世界耐久選手権 Yamalube YART Yamaha EWC Official Teamが3回目となる世界チャンピオンを獲得
ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。
2025年10月15日

2025年9月20-21日、フランスのポール・リカール・サーキットにて、世界耐久選手権(EWC)第4戦ボルドール24時間耐久レースが行われ、「#7 Yamalube YART Yamaha EWC Official Team(YART)」のマービン・フリッツ選手、カレル・ハニカ選手、ジェイソン・オハロラン選手が「YZF-R1」ともに725周を走破して2位を獲得した結果、ランキングではライバルに1ポイント上回り、年間チャンピオンを獲得しました。YARTにとっては2009年、2023年に続く3回目のチャンピオン獲得となります。
2025年シーズンのYARTは柱としてチームを支えてきた、ニッコロ・カネパ氏が引退し、ヤマハ・モーター・ヨーロッパのロードレーシング・スポーティングマネージャーに就任、チームをサポートする立場になりました。そのカネパ氏に変わって、ブリティッシュスーパーバイクで活躍したオハロラン選手が加入。さらにマシンはウィングレットを採用した「YZF-R1」とし、チームとしても新たなスタートを切ったのです。
開幕戦、フランスでのル・マン24時間耐久レースでは、フリッツ選手がラップレコードを更新してポールポジションを獲得。決勝は悪天候により200回以上の転倒が発生する荒れたレースとなりYARTも数回の転倒を経験しましたが、残り1時間を切ったところでトップが転倒して逆転し優勝したのです。
続くベルギーでのスパ8時間耐久レースは、レース終盤、トップ走行中に転倒するも修復して復帰し、3番手との40秒差を逆転して2023年の第2戦から6戦連続となる表彰台を獲得。ランキングでも2位に対してリードを18ポイントに拡大しました。
そして昨年、初めて表彰台に立った第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレースでは、レース前半に転倒が続きリタイア。それでもランキングでは1ポイント差でトップを守ったのです。
迎えた最終戦、YARTは、YOSHIMURA SERT MOTULとBMW Motorrad World Endurance Teamとのチャンピオンをかけた三つ巴の戦いに挑みました。YARTは3番手からBMWを追い上げる状況となりましたが、残り30分、ライバルにアクシデントが発生し2番手に浮上すると、同時にランキングトップへ。最後はオハロラン選手が走り切って2位でチェッカーを受け、チーム3度目となるEWCのタイトルを獲得しました。またヤマハは2年連続でEWCのコンストラクターズタイトルに輝きました。




#7 Yamalube YART Yamaha EWC Official Team
マービン・フリッツ選手
「今の気持ちを言葉にすることはできません。2023年に続き2度目のタイトルを獲得して先日結婚した僕たち夫婦にとって素晴らしいウエディング・プレゼントになりました! ル・マンの優勝とスパでの表彰台のあと、いつもチャンピオンを夢見てきました。しかし鈴鹿ではリタイアしてしまい、20ポイントのアドバンテージの可能性を失ってしまいました。代わりにわずか1ポイントだけリードしてこのレースに臨みました。しかしチームが素晴らしい仕事をしてくれました。全員が100%の力を出し切ったのです。チームメイトをはじめチームのひとりひとりを誇りに思います。ヤマハ、ブリヂストン、そしてトロフィー獲得を支えてくれたすべての人に感謝しています」
カレル・ハニカ選手
「正直なところ、この喜びをまだ心からエンジョイできていません。まだ疲れてしまっているのです。夜の間に胃に激しい痛みがあり、今回は人生で最も苦しいレースでした。懸命に走り続けていましたが、どうしてもできなくなってしまったため、朝になってマービン(フリッツ)とジェイソン(オハロラン)が3時間以上を走行し、その間に休めたことがとても幸運でした。体調が回復し、終盤でまた走ることができました。チームの努力の素晴らしさを物語る出来事で、彼ら全員を誇りに思います。ライダーだけでなくマシンもチームも大幅な進化を証明し、将来に向けて励みにもなりました。2度目のタイトルは本当に素晴らしいものですが、これで終わりにはしたくありません。3度目、4度目を目指し、決して止まることはありません。ヤマハ、ブリヂストン、そしてもちろん、チームのひとりひとりに感謝します」
ジェイソン・オハロラン選手
「素晴らしい1年を過ごすことができました。ル・マンで優勝し、スパでは私の転倒でリードを失ったあと表彰台まで挽回しました。鈴鹿では問題を抱えてリタイアし、その結果のすべてが今回ここに集約されていたのです。ポールリカールを走るのは初めてでした。火曜日のプライベート・プラクティスで初めて走ったので、その後のことは予想がつきませんでした。それにもかかわらずサーキットをエンジョイし、24時間のレースを最後まであきらめずに走り切りました。ライバルたちがあのような形で離脱するのは見たくありません。BMWのレースは見事でしたし、彼らもここに立つにふさわしいチームでした。とにかく素晴らしいシーズンでした。チームメイト、ヤマハ、ブリヂストン、YARTに関わる全ての人に感謝します。チームの一員であることを誇りに思います」
マンディー・カインズ(チーム・マネジャー)
「私に何が言えるでしょう。これが耐久レースというものです。私たちは懸命に戦っていましたが、タイトルには手が届きそうもありませんでした。でも最後にそれが実現したのです。素晴らしい結末でした。チームのみんなを誇りに思います。ライバルのペースに届いてはいませんでしたが、決してあきらめませんでした。ライダー全員、そしてメカニックの数人が体調を崩してしましたが、それでも私たちは戦い続けました。正直なところまだ実感がわいていないのですが私たちは確かに3度目のタイトルを獲得したのです! ヤマハ、ブリヂストン、スポンサーの皆さま、チームメンバーのひとりひとりに感謝の気持ちを伝えたいです。私たちは成し遂げたのです。BMWチームは本当に素晴らしく、このような形でタイトルを逃すべきチームではありません。誰もが多くのバッドラックを経験していますが、なかでも今日のことは特別でした。シーズンを通して長い戦いを続けてきた彼らに、心から祝福を送りたいと思います」