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MotoGP世界選手権 Prima Pramac Yamaha MotoGP、クアラルンプールで新体制を発表

ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。

2025年2月3日

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 「Prima Pramac Yamaha MotoGP」が2025年1月31日、マレーシアの象徴的なツインタワーをのぞむWクアラルンプール・ホテルで開催された体制発表会に出席しました。Prima Pramac Racingは2025年シーズン、ホルヘ・マルティン選手を擁し、サテライト・チームとしては2001年以来となるチャンピオンを獲得。今シーズンはヤマハ発動機株式会社のセカンド・ファクトリー・チームとして特別なパートナーシップ契約を結び、MotoGP世界選手権ではジャック・ミラー選手とミゲール・オリベイラ選手とともに新たなプロジェクトをスタートします。

 チーム代表のパオロ・カンピノーティは、新プロジェクトのスタートに際し、ヤマハをできるだけ早く常勝メーカーへ復帰させるという目標を表明しました。2002年にMotoGPに初参戦し、今年で25年目を迎えるPrima Pramac はここ数年、トップチームのひとつとして活躍してきました。セカンド・ファクトリー・チームとしてヤマハに加わることで、成功の継続と今後のマシン開発に加わって技術的・戦略的なパートナーとしてのチャンスを得ることとなります。

 ジャック・ミラー選手は2018~2021年、Pramac Racingから参戦して計9回の表彰台を獲得しました。Pramac Racingはライダーとしても一人の人間としても成長した思い出の場所であり、チームへの加入はまさに故郷への復帰となります。その後、他メーカーを含む経験を積み30歳になったミラー選手は、「YZR-M1」の開発に不可欠な存在として評価されています。

 チームメイトのミゲール・オリベイラ選手も経験豊富なライダーの一人で、MotoGPで複数回の優勝を経験しています。ここ数年は怪我に苦しみましたが、本来の力を発揮するための新しい環境を手に入れました。

 チーム・マネジャーとしてチームの指揮を執るのはジーノ・ボルソイ。今年から新たに二人のクルーチーフを迎え、ミラー選手をジャコモ・グイドッティ、オリベイラ選手をルカ・フェラシオーリが支えます。チーム運営を支えるパートナーシップに変更はなく、イタリアの保険代理店Prima Assicurazioni社が引き続きタイトル・スポンサーとなります。レース界と保険業界とのコラボレーションは「革新と成功」という共通のビジョンを強調するものと言えます。

 マシンのカラーリングは刷新され、完全に新しいデザインに生まれ変わりました。Prima Assicurazioni社を象徴するパープルをフロントとサイドのカウルに配置し、ヤマハのブルーを配しました。また新しいスポンサーのロゴも加えられています。このチームカラーはガレージやピットウォール、レザースーツ、チームウエアなどにも採用されます。

 ベールを脱いだ2025年型 「YZR-M1」はミラー選手とオリベイラ選手により、セパンサーキットでのシェイクダウン・テスト、2月5~7日のセパン・テスト、12~13日のブリラム・テストを経て、3月2日の開幕戦、タイGPを待つばかりとなります。2025年シーズンは全22戦、計44レースで競われます。

 「Prima Pramac Yamaha MotoGP」はこの場をお借りし、チームとともに新たな冒険の旅へ出ることを選んだ多くのオフィシャル・スポンサーとオフィシャル・パートナーに感謝の意を表します。



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パオロ・カンピノーティ
Prima Pramac Yamaha MotoGPチーム代表

「ホルヘ・マルティン選手とともにMotoGPチャンピオンを獲得した栄光の日から数ヵ月が過ぎ、Prima Pramac Racingは今、新しいチャレンジに踏み出そうとしています。
2024年シーズン、私たちは非常にスリリングな戦いの末にモーターサイクル・レースの歴史に重要な一章を書き加えることができました。しかしながらシーズン終了と同時に長く素晴らしかった旅は終わりを迎え、20年に及んだパートナーシップに終止符を打つことになったのです。その意味では複雑かつ困難な年でもありました。あらゆる人や企業に、挑戦や刺激を求めて新たな道を選ぶ時がやって来ます。私たちにとっては今がまさにその時で、Prima Pramac Yamaha MotoGPの誕生とともに、ヤマハのセカンド・ファクトリー・チームとしての新たな挑戦が始まりました。
ヤマハのパートナーに選ばれたことは、ここ数年のハードワークが認められた結果です。ジュニアチームからスタートした私たちは、今では世界チャンピオンを賭けて戦い、勝ち獲ることができるまでに成長しました。4年連続でベスト・サテライトとなり、2023年はチーム・タイトル、2024年はライダー・タイトルを獲得し、実力とプロフェッショナリズムを証明することができました。これらの成功を通じてより高いポジションに立ち、2025年シーズンを迎えることになりました。
ジーノ・ボルソイをはじめとするチームリーダーたちからメカニックに至るまで、この新しい挑戦を選択してくれたすべての人に感謝の気持ちを伝えたいと思います。いくつかの自然な変化は別として、チーム全体がすぐさま新プロジェクトに賛同してくれました。しかしそれは決して、当たり前の結論というわけではなかったと思います。彼らの信頼により、一層、絆を深め、誇りを持ってさらなる偉業達成を目指す力をもたらしました。
また私たちの急速な成長を後押ししてくれたタイトル・スポンサーのPrima Assicurazioni社にも感謝いたします。彼らのサポートがPrima Pramac Racingの成功の鍵であったことは間違いなく、この素晴らしいパートナーシップが今後も続くことになります。
ヤマハはモーターサイクル・レースのトップに返り咲くという強い決意を表明しており、昨シーズン終盤には、それを裏付けるようにパフォーマンスの向上が見られました。努力を2倍にすることで、トップとの差をより速く縮めていくことができるでしょう。深く、そしてオープンなさまざまなレベルでのコラボレーションを構築し、共通のビジョンを掲げて進むことで、明るい未来が来ることを確信しています。
最後になりましたが、ジャック・ミラー選手のチーム復帰を歓迎します。ともに活動した3年の間に成長し成熟しただけでなく、強いチームスピリットを育む手助けをしてくれました。彼のこうした経験が、YZR-M1の開発に欠かせないものになると確信しています。また、ミゲール・オリベイラ選手も温かく迎えます。ここ数年は怪我もあり実力を発揮できずにいましたが、本来は聡明で才能にあふれ、とても速いライダーです。彼がチームカラーをまとって走る姿を楽しみにしています」



パオロ・パヴェジオ
Yamaha Motor Racingマネージング・ディレクター

「ヤマハのMotoGPでの復活を加速させるためには、ただのチームではなくベスト・チームが必要だと感じていました。それがPramac Racingだったのです。
パオロ・カンピノーティをはじめPramac Racingのスタッフたちと話し始めてすぐに、私たちには共通の価値観があることがわかりました。すなわち“チームワーク”、“チャレンジ・スピリット”、“モータースポーツへの情熱”です。これによって私たちは共通の目標を持ち、ライダーたちに最高のマシンを提供するためともに戦うことになったのです。
その意味でYamahaとPramac Racingは従来のチーム組織とは異なります。Pramac Racingはサテライト・チームではなく、共通の目標を達成するために互いに不可欠な“パートナー”なのです。彼らはヤマハがトップに返り咲くためのキー・プレーヤーとして貢献すべく、プロジェクトに関わるすべての人が完璧に調和しています。これがコース上で具現化され、結果を生み出す日が待ちきれません」



ジーノ・ボルソイ
Prima Pramac Yamaha MotoGPチーム・マネジャー

「Prima Pramac Racingとヤマハとのパートナーシップが正式なMotoGPチームとして実を結び、エキサイティングで挑戦しがいのあるプロジェクトとなりました。これにより私たちは、世界で最も有名で、最も成功しているメーカーと仕事ができることになったのです。ヤマハは2004年以降のMotoGPでライダー・タイトル8回、コンストラクターズ・タイトル5回、また500㏄クラスではライダー・タイトル10回、コンストラクターズ・タイトル9回のほか、小排気量クラスでも数多くの功績を残しており、その偉大さは際立っています。
近年の私たちの成績を考えても、ヤマハとのコラボレーションは戦略的な前進と言えます。ここ数週間、実際に一緒に仕事をするなかで、両者のパートナーシップがヤマハの頂点への復帰を力強く後押しできると自信を持ちました。
プロジェクトの1年目にはとくに、意識の転換が求められます。私たちの意識は、レースに勝つことから、できるだけ早くトップに返り咲くことを最優先とする開発およびコラボレーションへと移行しています。この目的のために、異なるバックグラウンドを持つ二人のライダーを選びました。情報やフィードバックの流れを最大にし、さまざまなライディング・スタイルに適応できるバランスの良いマシンを開発したいと考えています。
ジャック・ミラー選手は復帰となるため、すぐにチームに溶け込むことができるでしょう。一方のミゲール・オリベイラ選手はテクニカルでスタイリッシュな方法論を持ち込み、マシン開発の可能性を広げてくれるはずです。こうした多様性が目標達成に大いに役立ってくれるのです」



ジョージ・オーターハイカル
Prima Assicurazioni社CEO

「ヤマハをかつてのようなパフォーマンスレベルに復帰させるという目標は、大きな挑戦であり、素晴らしいチャンスです。Prima Assicurazioni社は、Prima Pramac Racingが新しいプロジェクトと方向性を受け入れてくれたことをうれしく思っています。この冒険を成功に導くことのできる、近年で最も素晴らしいチームと言えるでしょう。ヤマハは最も適切なリソースと人財を投入し、チームを支えてくれると確信しています。素晴らしい2025年シーズンを楽しみにしています」



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ジャック・ミラー選手
Prima Pramac Yamaha MotoGPライダー

「いよいよシーズンが開幕します。とてもワクワクしています。11月のバルセロナテストでは、ほんのちょっと触れる程度でしたが、これから本当の仕事が始まります。ヤマハのエンジニアたちが日本で仕事をしている間に何度も連絡を取り合い、たくさんの新しく面白いアイディア、そしてニューパーツを試していることを知りました。彼らはPrima Pramac Yamaha MotoGPの挑戦に強い思い入れを持っており、それは私も同様です。早くマシンに跨り、ハードワークに取り組み、開幕戦のタイGPに向けて正しい方向性を見つけたいと思っています。
数年ぶりにPramac Racingに戻ってきたこともうれしいことです。パオロ・カンピノーティとは非常に良い関係にあり、ジーノやそのほかのスタッフたちも皆、両手を広げて歓迎してくれました。ほとんどの人にとって新しいプロジェクトとなりますが、新しいチャレンジを馴染み深いメンバーとともに始められるのはありがたいことです。まるで家にいるようにリラックスして、以前と同じように良い時間を過ごせるよう期待しています」



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ミゲール・オリベイラ選手
Prima Pramac Yamaha MotoGPライダー

「新しいシーズンのスタートはいつも特別なもので、Prima Pramac Yamaha MotoGPでの新たなチャレンジに大いに意欲を燃やしています。昨年はライダー・タイトルを獲得し、献身的な取り組みやハードワーク、情熱などが違いを生み、究極の成功に導くものだということを完璧な形で証明しました。非常に競争力の高いこのチームがヤマハの全面的なサポートを受けることで、比較的短い時間で成功をおさめることができると信じていますし、新しいチャレンジがどう展開していくのか楽しみです。マレーシアとタイのマシンテストを待ちきれない気持ちでいっぱいです。私はシーズン開幕に向けて最大限の準備をするつもりです。素晴らしいチャンスをくれたパオロ・カンピノーティ、Pramac Racing、ヤマハに感謝し、全力をかけて挑むことを約束します。
過去2シーズンは身体的にも精神的にも苦しい時間でした。大きな怪我からの復活は難しく、安定性やリズムを取り戻すのに時間がかかります。チームクルーと強い絆をつくることも重要で、クルーチーフのルカ・フェラシオーリとは短時間のうちに良い相性を感じることができました。このハーモニーが新しいシーズンで最大限の成果を生むための重要な鍵となるでしょう」

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