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全日本モトクロス選手権参戦ライダー 平田優インタビュー
プロライダーとしてさらに進化を遂げ
チームとファン一体でチャンピオン獲得を狙う
「子どもの頃に、父の影響でモトクロスを始めたのですが、ちょうど同じ頃サッカーJリーグもスタートし、当時はどちらかと言えばサッカー選手になりたいという思いの方が強かった」。そう話すのは、今シーズンから「YAMAHA YSP Racing Team」に加入した平田優選手。じつは、サッカー以外にもさまざまなスポーツをしてきたと言いますが、最終的に選んだのがモトクロスでした。
「いろいろ経験する中で、自分がやりたいことではなく、自分にとってベストなものを選ぶという考えが芽生え、高校卒業後の進路を決める際、当時もっとも可能性を感じたモトクロスを選びました。それでもモトクロスで大成できる確信はなかったし、むしろ通用しないかも知れないという不安の方が大きかった」。その時に背中を押してくれたのがご両親の「大学に行ったつもりで、4年間モトクロスで勝負してみろ」という言葉でした。「この言葉をもらってとにかく4年間は競技に集中し、プロとしての道を確立しようと思いました」と当時を振り返ります。
そして両親との約束だった4年後、若手ライダーの中で頭角を現し、見事にファクトリーライダーとして地位を獲得します。その後、IA2クラスでさらなる成長を遂げた平田選手は、2010年から国内最高峰のIA1クラスへ挑戦。トップライダーがひしめく中で表彰台獲得などの活躍を見せ、順調な競技人生を歩んでいるように見えました。しかし、一方ではチャンピオンという目標を前に足踏みを続ける自分がいることにも気付いていたと言います。そして昨シーズンの終了後、大きな転機が訪れます。それがヤマハへの移籍でした。
「まずヤマハに加入して最初の仕事はマシン作りでした。そこで感じたのがモノ創りでチームが一体になっていく感覚です。僕が意見をだす、それにスタッフが全力で応えてくれる。この力を合わせてマシンを作っていくプロセスが、とても心地よく感じられました。その時に思ったのです。この一体感こそ求めていたものだと。だからと言ってチャンピオン獲得は簡単ではありませんが、苦難に立ち向かうモチベーションをつかんだのは確かです」
こうして充実したシーズンオフを過ごし迎えた開幕戦、見どころとして「走るのは僕ですが、実際は監督やメカニックをはじめ多くの方々の存在がなければ走ることはできません。だからパドックでハードワークするメカニックやスタッフを含め、ファンの皆さんにはぜひチーム全体で戦っている姿を見てほしい」
さらに続けて「勝つためには、絶対的に周囲のサポートが必要ですが、今以上のサポートを得るには僕自身に価値を感じてもらい、僕の存在そのものがチームを活性化していけるようにならなければいけません。そのためには成績だけでなく“平田をなんとかしてやりたい”と思ってもらえるような何かが必要です。今シーズンはそれを形成する1年であり、レースを重ねるごとに進化するチームを感じてほしいですね」
迎えた今シーズンの開幕戦、平田選手は第1ヒートで2位を獲得。表彰台では、多くのヤマハファンからの祝福を受け、笑みを浮かべる姿がありました。レース前「チームはもちろんですが、ファンの皆さんも一緒に戦ってもらえるような、いつも応援してもらえるようなライダーにならないといけませんね。そのためにはやっぱり僕自身がさらに強くなることが必要なんです。そしていつかは、チームもファンも一体となってチャンピオンを勝ち取り、みんなで一緒に喜びを分かちあいたいですね」と語っていた平田選手は、この言葉通り順調な一歩を踏み出しました。しかし戦いはまだ始まったばかり。さらなる進化はこれからです。
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