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MotoGP世界選手権 公式セパンテスト テストチームを含め6名のライダーがデータを収集・共有、開幕に向けパフォーマンスUP

ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。

2025年2月10日

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2月5日(1日目)
Monster Energy Yamaha MotoGP、クアルタラロ選手がトップタイム

 マレーシアはセパン・インターナショナル・サーキットで2月5日、シェイクダウン・テストに続いて今季初となるオフィシャル・テストがスタート。Monster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロ選手とアレックス・リンス選手は、同サーキットでシェイクダウン・テストに参加していたこともあり、すぐさま作業にとりかかり、それぞれ54ラップと41ラップを走行。さまざまなパーツの評価やデータ収集を行うなかで、クアルタラロ選手がトップ、リンス選手が14番手と上々の滑り出しを見せました。

 2025年シーズンに並々ならぬ意欲を燃やすクアルタラロ選手は、テスト開始からわずか20ラップで1分58秒台の壁を破り1分57秒754を記録してトップに浮上。このタイムで8時間にわたるセッションの終盤までトップをキープしたまま、順調に全54ラップを走り切りました。その50ラップ目ではタイムを1分57秒555へと更新しており、2番手に0.051秒差をつけました。

 一方のリンス選手はシェイクダウン・テストで確かな手ごたえを感じており、この日も自信を持って走行に臨みました。気温が高く、風が強い過酷なコンディションのなか、さまざまなパーツの比較を行いながら合計41ラップを順調に走破。26ラップ目で1分58秒652のベストタイムを記録し、クアルタラロ選手から1.097秒差の14番手で初日を終えています。



Prima Pramac Yamaha MotoGPのミラー選手とオリベイラ選手がデビュー

 今シーズンからMotoGPに参戦する新生チーム、Prima Pramac Yamaha MotoGPがオフィシャル・セパン・テストでキックオフ。ジャック・ミラー選手とミゲール・オリベイラ選手が2025年型「YZR-M1」で待望のデビューを果たし、初日からともにトップ10に入る好調ぶりを見せ、2025シーズンを順調にスタートしました。

 ミラー選手とオリベイラ選手は、最優先の目標としてすぐさま結果を求めることより新しいマシンの特性を理解することに重点を置いてテストをスタート。にもかかわらず早々に好タイムを記録し、後半はデータ収集に集中的に取り組みました。

 走行を重ねるなかでライディング・スタイルを継続的に修正しながら初期セッティングを調整し、最終的にミラー選手が8番手、オリベイラ選手が10番手と好順位につけました。この日はクアルタラロ選手が同スペックの「YZR-M1」でトップタイムを記録しており、Prima Pramac の二人もモチベーションを高くさらに新しいマシンへの自信を深めていくことを目指します。

セパンテスト1日目(2月5日)結果
順位 ライダー チーム マシン ギャップ
1 F・クアルタラロ Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 1’57.555
2 M・マルケス Ducati Lenovo Team Ducati 0.051
3 A・マルケス Gresini Racing MotoGP Ducati 0.183
4 F・アルデグエル Gresini Racing MotoGP Ducati 0.480
5 F・モルビデリ Pertamina Enduro VR46 Racing Team Ducati 0.559
6 J・ミル Honda HRC Castrol Honda 0.560
8 J・ミラー Prima Pramac Yamaha MotoGP Yamaha 0.743
10 M・オリベイラ Prima Pramac Yamaha MotoGP Yamaha 0.816
14 A・リンス Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 1.097


2月6日(2日目)
Monster Energy Yamaha MotoGP、順調にテスト・プログラムを継続

 Monster Energy Yamaha MotoGPのクアルタラロ選手とリンス選手はテスト2日目を迎え、8時間にわたるセッションに臨みました。シーズン開幕前のテスト・プログラムに沿ってさまざまなアイテムを試し、それぞれ2番手と13番手のタイムを記録。2日間の総合で2番手と14番手につけました。

 クアルタラロ選手は前日に続き好調をキープ。セッション開始からわずか6ラップ目で1分57秒324を記録してトップに立つと、その後は課題に集中的に取り組みました。午後は小雨が降り、作業が計画通りに進まない時間帯もありましたが、コンディションが回復したあとの時間を最大限有効に使い、合計47ラップを走破。午前中の記録がこの日のベストタイムとなり、トップから0.114秒差の2番手でした。

 一方のリンス選手はデータ収集とニューパーツの評価・分析に注力してテストを実施。午後の天候変化により当初の予定より休憩時間が長くなりましたが、路面が急速に乾き、残り2時間を最後の瞬間まで積極的に走行を継続しました。その結果、周回数は合計60ラップにのぼり、ベストは23ラップ目に記録した1分58秒275でトップから1.065秒差の13番手となりました。



Prima Pramac Yamaha MotoGP、2日目も好調をキープ

 Prima Pramac Yamaha MotoGPのオリベイラ選手とミラー選手はセッション序盤から好調な走りを披露。オリベイラ選手が走行開始早々に記録した1分57秒971で8番手、ミラー選手は1分58秒005で10番手につけました。

 二人はYZR-M1のセッティング作業を継続し、さまざまなシャシーや電子制御システムを試しながらマシンの乗りやすさを追求。さらにミラー選手は午前中に「スプリント」のシミュレーション、オリベイラ選手は午後に「決勝距離」のシミュレーションをそれぞれ実施(午後の雨によりオリベイラ選手の走行は2回に分けられました)。これによりタイヤの消耗やマシンの全体的な挙動などについての情報も確保できたことから、今後はその分析も行っていきます。

セパンテスト2日目(2月6日)結果
順位 ライダー チーム マシン ギャップ
1 F・モルビデリ Pertamina Enduro VR46 Racing Team Ducati 1’57.210
2 F・クアルタラロ Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 0.114
3 A・マルケス Gresini Racing MotoGP Ducati 0.130
4 F・アルデグエル Gresini Racing MotoGP Ducati 0.335
5 F・バニャイア Ducati Lenovo Team Ducati 0.442
6 J・ミル Honda HRC Castrol Honda 0.581
8 M・オリベイラ Prima Pramac Yamaha MotoGP Yamaha 0.761
10 J・ミラー Prima Pramac Yamaha MotoGP Yamaha 0.795
13 A・リンス Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 1.065


2月7日(3日目)
Monster Energy Yamaha MotoGP、好調のうちにテスト終了

 Monster Energy Yamaha MotoGPは2月7日、セパン・インターナショナル・サーキットで3日間にわたり行われた2025年シーズン最初のオフィシャル・テストを好調のうちに終了しました。クアルタラロ選手とリンス選手はそれぞれ3番手と10番手のタイムを記録し、3日間の総合でも同順位となっています。

 クアルタラロ選手は最終日もテスト・プログラムを順調にこなし、合計58ラップを走破する中でニューアイテムの最終評価を行いました。開始早々に1分57秒台の壁を破り、10ラップ目に1分56秒724で3番手。またこれが3日間を通してのベストタイムとなり総合成績でも3番手(昨年は総合11番手)となりました。トップとの差は0.231秒でした。

 リンス選手もまた多くのテスト項目について判断を下し、さまざまなセッティング・オプションも試しました。最大の目標はいつもと同様、できるだけ多くのデータを収集してシーズン開幕に備えることでしたが、この日はマシンに良い感触をつかむとタイムアタックも実施。この結果、全53ラップ中25ラップ目に自己ベストとなる1分57秒351を記録し、トップから0.858秒差の10番手、総合でも10番手(昨年は総合16番手)につけました。

 チームはこのあとタイのブリラムに位置するチャーン・インターナショナル・サーキットへ移動し、2月12日~13日に開幕前最後の公式テストに臨みます。2025年シーズン初戦は2月28日~3月2日、同サーキットで開催されます。



Monster Energy Yamaha MotoGP、好調のうちにテスト終了

 Prima Pramac Yamaha MotoGPのミラー選手とオリベイラ選手が「YZR-M1」との好相性を見せ、3日間のテストは着実に前進しました。同時にチームは、ヤマハとの新しいパートナーシップに確信を深め、次回ブリラム・テストに向けて準備を進めています。

 シェイクダウン・テストを含めセパン・インターナショナル・サーキットで5日間にわたったテストのなかでチームは、2025年型「YZR-M1」に慣れることや日本のエンジニアたちとの連携を重視。ミラー選手とオリベイラ選手は新しい環境に素早く適応しました。

 比較的気温が低い午前中は、本来はタイムアタックに最も適した時間帯であり、マシンの限界を知ることにも有効になりますが、チームはこの日もミスをおかさずリスクを抑えながらニューアイテムのテストを継続しました。その結果、ミラー選手とオリベイラ選手はそれぞれ12番手と17番手につけ、正午ごろにテストを切り上げました。総合成績もミラー選手は12番手、オリベイラ選手は17番手でした。

 シーズン初の公式テストは成功裏に終了し、Pramac Racingとヤマハのスタッフ、ライダーたちの間に強い信頼関係が築かれました。またヤマハが導入した新しいアイテムを評価し、マシン開発やセッティングの方向性を決定するための重要な機会となりました。

 チームはこのあとタイへ移動し、9日にバンコクで行われるMotoGP公式プレゼンテーションに参加。続いて2月12日~13日にはチャーン・インターナショナル・サーキットで2回目の公式テストに臨みます。

セパンテスト3日目(2月7日)結果
順位 ライダー チーム マシン ギャップ
1 A・マルケス Gresini Racing MotoGP Ducati 1'56.493
2 F・バニャイア Ducati Lenovo Team Ducati 0.007
3 F・クアルタラロ Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 0.231
4 F・モルビデリ Pertamina Enduro VR46 Racing Team Ducati 0.455
5 M・マルケス Ducati Lenovo Team Ducati 0.549
6 P・アコスタ Red Bull KTM Factory Racing KTM 0.682
10 A・リンス Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 0.858
12 J・ミラー Prima Pramac Yamaha MotoGP Yamaha 0.959
17 M・オリベイラ Prima Pramac Yamaha MotoGP Yamaha 1.467


Monster Energy Yamaha MotoGP


ファビオ・クアルタラロ選手談(総合3番手)

「とてもハッピーです! 1分56秒に到達したのは初めてなのでとてもうれしいですし、今日はチームにとっても素晴らしい一日になりました。コンディションが良かったことも幸運でした。次のブリラムでも同様のフィーリングが得られるよう期待しています。オフシーズンにはロードバイクだけでなく、いろいろなトレーニングに励みました。1ラップの速さを追求して良い結果につながったと思いますが、マシンの進化も後押ししてくれました。今回のテストのために設定した目標は、ポジティブ過ぎずネガティブ過ぎずというものでした。しかしたった1回のテストで判断はできません。本当の状態はタイGPウイークの金曜日の午後と予選セッションのなかで明らかになるでしょう」

アレックス・リンス選手談(総合10番手)

「フィーリングは非常に良かったです。シェイクダウン・テストを含め5日間にわたりこのコースを走行し、多くのアイテム、多くのことを試してとても良い感触を持ちました。この3日間は誰もが10時~11時にソフト・タイヤを履いてタイムアタックを行いました。私たちも予定はしていたのですが、それを少し遅らせることにしました。セッティング調整のなかでのニューアイテムのテストに集中したかったからです。そしてそれが実を結びました。10時~11時にユーズド・タイヤで走行し、さまざまなものを試しました。良いフィーリングをつかんでから新品タイヤに履き替え、昨年の予選中の自己ベスト1分57秒7を上回る1分57秒3を記録することができたのです。完璧なコンディションだったわけではないので、本当にうれしいです。今回のテストにはとても満足しています。このマシンをブリラムへ持ち込み、比較してみたいと思っています」

マイオ・メレガリ(チーム・ディレクター)

「シェイクダウンからオフィシャル・テストまでとても順調でした。昨年の冬季テストやGPと比べても、進化がラップタイムに現れています。6名のライダーのデータを比較することができたのは本当に久しぶりで、このことが早くも、全体的なパフォーマンスに良い影響を及ぼしたと感じています。ここまでドラスティックな変更を行うのでなく、少しずつ進化を積み重ねてきました。2024年のテストの継続として自然な形でアップデートを続けてきたのです。二つのファクトリーチームの共同作業は順調にスタートしたと考えています。しかし全体的なレベルについて最終判断を下すにはまだ早過ぎます。本当のポテンシャルがわかるのは、全チームが同条件でスタートする次回のブリラム・テストが始まってからです」



Prima Pramac Yamaha MotoGP


ジャック・ミラー選手(総合12番手)

「数日間にわたり同じサーキットを走行したことで、マシンのフィーリングがより一層、向上しました。初めから好調ではあったのですが、さまざまなセッティングを試し、マシンの反応を知り、どのように変化するかなどを理解する絶好の機会になりました。その意味でもシェイクダウンはとても有効で、感触をつかむと同時に多くのことを試すことができました。午前中の比較的涼しい時間帯に試したいことがたくさんあり、時間が足りなくなってしまいました。2度目のアタックでは、第4コーナーで限界を探っているときにフロントを滑らせてしまいました。少し熱くなり過ぎていたこともわかっています。それでも全体的には満足していますし、マシンにはまだ伸びしろがあり、その方向性もはっきり見えています。いずれにしろ、この段階で1分57秒が出たことはとてもうれしいです。ブリラムはまったくタイプの異なるコースなので、マシンがどのような反応を示すか楽しみです」

ミゲール・オリベイラ選手(総合17番手)

「シーズン初テストは非常に好調でした。多くの情報と経験と良い感触を持ってセパンを離れることができます。テスト終了までに達成したいと思っていたタイムに届かなかったことは少し残念です。しかしすぐまた次のテストがあるので、二つのサーキットでの作業を統合することができるでしょう。ここまでに積み上げたベース・セッティングが他のコースでもうまく機能することを期待しています。4名のライダーの間でデータをシェアできるのは素晴らしいことだと思います。ファビオは別次元であり、今後、私たちに何が必要かを教えてくれています」

ジーノ・ボルゾイ(チーム・ディレクター)

「テストへのアプローチは非常にシンプルでした。何も期待せず、白紙から始めました。しかし5日間のハードワークを終えた今、私は非常に満足しています。ヤマハの多大な努力、Pramac Racingとヤマハ両組織の団結、ライダーたちのYZR-M1に関するフィードバックなどには素晴らしい印象を持ちました。まだ仕事はたくさん残っていますが、このような形でスタートできたことが励みになり、トップへの復帰という大きな目標に向かってさらに意欲が高まりました。ヤマハは、もう一度勝ちたいという望みを持ち、私たちもそれは同様です。この数日間は、技術的な観点で方向性を理解するのに非常に役に立ちました。我々チームとMonster Energy Yamahaは絶えず交流しています。二つのチームではありますが、一つのように感じ、ともに作業しています。このあと数日休んでからブリーラムへ向かいます。どんなパフォーマンスが見られるか非常に楽しみです」

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