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中冨 伸一インタビュー 2005年12月27日

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 全日本ロードレース選手権・JSB1000クラス参戦3年目となる中冨選手に、2005年に込めた気持、そして終了後の感想。またスーパーバイク世界選手権参戦決定にあたっての意気込みなどについて聞きました。


Q:2005年シーズンを迎えたときの意気込みは?

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今年はチャンピオン獲得するのではなく、チャンピオンをとらなければならないシーズンでした。なぜなら昨年、ニューYZF-R1のデータを得ることができマシンは万全だったし、YSP&プレストレーシングでの2年間、100%納得できる結果を出していなかったので、チームも自分も結果を出さないといけないシーズンだったからです。だから、「チャンピオン以外はいらない」そんな心境で開幕を迎えました。
そういった意味で、開幕戦は非常に大事なレースでした。優勝はもちろんですが「今年の中冨は違う」、「中冨と勝負しても勝てない」という印象を他のライダーに植え付けたかったんです。だから勝ち方も“ぶっちぎり”を狙いました。レースウィークではプラクティスや予選など全部トップだったので、決勝では間違いなくいけるという確信がありました。転倒でその計画はパーになっちゃいましたけど…。しかし予選でのインパクトがあったのか、ライバルたちの僕を見る目が変わったのは確かです。


Q:筑波、オートポリスで2連勝しましたが、この時の心境は?

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筑波は昨年も優勝している得意コースなので、優勝しか考えていませんでした。開幕を落としている分、その気持は相当強かったです。レースでは後半トップに立って伊藤さんが追い上げてきたのですが、僕のレコードラインが、伊藤さんのブロックラインになっていたので抜かれる気はしませんでした。だから自分のペースで走っていれば十分勝てると思っていたし、その通りになりましたね。
第4戦は2周目から柳川さんのスリップストリームに入ってタイヤを温存できたことが大きな勝因。後半の逆転劇は自分でも気持よかったですね。
実は開幕戦の転倒でチャンピオンは難しいと感じていたので、この頃にはランキングを意識するのではなく、一戦一戦を勝ちに行くスタイルに変えて走っていました。だからこの2連勝は手応えを掴めたし、前半戦は上手くまとめることができたと思います。


Q:シーズン後半に入り、表彰台に立てないレースが続きましたがその原因は?
  また、ランキング4位という結果に対して自分の評価は?

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8耐後、僕たちのマシンだけでなく、他のチームのマシンも進歩してレースが接戦になったことが挙げられます。トップでスタートできればなんとかなると思いましたが、スタートをミスすると、なかなか追い上げが厳しくなったんです。後は伊藤さんや柳川さんといったベテランにペースを掴まれたこと。伊藤さんはチーム体制でもプレッシャーがないし、下からの突き上げもなくノビノビ走っていた。一方の柳川さんは、1年を通してレースを組み立てることができ、調子の良し悪しによって自分をコントロールしていました。ようするに、僕を含めランキングが下のライダーが二人にプレッシャーをかけることができず、思い通りに走らせてしまったことが今年のランキングのあらわれだと思います。
4位という成績については、情けなくて言葉もありません… チャンピオン以外はみんな一緒ですから。しかしたくさんのファンの方が応援してくださるなかで、2回優勝できて、トップ争いをしたレースも多かったのは良かったと思います。でもWSB参戦が決まった今、ファンの方のためにもチャンピオンをとりたかった、心からそう思いますね。


Q:WSB参戦を告げられた時の心境は?

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WSBのことは、実は8耐の頃から噂で聞いていたんです(笑)。ただ、自分の成績を考えてもあり得ないと思い、まったく信用していませんでした。3年前、YSP&プレストレーシングに呼んでいただいた時、足を骨折して病院のベッドの上で電話をとったんです。あの時もチャンピオンになったシーズンではなかったし、なんで僕が呼ばれるのって思いましたが、今回もサプライズでした。でも本当に嬉しかった。そして自分を世界に出してくれるヤマハに感謝しています。
また今回の話は自分にとっては非常に良いタイミングでした。全日本で戦うことに新鮮味がなくなり、自分のモチベーションを高めることが難しくなっていた。だから何も知らない新しい地で挑戦できることは今から楽しみです。


Q:WSBの印象は? 自信はありますか?

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僕が参戦するWSBは世界でも非常に激しいレースなので、自分の性に合っていると思います。プレッシャーは全然ないですね。ライダーもファンも自分のことを知らないじゃないですか。ただ、行くからには成績を出してどんどん自分をアピールし、注目されるライダーになりたいですね。「世界に挑戦した日本人」では終わりたくないですから。またルーキーだからといって遠慮する気もありません。バトルでは相手を吹っ飛ばしてやりますよ。もちろんそれぐらいの気持で臨むということです(笑)。それから、テレビ中継もあるので、日本のファンの方にも応援してもらえるよう画面に映れるレースをしたいですね。


Q:フランスのチームについてはどうお考えですか?
やはりチームはレースをする上でもっとも大切であり、コミュニケーションも不可欠です。もちろん僕は英語もフランス語も堪能ではありませんから、レースよりもむしろ言葉の壁が不安です。だから今、英語とフランス語を必死で勉強中。でも本当に難しいですよね。
しかしMotoGPで活躍し海外経験が豊富な阿部さんがチームにいることは非常に心強い。スタッフとのコミュニケーションはもちろん、新しい環境への適応の仕方、レースに向けての気持の作り方などなど、阿部さんから多くのことを学びたいと思います。


Q:WSBを含め、今後の目標を教えてください。

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WSBでは、日本では気付かなかった発見がたくさんあると思います。これらを見過ごさないよう自分のものにしていけば、WSBでも結果を残せると思います。そうすれば自ずと、MotoGPへの道が開けてくると思うんです。今はWSBで結果を残すことが優先ですが、最終的には世界でもっとも速いGPマシンを駆り、世界中のモータースポーツファンが注目するなかで、世界最高のライダーたちと戦ってみたいですよ。そうなれるよう頑張りますので、これからも暖かく見守ってください。


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