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黒山健一が日本代表としてトライアル・デ・ナシオンに出場 「トライアル強国として、なんとしても表彰台を!」
2019年9月5日
「トライアル・デ・ナシオン」をご存知だろうか? 国際モーターサイクリズム連盟(FIM)の主催により1984年にスタートして、今シーズンで36回目を迎える世界選手権格式の大会だ。その最大の特徴は「国別対抗戦」であること。ライダー、メーカー、チームという枠ではなく、フィジカルスポーツのワールドカップのように、各国が代表チームを結成し、国の威信をかけて戦う団体戦のモータースポーツだ。
日本が初出場したのは1987年。デ・ナシオンにおける最高峰クラスに過去20回出場し、優勝25回を誇るスペインをはじめ、優勝5回のフランス、優勝4回のイギリスなど、トライアル強国が参戦する中、2位4回、3位9回、計13度の表彰台を獲得してきた。
そして2019年9月28-29日、スペインのイビサ島での2019年大会に出場する日本代表チームに、全日本トライアル選手権に参戦する「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の黒山健一選手が選出された。チームメイトは、2004年の世界チャンピオンであり、現在も世界選手権にレギュラー参戦する藤波貴久選手(ホンダ)、全日本IAスーパーチャンピオンを8度獲得している小川友幸選手(ホンダ)だ。3人はともに日本代表の常連であり、現在の日本最強メンバーとも言える。
この中で黒山選手は、世界選手権に本格参戦を開始した1995年、17歳の時に初選出された。以来12回出場してきたが、初出場で3位とし日本初となる表彰台の獲得に貢献したほか、日本最高の2位となった2000年大会など、何度もチームを表彰台に導いてきた
デ・ナシオンについて黒山選手は「個人戦とは異なる団体戦であることが1番の違いであり、おもしろいところ。セクションを走るのは1人ずつですが、チーム全員が走り上位2人の成績がチームの点数になります。そのため自分の成績だけでなくチームの減点によって戦略がめまぐるしく変わり、チームのための走りをしなければならないなど、通常とは違うプレッシャーがかかってきます」と話す。
目標は「表彰台に立つ、これだけ」と言い切るがその胸中は複雑だ。これまで日本代表は13回の表彰台を獲得してきた通り、トライアルの中心地である欧州の強国に割って入ってきた。それは黒山選手や藤波選手など、世界に身を置き研鑽を積む日本人ライダーがチームの中心となって戦ってきたことなどが理由にある。しかし、近年は若くして世界に飛び出す日本人ライダーが現れていないほか、「昨年は4位と表彰台を逃しましたが、ノンストップルールなど世界選手権と全日本に違いがあったり、代表の平均年齢がおそらく参加国の中で一番高い…」と言うように、年々タフな戦いを強いられているからだ。
それでも黒山選手は目標を下げようとはしない。「団体戦ですが、世界で表彰台を狙えるのはトライアルだけだと思います。本来は1位と言いたいところですが、スペインに勝つのは難しい。でもイギリス、イタリア、フランスと2・3位を争うことは可能だと思います。トライアル強国“日本”の姿を次の若手やファンの皆さんに見てもらうためにも、今回のメンバーで表彰台を獲得することが重要なのです。そのためにもファンの皆さんの応援は不可欠。現地でとは言いません(笑)。今の時代インターネットがあるので、スペインで日本代表チームが戦っていることを知ってほしいし、SNSなどで応援してもらえると僕たちも力になります」
トライアル・デ・ナシオンに出場する黒山選手の情報は、当社の公式レースツイッターで提供するほか、レースの状況はTRIALGP.COMのLIVE RESULTSにて配信される予定。ぜひ、黒山選手を含めた日本代表チームの応援をよろしくお願いします。
日本代表チームの戦績
年 | 開催地 | 順位 | ライダー |
---|---|---|---|
1987年 | フィンランド | 8位 | 伊藤敦志、中川義博、山本昌也 |
1989年 | ベルギー | 10位 | 泉裕朗、伊藤敦志、中川義博、山本昌也 |
1990年 | フランス | 8位 | 伊藤敦志、上福浦明男、三塚政幸 |
1991年 | ベルギー | 7位 | 伊藤敦志、小林直樹、中川義博、成田匠 |
1995年 | オーストリア | 3位 | 小川友幸、黒山健一、成田匠 |
1999年 | ルクセンブルク | 3位 | 小川友幸、黒山健一、田中太一、藤波貴久 |
2000年 | スペイン | 2位 | 小川友幸、黒山健一、田中太一、藤波貴久 |
2002年 | ポルトガル | 3位 | 小川友幸、黒山健一、野崎史高、藤波貴久 |
2003年 | イタリア | 3位 | 黒山健一、田中太一、野崎史高、藤波貴久 |
2004年 | スペイン | 3位 | 小川友幸、黒山健一、田中太一、藤波貴久 |
2005年 | イタリア | 3位 | 黒山健一、渋谷勲、野崎史高、藤波貴久 |
2006年 | フランス | 3位 | 小川毅士、野崎史高、藤波貴久 |
2007年 | イギリス | 2位 | 小川友幸、黒山健一、野崎史高、藤波貴久 |
2008年 | アンドラ | 2位 | 小川友幸、黒山健一、野崎史高、藤波貴久 |
2010年 | ポーランド | 5位 | 小川毅士、斉藤晶夫、野本佳章、藤波貴久 |
2011年 | イタリア | 6位 | 小川毅士、柴田暁、野本佳章 |
2015年 | スペイン | 3位 | 小川毅士、小川友幸、柴田暁、藤波貴久 |
2016年 | フランス | 2位 | 小川友幸、黒山健一、藤波貴久 |
2017年 | スペイン | 3位 | 小川友幸、黒山健一、藤波貴久 |
2018年 | チェコ | 4位 | 小川友幸、黒山健一、藤波貴久 |