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Yamaha R3 bLU cRU World Cup
世界への扉をこじ開けろ! 高橋匠選手がヨーロッパで奮闘中
2024年5月11日
スーパーバイク世界選手権に併催されるYZF-R3によるワンメイクレース「Yamaha R3 bLU cRU World Cup(R3 World Cup)」の第2戦が4月20-21日、オランダにて開催されました。これに参戦中の日本人高校生、#16高橋匠選手がレース1、世界中から集まったヤマハヤングライダーたちと激闘を繰り広げ、自身初となる2位表彰台を獲得、R3 World Cupの関係者を驚かせたのです。
さて大会名称にもある「bLU cRU(ブルー・クルー)」とは、北米、南米、ヨーロッパ、アジア、オセアニア… 世界中にあるヤマハ発動機のグループ会社で行われているモータースポーツ普及と人材育成を象徴する活動です。
中でもbLU cRUの活動を積極的に進めているのが、モータースポーツの中心地でもあるヨーロッパ。Yamaha Motor Europe N.V. (YMENV)は、若いライダーを世界の舞台へと引き上げるべく、ワンメイクレースを設定して欧州全土からライダーを募り、大会を開催してきました。
そのうちの一つが「YZF-R3」を使った前述のR3 World Cup。スーパーバイク世界選手権に併催し、欧州のみで6大会12レースが設定され、年間チャンピオンに輝くと翌年にはYMENVのフルサポートのもとで、スーパースポーツ300世界選手権(WorldSSP300)への参戦権を獲得できるのです。
このR3 World Cupは近年、bLU cRUネットワークの強化により、欧州にとどまらず、世界中からヤマハの若手ライダーたちが参戦するレースへと進化を遂げてきました。例えば、今年からスタートした「Yamaha R3 bLU cRU Asia-Pacific Championship(R3 APC)」は、昨年までThai Yamaha Motor Co., Ltd. (TYM)による、タイ人ライダーを対象とした国内レースでしたが、今年から当社も協力し、アジア・大洋州に対象を広げてライダーを募り、R3 World Cupへの参戦権をかけたレースとして生まれ変わっています。
またR3 APCと同様に、ブラジルのYamaha Motor do Brasil Ltda. (YMDB)もまた、南米の若きライダーを対象とした「Yamalube R3 bLU cRU Latinoamerica」を開催し、R3 World Cupへの道筋を築いています。
当社が直接管轄する日本でのbLU cRU活動も着実に強化を図っています。R3 APCに先駆け2023年にスタートした「YAMAHA YZF-R3 スカラシップ」もまたR3 World Cupと連動した普及・育成活動です。
「世界を舞台に戦える日本人ライダーの発掘」をスローガンに、全日本ロードレース選手権に併催されるMFJカップ JP250選手権を活用。ここに参戦する当社の車両を使用するクラブチームに所属する若手ライダーを対象として、ランキング最上位につけた者に、当社のフルサポートによるR3 World Cup への参戦権(1シーズン)を提供するというスカラシップです。
そして2023年、この権利を獲得したのが高橋選手。今年からR3 World Cupのフル参戦をスタート。今度は、R3 World Cupのチャンピオンに与えられるYMENVフルサポートでのWorldSSP300の参戦権獲得を目指しています。
R3 World Cupの開幕戦カタルニアラウンドは3月23−24日に開催されました。そのレース1で高橋選手は、2位グループにつけて一時は集団のトップに立つなど表彰台争いを展開。最後まで集団の中で戦い抜きますが、2位にわずか0.15秒差の6位でチェッカー。悔しい結果となりましたが、R3 World Cupで戦っていけることを確認しつつ、大きな自信をつけたのでした。
続くレース2は中団に飲み込まれ、終始バトルを繰り広げていましたが、終盤にマルチクラッシュが発生しこれに巻き込まれて転倒・ノーポイントに終わり、ランキング12位で開幕戦を終えました。
第2戦は約1ヵ月後の4月20-21日、オランダはアッセンが舞台。予選のスーパーポールでは6番手と2列目を獲得し迎えたレース1はウエットコンディションとなったものの、高橋選手は6番手で1周目を終えると、そのままトップグループをキープ。目まぐるしく順位が入れ替わる中で、徐々にポジションを挽回し5周目に3番手とします。そして同周に、後方で複数が絡む転倒が発生。一方の高橋選手は一つポジションをあげ2番手で6周を終えると、その直後、先の転倒によりレッドフラッグが提示されレースが成立。これで高橋選手は2位。ルーキーが初めて走るコースで表彰台を獲得、高いポテンシャルを示したのでした。
続くレース2では連続表彰台を目指しましたが、序盤はトップグループの後方でのレースを強いられました。ところがラストラップに7番手で突入すると3台をかわし4位でフィニッシュ。この結果、ランキングはトップと37ポイント差の5位。決して小さいギャップではありませんが、まだ十分に手が届く位置をキープしています。
一方、昨年から本レースに参戦しているもう一人の日本人が#56山根昇馬選手。昨年は3位表彰台を1回獲得するなどでランキング8位だったことから、今年は飛躍の年にしたいところ。
2大会4レースを終え、表彰台こそありませんが、開幕戦が9位/7位、第2戦が6位/9位と、常に上位グループにつけ安定したリザルトを刻み、ランキングトップに42ポイント差の7位につけており、高橋選手とともに、さらなる成長が期待されます。
次回は6月14-16日の第3戦エミリア・ロマーニャ(イタリア)、2名の成長と活躍にご期待ください。