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Yamaha BLU CRU Master Camp終了 世界中から集まった10名がクアルタラロ選手らに学び、モチベーションを向上

ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。

2025年9月24日

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 ヤマハ発動機株式会社は、2025年8月27〜31日までの5日間、世界トップカテゴリーで活躍できるライダーの育成を目的とする「Yamaha BLU CRU Master Camp」を、スペイン・バレンシアのアスパル・サーキットで開催しました。今回は当社のグローバルな若手育成プログラムの中で好成績を収めた、女性1名を含む15〜18歳までの10名のライダーが参加。MotoGP世界選手権(MotoGP)やスーパーバイク世界選手権(WorldSBK)で活躍するヤマハのトップライダーたちをコーチに迎え、一生に一度の思い出となるトレーニング・プログラムに臨みました。

 MotoGPやWorldSBKでの活躍を目指すヤングライダーをサポートするため、当社と各国のグループ会社が連携し、国内選手権での育成プログラム、アジア大洋州と南米それぞれでの「YZF-R3」によるワンメイクレース「Yamaha R3 BLU CRU Asia-Pacific / Latin America Championship」、WorldSBKに併催される「FIM R3 BLU CRU World Cup」などの活動を展開しています。
 さらに今シーズンからMotoGPでは、2つ目のファクトリーチームとなる「Prima Pramac Yamaha MotoGP Team」を発足。Moto2ではファクトリーライダーを要する「BLU CRU Pramac Yamaha Moto2 Team」を、スーパースポーツ世界選手権(WorldSSP)では「Yamaha BLU CRU Evan Bros WorldSSP Supported Team」を発足するなど、世界の頂点へと続くステップアップ構造を整備しました。
 そして「Yamaha BLU CRU Master Camp」は、このステップアップ構造の一環としてプロライダーを目指し切磋琢磨する若いライダーたちの挑戦を支援するプログラムとして、2016年からスタートした活動です。

 今回参加したのは、Alessandro Di Persio選手(イタリア)、Christopher Clark選手(アメリカ)、Mario Salles選手(ブラジル)、Arai Agaska選手(インドネシア)、岡田陽大選手(日本)、Valentino Knezovic選手(オーストラリア)、Thanakit Pratumtong選手(タイ)、Leonardo Marques選手(ブラジル)、竹本倫太郎選手(日本)、Natalia Rivera選手(スペイン)という10名の若手ライダーです。

 この10名にアドバイスを送り、指導したのは「Monster Energy Yamaha MotoGP」のファビオ・クアルタラロ選手、アレックス・リンス選手、「Prima Pramac Yamaha MotoGP」のジャック・ミラー選手、ミゲール・オリベイラ選手という4名のMotoGPライダーをはじめ、WorldSBKに参戦する「Pata Maxus Yamaha WorldSBK Official Team」のアンドレア・ロカテッリ選手、ジョナサン・レイ選手、「GYTR GRT Yamaha WorldSBK」のレミー・ガードナー選手、Moto2に参戦する「BLU CRU Pramac Yamaha Moto2」のイサン・ゲバラ選手、トニー・アルボリーノ選手、2024年にスーパースポーツ300世界選手権でチャンピオンを獲得し今年からWorldSSPに参戦中と、ヤマハの育成プログラムでステップアップしてきたライダーの代表格として挑戦を続ける「Yamaha BLU CRU Evan Bros WorldSSP Supported Team」のアルディ・スティア・マヒンドラ選手というトップライダー、そしてさまざま分野で最高レベルのコーチ陣がこれに加わり、サーキットやフラットトラックなどをフィールドに厳しいトレーニングに励みました。

 また、参加ライダーたちは厳しい世界に生きるプロフェッショナルライダーたちとの交流を通じ、多くの思い出とともに、ライディングスキルの向上やプロフェッショナルライダーになるというモチベーションをさらに高めました。

デイリーレポート

8月26日:参加者がバレンシアに到着、プレゼンテーションに参加
 「Yamaha BLU CRU Master Camp」の開幕に先立ってプレゼンテーションを開催。オリベイラ選手やガードナー選手らも参加。本活動が目指す姿を全員で共有し、開幕に向けて準備を整えました。



8月27日:Master Campが開幕、レイ選手とガードナー選手が全力指導
 Master Camp初日は、レイ選手とガードナー選手が合流。参加ライダーたちは、午前中はテクニカルライディングセッション、午後にはフラットトラックをフィールドに、レイ選手、ガードナー選手と走行。二人の世界チャンピオンからアドバイスをもらいながら、オーバーテイクなどのライディングスキルを徹底して磨きました。



8月28日:リンス選手らとウェーブランナーを経験
 2日目の午前中はレイ選手にマヒンドラ選手が加わり、フラットトラックで汗を流しました。午後にはリンス選手とともにバレンシア・マリーナでウェーブランナー(水上オートバイ)に挑戦。ライダーたちにとっては、サーキットを離れ普段とは異なるフィールドで、新しい経験として視野を広げる絶好の機会となったのです。



8月29日:ミラー選手、マヒンドラ選手がR7でライダーたちをプッシュ
 3日目はマヒンドラ選手に加え、ミラー選手が合流しました。この日は、全長2.2kmのアスパル・サーキットのメイントラックを使った「YZF-R7」によるライディングセッションを実施。各セッションではミラー選手とマヒンドラ選手もともに走行し、参加ライダーを指導し、アドバイスを提供。これに加え、改善点を特定するためのテクニカルブリーフィングを実施し、参加ライダー全員が大きな進歩を見せました。



8月30日:クアルタラロ選手とロカテッリ選手が合流
 後半戦となる4日目、少しずつ疲労も蓄積されてくるタイミングですが、ライダーたちはさらにモチベーションを高めて取り組みました。この日はクアルタラロ選手を筆頭に、ロカテッリ選手、アルボリーノ選手とゲバラ選手という4名のトップライダーが合流。午前中は、クアルタラロ選手らが加わって、ライディングテクニックやバイクコントロールなどにフォーカスしたトレーニングを展開。その一方で午後には、ライダーとコーチ全員でゴーカートを使ってレースを行い、この日を締めくくりました。



8月31日:最終日まで全力でプッシュ、成長を感じつつキャンプを終了
 最終日、10名のライダーは、クアルタラロ選手、ロカテッリ選手、アルボリーノ選手、「Monster Energy Yamaha MotoGP」でライダーパフォーマンスアナリストを務めるジュリアン・シモン氏とともに、「YZF-R7」によるセッションに参加しました。この日は数回のプラクティスセッションを実施、3名のトップライダーも加わり、そのライディングを目の前で披露することで刺激を与えます。さらにバイクを降りた後も、シモン氏とともにさまざまな知識を提供し、ライダーの進化をサポートしました。プラクティスの後は、総仕上げとして1名ずつコースに出てアタックするスーパーポールセッションを実施。ここまで学んだことを活かして全員が先の走行からタイムを縮め成長を示し、「Yamaha BLU CRU Master Camp」を締め括りました。



ファビオ・クアルタラロ選手(Monster Energy Yamaha MotoGP)
「この2日間は本当に楽しかったです。本当に素晴らしいイベントで、参加できたことを嬉しく思います。若いライダーたちに、国内選手権からWorldSBKやMotoGPに進むチャンスを提供し、そのあらゆるステップでサポートを提供するのはとても素晴らしいことです。私がもっと若い頃にこんなプログラムがあればよかったのにと思います。参加ライダーたちには、その能力だけでなく、学ぶ意欲にも感銘を受けました。今日だけでも、彼らの成長がはっきりと見て取れました。いつか、MotoGPで彼らと戦える日が来ると信じています!」



ニッコロ・カネパ(ヤマハモーターヨーロッパ・ロードレーシング・スポーティングマネージャー)
「素晴らしい5日間となりました。10名のライダーに、さまざまな分野における最高峰のコーチ陣と、MotoGP、Moto2、WorldSBKでヤマハを代表するライダーたちから学ぶ機会を提供することが目的でした。全員が輝き、1週間を通して目覚ましい成長を見せてくれました。Yamaha BLU CRU Master Campは、彼らがさらに速く走るためだけでなく、プロフェッショナルになるための準備でもあります。厳しい1週間であり、楽しい1週間でした。彼らはバレンシアを去る頃には、到着時よりもはるかに強いライダーになったと思います。この5日間、多大な努力をしてくれた素晴らしいコーチ、経験と知識を共有するために参加してくれたヤマハライダーたちをはじめ、サポートしてくれたすべての方に感謝します。すでに来年のYamaha BLU CRU Master Campの計画も進めていますので、楽しみにしていてください」



小野哲(MS統括部 MS戦略部長)
「今回は当社や世界中のグループ会社が実施するモータースポーツ活動を通じ優秀な成績を収めたヤングライダー10名が参加しました。すでに世界を意識しているからだと思いますが、彼らの取り組む姿勢は素晴らしく、多くのスキルを吸収しただけでなく、トップライダーになるために必要な考え方、取り組み方を貪欲に学び、同時にチャレンジし続けるという決意をみせてくれました。彼らはこれからさまざまな道を歩むと思いますが、この機会が彼らの今後に良い影響をもたらすことを願っていますし、その未来が楽しみでなりません。
そして今回は豊かな経験を持つコーチ陣に加え、さまざまなカテゴリーで活躍するヤマハトップライダーたちが参加したことに大きな意味がありました。ライダーそれそれがさまざまなスキルを持ち、いろんな考えを持っていること。ヤマハの中でも多くの選択肢があること、活躍できる場所があることなど、未来を見る視野を広げることにもつながったと思います。だからこそ、今後もMaster Campに限らず、世界中の若いヤマハライダーたちがモータースポーツに邁進できる環境作りに努めていきたいと思います」

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