Moto2世界選手権 BLU CRU Pramac Yamaha Moto2が、2025年シーズンに向け始動
ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。
2025年2月3日
美しくライトアップされた象徴的なツインタワーをバックに、2025年1月31日、Pramac Racingの新しいチャレンジが始まりました。2024年シーズンはホルヘ・マルティン選手を擁し、サテライト・チームとしては2001年以来となるMotoGPのライダー・タイトルを獲得したPrima Pramac Racingが、今年はヤマハ発動機株式会社と複数年契約を結び、コラボレーションの一環として新たに「BLU CRU Pramac Yamaha Moto2」を結成してMoto2世界選手権に参戦します。
チームの代表にパオロ・カンピノーティ、チーム・ディレクターにジーノ・ボルソイ、チーム・マネジャーにアレックス・デ・アンジェリスがそれぞれ就任し、豊富な経験でライダーたちを支えます。そのライダーにはトニー・アルボリーノ選手とイサン・ゲバラ選手を起用し、イタリアメーカーであるBoscoscuro(ボスコスクーロ)のマシンを走らせます。
チーム名には当社の人財育成プログラム「BLU CRU」を使用。この「BLU CRU」はオンロード、オフロード両カテゴリーで若く才能ある次世代のライダーを育成し、最終的にMotoGPやスーパーバイク世界選手権、モトクロス世界選手権などの最高峰へ送り出すことを目的としたプロジェクトで、ヤマハのステップ・アップの基盤となるものです。
アルボリーノ選手とゲバラ選手は「BLU CRU」の代表として、世界中の若いヤマハ・ライダーのお手本となる役割を持ち、同時にMotoGPライダーを目指します。
パオロ・カンピノーティ
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2チーム代表
「新たな冒険のスタートにとても興奮しています。Pramac Racingはヤマハ発動機と複数年契約を結び、第2のヤマハ・ファクトリー・チームとなっただけでなく、BLU CRU Pramac Yamaha Moto2を結成してMoto2に参戦することとなりました。Moto2参戦の可能性が見えてきたときからずっと、私は全面的にこのプロジェクトを支持してきました。若い才能を育成し、MotoGP進出を後押しするという素晴らしい仕事であり、同時にヤマハとの関係をより強固なものにしてくれるでしょう。
トニー・アルボリーノ選手とイサン・ゲバラ選手というグリッド上で最も才能ある二人のライダーを迎えるほか、我がチームからMotoEに参戦していたアレックス・デ・アンジェリスがチーム・マネジャーとして復帰、ジーノ・ボルソイがチーム・ディレクターに就任します。経験豊富なアレックス、スピードと才能を持つトニーとイサン、さらにはルカ・ボスコスクーロが2024年のMoto2チャンピオン・マシンを供給してくれることとなり、デビューイヤーではありますが、すぐにもトップ争いが可能になると信じています」
パオロ・パヴェジオ
Yamaha Motor Racingマネージング・ディレクター
「BLU CRU Pramac Yamaha Moto2は重要なプロジェクトです。この新チームはMotoGPパドックにおけるヤマハの存在感を高めるだけでなく、BLU CRUのコンセプトをヤマハのMotoGPプロジェクトに組み込み、MotoGPパドックに広く紹介するものとなるからです。
BLU CRUプログラムはヤマハのレース活動におけるステップアップの基礎を形作り、オンロード、オフロード両方の次世代を担う若いライダーたちのレース活動を後押しするものです。その道のりの最終目的地はMotoGP、スーパーバイク世界選手権、モトクロス世界選手権などの最高峰です。これは南米からアジア、欧州に至るまで、何百というヤマハ・ライダーに向けたステップアップ戦略です。私たちがMoto2に参戦を開始することにより、彼らもまた、自らの実力で最高峰を目指せることに気づくでしょう。
私たちはまた、この機会にBLU CRUのロゴを変更し、タイトル・スポンサーとしてマシンに施しました。若いライダーたちを一層、勇気づけ、プログラムを広く知ってもらうためのデザインとなっています。
プロジェクトの立ち上げに際し尽力してくれたパオロとジーノに感謝しています。そしてともに挑戦するアレックス・デ・アンジェリス、トニー・アルボリーノ選手、イサン・ゲバラ選手の活躍を祈っています」
ジーノ・ボルソイ
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2チーム・ディレクター
「アレックス・デ・アンジェリスとは長い付き合いです。私は以前、彼のチームメイトであり、2003年にはチーム・マネジャーでもあったのです。あの年、彼は125ccクラスのライダー・チャンピオンを最後まで争いました。そうした貴重な経験が二人の若いライダーを助け、チームの成長を支えてくれると信じています。私たちはヤマハと長期プロジェクトを立ち上げ、マシンにはBoscoscuroを採用して技術的なサポートを受けることになりました。Boscoscuroは昨シーズン、Moto2で優勝9回を含むライダー・チャンピオンを獲得するなど競争力の高さを証明しています。Boscoscuroとヤマハ、両者の力を借りて、新しいチャプターに挑みます」
アレックス・デ・アンジェリス
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2チーム・マネジャー
「ボルソイからの誘いは、まるで神様の贈り物のようでした。私は5年間にわたり自分の小さなチームを運営していたのですが、そのなかでチーム・マネジャーという仕事が大好きなのだと気づいていたからです。土曜日や日曜日でも時間を気にせず、やるべきことをすべて成し遂げたときにコンピューターを閉じる、そんな仕事をとても気に入っていたのです。人生において、好きな仕事ができることほど幸せなことはありません。
しかもそれを、かつて自分が在籍し、MotoEのキャリアを終えるまでお世話になったPramac Racingとともに、そしていつも私を気にかけてくれたパオロ・カンピノーティのもとでやれるのですから、私にとってはとても特別なことです。またジーノとの再会も喜びを倍増させてくれました。彼はかつてのチームメイトです。そして私の20年間のMotoGPキャリアのなかで最高のシーズン、125ccクラスでランキング2位を獲得した2003年には私のチーム・マネジャーだった人物なのです。このように素晴らしい人たちに恵まれ、これ以上は望めないほどの環境です。
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2は新しいチームですが、一日も早くトップを争うという大きな目標を持ってスタートしました。トニーとイサンは若いながらも経験豊富で、とても速いライダーです。加えて昨年チャンピオンを獲得した競争力の高いマシン、ヤマハの万全のサポート、経験豊富な技術者やメカニックも揃っています。若さと経験は最高のコンビネーションです。私にとっては本当に重要な年になるでしょう。ライダーとして長年の経験があり、世界選手権ではないとしても最後の数年間はチーム・マネジャーをしていたのですから、決して経験が浅いとか、勉強しなければならないなどとは言えません。私たちは今、自分たちの経験を結果につなげる段階を迎えているのです。意思や決意には、少しも欠けた部分はありません。チームが始動した瞬間から、高く重要な目標に向かって挑みます」
トニー・アルボリーノ選手
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2ライダー
「BLU CRU Pramac Yamaha Moto2 での冒険を選択したことで、私は快適な領域から抜け出すことになりました。以前のチームでは誰もが認めるリーダーであり、居心地がよく、みんなに愛されていました。そのままそこに留まることもできましたが、何かが欠けていると感じていました。マネジャーのアルバート・バレラからこの話を聞いたとき、私はすぐに、ヤマハのファクトリーライダーとして BLU CRU Pramac Yamaha Moto2 に加わることが正しい選択であり、自分の成長のために必要なことだと感じました。
パオロ・カンピノーティとヤマハが私を心から必要としていたと知り、とてもうれしく、特別な感情になりました。パオロはとても誠実でとても楽しい人物です。私たちの関係はとても自然な形で生まれ、育まれ、すべての物事を良い方向へ進めてくれています。
ジーノ・ボルソイには尊敬の気持ちを抱いています。初めはMoto2とMoto3、そして今はMotoGPのチーム・マネジャーとして活躍しています。その経歴が物語るように、私たちは常に素晴らしい関係を築いてきました。
アレックス・デ・アンジェリスをチーム・マネジャーとして迎えることによって、チームはさらに強力になるでしょう。私は彼のことをほとんど知りませんでしたが、最初に会った瞬間からとても好きになりました。彼が誠実な人物であり、物事を明確に話してくれる人だと感じたからです。元ライダーとして、彼は技術面・心理面の両方で私たちが何を必要としているかを熟知しています。
最後に、Boscoscuroのマシンも私のモチベーションになっています。ルカ・ボスコスクーロは以前から私を誘ってくれていましたが、ここ数年の自分自身の成長を考えたとき、彼のマシンに乗りたいと心から思いました。乗れば乗るほど楽しくなるバイクで、すぐに気に入りました。まだ生まれたばかりのチームですが、1年目からうまくやれると感じています。そして私の将来にとって、今シーズンは非常に大事な年になると思います」
イサン・ゲバラ選手
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2ライダー
「Pramac Racingとヤマハが協力して取り組む、刺激的でやりがいのある新しいプロジェクトに参加できることを、とてもうれしく思います。ヤマハのファクトリーライダーとしての参戦は非常に光栄なことです。また、かつて一緒に仕事をし、ともに成功をおさめた仲間たちや、新しい挑戦を力強く後押ししてくれるプロフェッショナルたちとの出会いも嬉しく思います。ジーノ・ボルソイは、2022年の世界チャンピオン獲得において、とても重要な役割を果たした人物です。彼とまた一緒に仕事ができるということで、モチベーションが上がっています。
アレックス・デ・アンジェリスの加入も心から歓迎しています。以前は非常に速いライダーだった彼が、これからはチーム・マネジャーになるわけですが、彼の視点とサポートが私たちには不可欠なものとなるでしょう。ヘレスでテストを行ったときに、彼や他のチームメンバーと良い関係を作ることができました。新しいプロジェクトですが、その1ラップ目から最高の結果を求めてベストを尽くそうと意気込んでいます。シーズン開幕戦のタイGPを心待ちにしています。目標ははっきりしています。それを達成するために全員で全力を注ぎます。勝利を狙う新しいシーズンの幕開けです」
ルカ・ボスコスクーロ
Boscoscuro CEO
「BLU CRU Pramac Yamaha Moto2とともに新しい挑戦を始めることをうれしく思います。私が強く信じているプロジェクトの始まりです。ともに挑戦することになりますが、皆の力を結集することで目標を達成できると確信しています。アルボリーノ選手とゲバラ選手は才能あふれるライダーで、私がずっと追い求めていた人財です。彼らが必ずやプロジェクトを成功に導いてくれるでしょう。チームの順調なスタートを祈っています」