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上田昇:2005年はヤマハ創立50周年ということで、非常に重要な年でした。そしてご存じの通り、ヤマハは三冠を獲得。ロッシはライダーズチャンピオンを取ったし、君たちの活躍でメーカー・チーム各タイトルも獲得できた。今年は二人とも本当に大活躍だったね。
バレンティーノ・ロッシ:もちろん素晴らしい年だったよ、大変だったけどね。特に初期はバイクのセッティングに問題があってね。でもこの問題を解決してからは、たくさん勝利を獲得できたし、いいレースができたね。だから、今年は思い出深い年だった。もてぎではクラッシュしてしまったけど、他は全レースで表彰台に立つことができ、11勝してチャンピオンを獲得できた。素晴らしい、最高の年だったよ。バイクも去年より戦闘力が上がった。確かにセッティングが大変なときもあったけど、結果的にはとても速く走れたからね。
コーリン・エドワーズ:僕も似ているね。当初はセッティングに時間がかかった。そして僕は、良いと思っていたベースセッティングで長く乗り過ぎたと思っているんだ。シーズンのほとんどをそのセッティングで走ったからね。上手くいったコースもあるけど、明らかに上手くいかなかったコースもあった。とにかく、シーズンの終わりを迎える頃、僕としてはバレンティーノのセッティングの方向性に合わせようと決めたんだ。つまり基本的には、僕のライディングスタイル全般をもう一度見直す必要があったし、他にもいろいろやってみた。
上田:今のコーリンの話で思い出したよ。先日、最終戦のバレンシアでのレース後にM1に乗る機会があり、たった3周だけどバレンティーノのマシンで走ったんだ。正直言って、3周でマシンを理解するのは難しい。でも、そのマシンには確かに、何か感じるものがあった。僕がMotoGPマシンに試乗するのは、これが3回目。昨年、バレンシアのレース後、中野選手のカワサキを試したのが最初で、今年のもてぎではバロス選手のホンダに試乗したんだ。バレンティーノのマシンに試乗して言えるのは、僕のラップタイムでは乗るのがすごく楽だということ。つまり、コントロールしやすいマシンなんだ、パワーデリバリーという点でね。フロントのトラクションは十分だった。ということは、ラップを重ねる度に更に攻めていくことができるんだ。リアにも十分なトラクションを感じたよ。
あと、パワーデリバリーも非常にスムーズだね。全開ではなくスローで走るなら、普通のロードバイクみたいに簡単だと思うよ。ただ問題は、M1はセッティングがシビアなことなんだ。良いセッティングに辿り着くためには今年はずいぶん格闘したよ。特にコーナーからコーナーを繋ぐときのブレーキング(のセッティング)が難しかったね。そこで速くなければ、つまりその点で100%でなければ、コーナーに入るときに大きな安定性の問題が生じてしまう。ベストなセッティングを煮詰めるのは、すごく難しいことなんだ。それで上手くいけば調子よく走れるし、僕もハッピーだよ。でも次のモデルではもっと楽にセッティングできるようにしたいね。
それで一年ずっとトラクションのことで格闘さ。何かがおかしいと感じたんだ。レースでは5、6周後にノー・トラクションとなって、あとは消耗したタイヤで、ただそのポジションをキープするだけなんだ。悪かったのは僕のライディングスタイルだった。今年は上手くいかなかった。セッティングも完璧じゃなかった。僕らは冒険もせず、シーズン終盤まで同じ基本セッティングを使っていたんだ。M1に話を戻すと、たとえマシンにパワーがあっても、乗るのにイージーであるべきなんだ。イージーでスムーズだとバイクに乗るのに格闘せずに済む。するとますますイージーになる。それが2006年に向けて僕らが目指すM1なんだ。バイクに乗って、調子良く、スムーズで落ち着いて走れれば、それが最もイージーな状態だ。これこそが、僕らが目指すものなんだ。
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