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黒山健一、「TYS250Fi」で日本GPへ2年目の挑戦、Day1は9位と活躍、Day2は15位

2018年6月6日

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「TYS250Fi」で2年目の世界挑戦

黒山健一にとって年に一度のトライアル世界選手権・第2戦「ストライダー 日本グランプリ」に挑戦する日がやってきた。YAMAHA FACTORY RACING TEAMからファクトリーマシン「TYS250Fi」に乗りトライアル全日本選手権に参戦中の黒山(ゼッケン2)は、今季開幕戦を圧勝。第2戦は惜しくも1点差で開幕2連勝を逃して2位、第3戦も2位となっていた。

一方、今年からTYS250Fiに乗る野崎史高(ゼッケン3/YSP京葉xKEN OKUYAMA)は第1戦・第2戦ともに3位だったが、第3戦で3年ぶりに勝利をおさめ、第2戦で優勝した小川友幸(ゼッケン1/ホンダ)とともに、3人で優勝を分けあう三つ巴の戦いとなっている。

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そんなライバルたちとともに挑んだ日本GPは、黒山にとって世界での自分のポジションを確認できるチャンスでもある。かつては世界選手権にフル参戦し、1997年には日本人として初優勝を果たすと、日本人初のランキング3位に輝き、1997年に続いて1998年もランキング3位に名を連ねた。しかし、ここから世界チャンピオンを狙うという時に両手首を骨折する重傷を負ったが、そこから復活して、2006年から全日本に専念すると、通算11度の全日本チャンピオンを獲得する金字塔を樹立。これはトライアルだけでなく、ロードレースやモトクロスを含めて日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)における最多王座獲得記録となっている。

日本GPは2日制で開催され、近年の黒山は2016年に10/12位、2017年は11/10位となっており、今回は「TYS250Fi」で2年目の日本GPを迎えた。

黒山はまず6月1日(金)の予選に臨んだ。この予選は、6月2日(土)と3日(日)に行われる競技のスタート順を決めるもので、トライアル競技においては後からスタートした方が有利になる。例えば、先に走ったライバルが失敗し減点5となった場合、後から走るライダーは、ポイント差を考え、足を着いてでも減点3で着実に走る作戦に切り替えるなど、無理してクリーン(減点0)を狙う必要がなくなる。また、先に走った選手の走行ラインを参考にできるほか、地形によっては後から走った方が、ラインが固まって走りやすくなるなど、できる限り遅いスタートをしたいところだった。





予選:黒山は11番手、野崎は12番手

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予選は、1つのセクションを用い、減点の少なさとタイムの速さ(同点の場合はより早いものが上位となる)を競った。その結果、黒山(ゼッケン98)は15名が出走したトライアルGPクラスで11番手、野崎(ゼッケン99)は12番手で決勝を迎えることとなった。
この予選について黒山は「とにかく足を着かずにいこうと決めて走りました。タイムは速くはないですし、クリーンしただけです。セクション的に、最初に走るライダーと最後に走るライダーの差が少ない感じなので、早いスタートでもよいかなという感じでした。長年もてぎを走らせてもらっていますけれど、マシンはかなり仕上がってきていますし、セクションを見た感じでも十分やれそうなので、攻めて少しでも上の順位を狙います」

Day1:黒山がトップ10内に食い込む9位を獲得

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1日目、野崎が午前10時32分にスタート、その1分後に黒山が出走。いよいよ世界への挑戦がスタートした。競技は5時間の持ち時間で15セクションを2ラップして争うが、全日本と異なり、世界選手権には「ノーストップ・ルール」があり停止が減点5になるという大きな違いがある。
その中で黒山は1ラップ目を減点34とし13番手となるが、ルールにも慣れはじめた2ラップ目は、1ラップ目に4つだったクリーンの数を9と倍以上に増やし減点22と大きく改善して追い上げ9位、トップ10内に食い込む活躍を見せた。
一方の野崎は15位、小川は14位と、黒山の9位は全日本勢の中で最上位となり、「今日は怪我なく終えることができたので満足です」と、笑顔で1日目を振り返った。

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Day2:最下位15位も「収穫は大きかった」

2日目の競技は、6つのセクションの難易度が上げられ、朝から気温が上昇し暑さとの戦いにもなった。日本勢は、全日本との違いにも苦戦することになった。全日本の競技は日曜日のみだが、世界選手権は2日制(開催国によって1日制もある)で木曜日の受付・車検をへて、金曜日に予選、そして2日連続で決勝を行う。しかも同じ持ち時間であるが、全日本は合計22セクション程度が主流になっているのに対し世界選手権は合計30セクションとなるため、必要とされる体力や集中力は大きく異なると言える。
この日の黒山は15位で最下位となったが、得たものは大きかったようだ。たとえば1ラップ目の第13セクションをクリーンしたのは世界でも3人だけ。アダム・ラガ(2日目・3位)とアルベルト・カベスタニー(2日目・5位)、そして黒山が見事にクリーンする会心の走りを見せて大観衆を沸かせた。また、野崎は14位と、1日目よりも1つ順位を上げることに成功した。

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RACE DATA

■大会名称:2018 FIM トライアル世界選手権 第2戦 ストライダー 日本グランプリ
■開催日:2018年6月2日・3日
■開催地:栃木県・ツインリンクもてぎ
■観客:1日目/8,600人、2日目/9,800人
■気温:1日目/26.5度、2日目/28.9度
■天候:1日目/晴れ、2日目/快晴
■競技:15セクション×2ラップ
■持ち時間:5時間


RESULT 1日目

順位 ライダー マシン 総減点
1 J・Fajardo GasGas 11
2 A・Raga TRRS 23
3 藤波貴久 Honda 28
4 T・Bou Honda 30
5 J・Busto GasGas 35
6 J・Casales Vertigo 44
9 黒山健一 Yamaha 56
15 野崎史高 Yamaha 83

 


RESULT 2日目

順位 ライダー マシン 総減点
1 J・Busto GasGas 19
2 T・Bou Honda 22
3 A・Raga TRRS 24
4 J・Fajardo GasGas 28
5 A・Cabestany Beta 34
6 J・Dabill Beta 34
14 野崎史高 Yamaha 78
15 黒山健一 Yamaha 79



COMMENT



YAMAHA FACTORY RACING TEAM

黒山健一選手談(9位/15位)

「2日目はまったく走ることができませんでした。残念でしかないです。1日目で出し切ったというか、満足したわけではなかったのですが、ちょっと疲れが出てしまいました。特に2日目はよいところもありましたが、やってはいけないミスを何回もやってしまいました。次のレースに向けて気持ちを切り替えしっかりがんばります」



木村治男監督談

「黒山選手は土曜日の成績がよかったので、日曜日はさらに上を狙えると期待していましたが、2日目は残念な結果になってしまいました。この日本グランプリでの経験を次の大会に結びつけるようにしていきたいと思います。今回もたくさんの方々が応援に来てくれて、選手たちの力になりました。引き続きがんばりますので、応援よろしくお願いします」



YSP京葉xKEN OKUYAMA
野崎史高選手談(15位/14位)

「競技では良いところもあり、悪いところもあるという感じで、4つくらい悔しい減点5がありました。ノーストップ・ルールに慣れていないということもあって一瞬で減点5になってしまったので、そのあたりをもう少し意識してやれれば12・13位くらいはいけたかなと思います。これからまた全日本に向けて集中します」

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