本文へ進みます

詳細本文

レースに関連する広報発表資料をご覧いただけます。

トライアル世界選手権 Trial2
黒山健一が電動トライアルバイク「TY-E 2.2」で参戦、11位/17位とし2日間とも日本人最高位

2024年5月27日

image

 YAMAHA FACTORY RACING TEAMの#3黒山健一は、今シーズンも電動トライアルバイク「TY-E 2.2」で全日本トライアル選手権の最高峰、国際A級スーパークラスに参戦。開幕戦は2位、第2戦も2位とまずまずのスタートを切っている。今年は新たに氏川政哉(#2/bLU cRU VICTORY)と野崎史高(#4/Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA)も「TY-E 2.2」を使用し、電動バイクは3台体制となり、氏川は3位&6位、野崎は5位&7位を獲得している。



image

 迎えたトライアル世界選手権「Herts FIMトライアル世界選手権 第1戦 大成ロテック日本グランプリ」は5月18・19日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで2日間に渡って開催された。競技は1日ごとに決勝が行われ、順位が決められる。黒山ら3名は、昨年に続き、最高峰の「TrialGP」や「TrialGPウーマン」と併催される「Trial2」に、2023年の第5戦北海道大会に投入して以来開発を続けてきた「TY-E 2.2」のポテンシャルを、ライダーと開発者が世界レベルで確認し、次の進化につながる課題を抽出することを目標に出場した。

 競技は1日ごとに4時間30分で12セクションを2ラップする(1ラップの制限時間は2時間、これをオーバーするとタイムペナルティが加算される。1ラップ目の後に30分の休憩をはさんで、2ラップ目に入る)が、ラップごとに細かな時間制限が設けられ、ライダーたちは従来よりもスピーディにセクションをこなしていった。1つのセクションを走るための持ち時間は1分30秒で、昨年までは「ノンストップ・ルール」(セクションの中で止まってはいけない)で行われてきたが、今年はストップOKでバックもOKの新ルールで行われた。



image

 晴天に恵まれた1日目は気温が30度近くまで上がり、暑さとの戦いともなった。観客は昨年の2,300人を大きく上回る11,100人を集め、土曜日から大きな賑わいを見せた。黒山は1ラップ目、減点5となる失敗が2つあり、減点3も3つと苦戦を強いられたが、その後は4連続減点0と調子を上げていった。とはいえ1ラップ目の結果、黒山は減点20でヤマハ勢トップの13番手。氏川(減点21)14番手、野崎(減点25)は21番手となっていた。



image

 2ラップ目に入り、黒山は減点5をなくし、1ラップ目の半分の減点10。氏川は黒山を上回る減点8で回ったが、持ち時間をオーバーしてタイム減点2を加えて、減点10を加算。また野崎は、減点18とタイム減点6を加算するなど時間との戦いともなっていた。1日目の結果は、黒山が減点30で11位。氏川は減点31で12位、野崎は減点49で23位となった。黒山の11位は、9名が参戦した日本勢の中ではトップの最高位だった。

 初日を終えた黒山は、「トップ10以内に入りたかったので11位は非常に残念。1位のガスガス、2位のエレクトリック・モーションの2台が電気バイクということで、ヤマハは1・2位に大きな差をつけられての11位と、これも残念な結果に終わってしまった。ただ、もう1日あるので明日は一桁順位を狙って走り、できればガスガスとEMに追いつき追い越せで頑張りたい」と、氏川や野崎とともに2日目の挽回をめざした。



image

 2日目の天気は曇りとなり気温は下がったものの湿度は52%(1日目は25%だった)と高く、蒸し暑い1日となった。それでも観客は昨年の3,800人を大きく上回る12,000人を記録、2日間合計で23,000人ものファンが、ハイレベルな世界選手権を堪能した。1日目の結果は、1位の減点がわずか3点、2位も9点という少ない減点での優勝争いとなっていた。それに比較して2日目の1位の減点は18、2位の減点も21と、1日目よりも難易度がだいぶ高くなっていたことが結果からうかがえることとなった。



image

 2日目の黒山は、1ラップ目に減点5となる失敗が3つあったが、とくに3つ目の失敗=第8セクションの崖登りで転倒した際に左足を負傷、足を引きずりながらの戦いとなった。その後は減点を抑えたものの1ラップ目の結果は、黒山が減点24で19番手。氏川は減点24で18番手でヤマハ勢のトップ(注・黒山と氏川はともに減点24の同点だがこの場合、減点0の数では氏川4が黒山3を上回り上位となる)、野崎(減点29)は20番手となっていた。

 2ラップ目の黒山は、減点5となる失敗は1つに抑え、5つの減点0をマーク。足の痛みを抱えながらも1ラップ目よりも少ない減点16を加算。氏川は減点24を加算。また野崎は減点26を加算。2日目の結果は、黒山が減点40で17位、氏川は減点48で20位、野崎は減点55で24位と、3名とも1日目よりも順位が下がる結果となった。黒山の17位は、9名が参戦した日本勢の中ではトップの最高位となった。

 厳しい結果となったが、この経験を6月2日に同じ会場で行われる全日本トライアル選手権シリーズ第3戦もてぎ大会に生かしたいと、早くも気持ちを切り替えている選手たちだった。



RACE DATA

■大会名称:2024 Herts FIMトライアル世界選手権 第1戦 大成ロテック日本グランプリ
■開催日:2024年5月18・19日
■開催地:栃木県・モビリティリゾートもてぎ
■観客:1日目/11,100人、2日目/12,000人
■気温:1日目/28.1度、2日目/25.3度
■天候:1日目/晴れ、2日目/曇り
■競技:12セクション×2ラップ
■持ち時間:4時間30分


RESULT 1日目

順位 ライダー マシン 総減点
1 H・Sondre GASGAS 3
2 C・Gael Electric Motion 9
3 C・Alex Sherco 13
4 P・Jack Sherco 15
5 F・Arnau Sherco 18
6 S・Mattia Vertigo 18
11 黒山健一 Yamaha 30
12 氏川政哉 Yamaha 31
23 野崎史高 Yamaha 49


RESULT 2日目

順位 ライダー マシン 総減点
1 P・Jack Sherco 18
2 C・Alex Sherco 21
3 C・Gael Electric Motion 22
4 D・Jack GASGAS 22
5 H・Sondre GASGAS 23
6 S・Mattia Vertigo 26
17 黒山健一 Yamaha 40
20 氏川政哉 Yamaha 48
24 野崎史高 Yamaha 55


COMMENT


YAMAHA FACTORY RACING TEAM

黒山健一選手談(11位/17位)

「世界選手権の日本大会が無事に2日間終わりました。2日目は17位とだいぶ順位を落としてしまったので残念で悔しい結果ですが、こんな時もあるかなと思います。内容的にはいいところがあれば非常に悪いところもあって、改善を含め今後対応していかなければという反省点が非常に心に残った2日間でもありました。たくさんの応援、本当にありがとうございました。またここで全日本選手権の第3戦が開催されますので、ぜひとも皆さん熱い応援をお願いいたします」」



佐藤美之監督談

「今回の世界選手権は、悔しいの一言に尽きます。その理由は、今回の目的は世界のライダー・マシン・レースのやり方との日本の差を確認することでしたが、結果として他社に負けてしまったことが一番、悔しさの要因になっています。全日本とは違うレギュレーションで、マシンを作りこんだり準備は怠りなくやったつもりですが、やはりギリギリまでマシンの調整をしたということで、スタッフの確認不足もあり、ちょっとしたトラブルが発生し選手に迷惑をかけてしまったことも今回の成績の要因になっているのは事実です。その辺りを全部改め直して、次の全日本に向けて気持ちを切り替えて準備をしていきたいと思いますので、また皆さん応援よろしくお願いいたします」



bLU cRU VICTORY

氏川政哉選手談(12位/20位)

「トライアル世界選手権、無事終わりました。2日目の結果は20位とすごく残念な結果に終わったのですが、2日目は順位を上げるつもりが上げられず、そこがやはりまだまだだなと思います。ただ、初めて電動バイクで世界選手権に出てみて、まだまだ足りないところがいっぱいあるとわかったので、また2週間後にこの会場で全日本がありますので、そこに向けて頑張りたいと思います。応援ありがとうございました」



Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA

野崎史高選手談(23位/24位)

「応援ありがとうございました。今回の世界選手権は、よくない結果に終わってしまいましたが、開発の意味を含めては色々な問題点だったり、これから開発していきたい具体的な箇所が見えた部分もありましたので。世界選手権ももちろんいい結果を出せればそれに越したことはなかったのですが、ここで得たものを重点を置いている全日本に生かしていきたいと思います。2週間後の全日本もまた応援よろしくお願いいたします」

ページ
先頭へ