジティブな心の変化と、筑波に向けて強い覚悟を語ってくれました。



 一方、ここまで好調なライダーいれば、不運に見舞われ、調子を落としたライダーもいます。



 その一人、津田選手は、「開幕前に思い描いていた状態とはかなり違っています。総合で上位に入ることが目指すところなのに、もてぎはナショナルで2位ですが、実際はインタークラスの後ろでレースをしていました。そもそも、スタートから前のライダーについていけません。それはスタートからすぐにタイムアップができないから。実力不足です」と自己分析しつつ、ここまでの結果に対し悔しさをのぞかせました。



 「もてぎでは、1周目の5コーナーで転倒しました。ミスもありましたが、焦っていたというのが一番大きかったと思います。地元のSUGOは、エアゲージが壊れていて空気圧が足りない状況で思うように走れず… 自分のミスですが不本意な結果になりました」と塚本選手は不運を受け止め、「筑波に向けては練習もできたので、切り替えて迎えることができました」と、前を向きます。



 そしてインタークラスの実力者である岡田選手は、「SUGOでbLU cRUの2位(総合4位)となっていれば、筑波を入れて残り4戦でなんとかなると思っていましたが、西日本のレースで巻き返す計画は崩れました。筑波から全勝する勢いでないとbLU cRUの中でトップは厳しいので、筑波から巻き返す必要があります」と、刻々と変化する状況の中で、どのように対応してくかを見定めています。



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 迎えた筑波大会、結論から言えば、ここまで好調な3名が好成績を残すこととなりました。なかでも久川選手が開幕3連勝を飾り、大きく欧州への切符を引き寄せたのです。



第3戦 筑波サーキット

順位 クラス ライダー マシン
1 インター #26 久川 鉄平 YZF-R3
2 ナショナル #33 齊藤 太陽 CBR250RR
3 インター #22 土岩 直人 CBR250RR
4 インター #7 小池 亜久里 CBR250RR
5 インター #73 飯高 新悟 CBR250RR
6 ナショナル #28 森山 浬 YZF-R3
8 ナショナル #14 片田 泰志 YZF-R3
11 ナショナル #37 津田 雄飛 YZF-R3
16 ナショナル #23 塚本 龍 YZF-R3
失格 インター #21岡田 陽大 YZF-R3


 「楽しかったですね」と、笑顔でレースを振り返った久川選手。「ブレーキングでのオーバーテイクもあったし、バトル中に接触もあってそこで引くことなくやり合えたのもいい経験、満足です。インターバルでは身体をレースモードのままにしておけるよう、練習とトレーニングをしっかり行います。そして後半は西日本でレースが行われ不慣れなコースになりますが、それは欧州に行っても同じこと。短期間で攻略する練習と位置付け、1本目からライバルたちをリードし、全戦全勝を目指します」と意気込みます。

 そしてナショナルクラスでは、森山選手が3戦連続の表彰台となる2位。片田選手は2戦連続の3位と再び表彰台に立ちました。



 予選でエンジントラブルがあり13番グリッドからのスタートとなった森山選手は、「頑張らないといけない1周目で何台か抜くことができました。そこからは前と距離があったので追いつけませんでしたが、前回できなかったポジションを守りながら、暑い中でもペースを維持することができて成長を感じました。目標はナショナルでまず1勝をあげること。インターバルではミニバイクコースをガンガン走ってバイクに慣れ、バイクを振り回せるようになりたいし、ダートトレーニングでもスライドさせながら転倒しない安定感を身につけて後半戦に臨みます!」。ナショナルのランキングトップにつける森山選手ですが、それに満足することなくさらなる成長に目を向けています。



 「過去2戦を振り返ると、スタート直後の駆け引きが全然できず、競り合いに負けて抜かれ、抜き返せず、追い上げのレースになっていました。今回もスタート直後の1コーナーは、瞬間的に頭を切り替えられずまだ全然ダメだったし、経験の少なさを感じました。でも、前回に比べると自分のラインを確保し、成長を感じることもできました。後半は自分のホームコースとする鈴鹿や岡山があるので、ライバルの齊藤太陽選手(ホンダ)らに負けず、ナショナルではぶっちぎりで優勝して上位とのポイントを詰めていきます」と片田選手。ナショナルのランキングも2位とし、自身の進歩に手応えを感じながら、後半戦でのさらなる活躍を誓いました。



 一方、厳しい状況となったのが岡田選手。「最後はトップを走っていたので、存在感を見せることができた」と、久川選手らと優勝を争ったものの、レース中、ライバルに接触、そのライダーが転倒したため危険行為となり失格、ノーポイントになったのです。それでも、「岡山はGP3で勝ったコースですし、鈴鹿は豊富な走行経験があるので、自信もって挑みます。練習走行から上位につけ、ライバルたちに積極的にプレッシャーをかけてきたい」と諦めることなく最後まで希望を持って戦う姿勢を示しました。



 予選まで絶不調、21番グリッドから決勝を迎えた津田選手は、「総合12位、ナショナルで5位。満足してはいけませんが、昨日から少しだけ良くなりました。後半戦は予選、レースともにガツガツいってbLU cRUのライバルに勝ち、ナショナル、総合でも優勝を狙っていきます」と復調のきっかけを掴み気合を入れます。



 そしてクラス7位となった塚本選手は、「開幕戦はグダグダでまだ課題もありますが、徐々に走りの質も上がってタイムも向上しています。オートポリスに向けた長いインターバルでトレーニングもできるので、技術と質を高めていきたいと思います。ランキングについては、話にならないレベルなのでそこは気にせず、しっかり一戦一戦を全力で戦っていきます」とポジティブな姿勢で先を見据えました。



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 久川選手が3連勝で大きく抜け出し、これに負けじと森山選手、片田選手が追随した前半戦。ポイント差は開いてはいますが、それぞれが課題を見つけ、自分のペースで成長を示しています。そして、若い世代は急激な変化が起こるもの。長いインターバルを経て形勢が逆転することも考えられます。欧州への切符をかけた「YAMAHA YZF-R3 スカラシップ」、後半戦はが9月7日オートポリスで幕を開けます。



YAMAHA YZF-R3 スカラシップ対象ライダーランキング(第3戦終了時)

※インター、ナショナルの総合順位でポイントをつけています。

順位 クラス ライダー ポイント
1 インター #26 久川 鉄平 75
2 ナショナル #28 森山 浬 26
3 ナショナル #14 片田 泰志 21
4 ナショナル #37 津田 雄飛 15
6 インター #21岡田 陽大 11
7 ナショナル #31 奥貫 翔 5
5 ナショナル #23 塚本 龍 1


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