スーパースポーツ世界選手権 「YZF-R9」がデビューイヤーにステファノ・マンジ選手とチャンピオンを獲得
ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。
2025年11月12日
2025年10月12日、スーパースポーツ世界選手権(WorldSSP)の第11戦エストリル大会(ポルトガル)で、ヤマハ発動機株式会社の新型スーパースポーツモデル「YZF-R9」が、「Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported Team」のステファノ・マンジ選手とともに、デビューイヤーでチャンピオンを獲得しました。
「YZF-R9」は、慣性トルクが少なく、燃焼室のみで生み出される燃焼トルクだけを効率良く引き出す設計思想「クロスプレーン・コンセプト」に基づき開発した水冷・4ストローク・DOHC・直列3気筒・888cm³エンジンを軽量アルミフレームに搭載した新型スーパースポーツモデルです。今シーズンからWorldSSPにデビューしました。
シーズンでは、当社の海外拠点「Yamaha Motor Europe N.V.」がサポートする3チームが「YZF-R9」を使用。マンジ選手をはじめ、若手実力者のカン・オンチュ選手、2024年のスーパースポーツ300世界選手権でチャンピオンとなったアルディ・スティア・マヒンドラ選手、2024年の全日本ロードレース選手権JSB1000でチャンピオンを獲得した岡本裕生選手らが「YZF-R9」でチャンピオンを目指し参戦しました。
「YZF-R9」は、開幕戦オーストラリア大会のレース1でマンジ選手とともにデビューウィン。その後は5レース連続で2位表彰台を獲得しているほか、この間にオンチュ選手が2勝をあげ、シーズン序盤からそのポテンシャルを発揮しました。さらにマンジ選手と「YZF-R9」は第4戦イタリア大会、第8戦ハンガリー大会、第9戦フランス大会で連勝するなど、ラウンドごとに着実にリードを広げ、第11戦エストリルのレース2でチャンピオンを決定しました。さらに最終戦を終え、マンジ選手が11勝、オンチュ選手が6勝と、「YZF-R9」は全24レース中17勝を獲得し、ヤマハ発動機はマニュファクチャラーズランキングでもタイトルを獲得しました。
近年WorldSSPのトップランカーとして活躍してきたマンジ選手は今年、11勝に加え2位7回、3位2回、合計20回の表彰台に立つ圧倒的なパフォーマンスを披露し、自身初となるWorldSSPでのチャンピオンを獲得。そして来シーズンは、「GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team」からスーパーバイク世界選手権に参戦することが決定しました。




ステファノ・マンジ選手
「今年チャンピオンを獲得できたことは、本当に最高の気分です。この気持ちを言葉で表現するのは難しいですが、努力の末、ついに目標を達成することができました。幼い頃バイクに乗りはじめて以来、まさにこの瞬間を夢に見ていたのです。またYZF-R9のデビューイヤーにチャンピオンを取れたことも特別なことです。通常、新型バイクを投入したその年にチャンピオンを取るのは難しいものです。しかも今年はライダーとメーカー両方のタイトルを獲得できました。これは信じられないほど素晴らしいことです。チームからのサポートは計り知れないほどのもので、サーキットの内外で私を支えてくれ、まるで家族のような存在でした。そんな彼らに、チャンピオンという形で恩返しができたことを嬉しく思います」
小野哲:MS統括 MS戦略部部長
「マンジ選手のチャンピオン獲得にまずは感謝しなければなりません。特に当社にとって非常に重要な製品であるYZF-R9のデビューイヤーでのチャンピオンを獲得は、そのポテンシャルを証明する意味でとても大きな価値ある勝利となりました。さらに若いオンチュ選手とマンジ選手が何度もバトルを繰り広げたように、マンジ選手の勝負所で見せる鬼気迫るライディングと、その結果、多くの勝利を重ねていった姿がヤマハライダーたちの刺激となったことも大きな収穫です。
そしてYZF-R9自体も、その高いポテンシャルによって若いライダーたちの成長を促し、次のステップに引き上げることができるバイクであることを証明しました。来シーズンもマンジ選手に続くライダーを輩出できるように、皆で力を合わせていきます。ぜひ、ご期待ください」
アンドレア・ドソーリ:ヤマハ・モーター・ヨーロッパ モータースポーツ部門 マネージャー
「マンジ選手はヤマハで3シーズンを過ごしてきました。その成長は目覚ましく、今年は世界チャンピオンにふさわしいライダーに成長しました。昨年はランキング2位に終わったものの今年は巻き返し、見事なパフォーマンスでタイトルを獲得しました。またYZF-R9はヤマハにとって重要なニューモデルです。今年はライダーチャンピオン、マニュファクチャラーズチャンピオン、Yamaha BLU CRU Evan Bros WorldSSP Supported Teamがチームタイトルを獲得して“三冠”を達成したように、これからも素晴らしい物語が待っていると思っています」
ニッコロ・カネパ:ヤマハモーターヨーロッパ ロードレース・スポーティング・マネージャー
「マンジ選手、世界チャンピオン獲得おめでとう。彼は素晴らしいシーズンを送り、開幕からチャンピオンにふさわしい走りを見せ、勝てる場面では勝利を、勝てない場面ではポイントを獲得に徹しました。また新型YZF-R9がデビューシーズンでチャンピオンを獲得したことは、ヤマハにとって非常に重要なことです。マンジ選手とチームの皆さんの素晴らしい戦いに心から敬意を表します。そして来シーズン、マンジ選手がYZF-R1とともにスーパーバイク世界選手権でどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです」