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ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。
MotoGP世界選手権 セパン公式テスト
クアルタラロ選手とリンス選手が多くの貴重なデータを収集、タイムは総合11番手と16番手
2024年2月9日
2月6日(1日目)
テスト初日、Monster Energy Yamaha MotoGPが好調ぶりをアピール
テスト初日、Monster Energy Yamaha MotoGPが好調ぶりをアピール
2月1~3日のセパン・シェイクダウン・テスト、5日のチーム発表会を終えたMonster Energy Yamaha MotoGPは6日、セパン・インターナショナル・サーキットに戻りMotoGP公式テストに臨みました。8日まで3日間にわたり行われる同テストの初日。ファビオ・クアルタラロ選手とアレックス・リンス選手は、電子制御システムの評価やセッティング調整に取り組み、それぞれ3番手、11番手と好調なスタートを切りました。
2024年シーズンに力強いスタートを期すクアルタラロ選手は、“プラン”に沿って最初の作業に取り組んだ。初日は電子制御システムとセッティングの調整に専念したが、全46ラップを走行するなかで36ラップ目には1分58秒228を記録し、トップから0.277秒差の3番手につける好調ぶりを披露しました。
一方、今シーズンからチームに加わり、冬休みを脚のリハビリに費やしてきたリンス選手は、先のシェイクダウン・テストおよび、この日の公式テストでその成果を手にしました。高温の環境下で8時間に及ぶテストをこなし、クアルタラロ選手と同様の46ラップを走破。タイムアタックは行わなかったにもかかわらず、18ラップ目に記録した1分58秒716のベストタイムでトップから0.765秒差の11番手と好結果となりました。
順位 | ライダー | チーム | マシン | ギャップ |
---|---|---|---|---|
1 | J・マルティン | Prima Pramac Racing | Ducati | 1’57.951 |
2 | P・アコスタ | Red Bull GASGAS Tech3 | KTM | 0.269 |
3 | F・クアルタラロ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 0.277 |
4 | F・ディ・ギャナントニオ | Pertamina Enduro VR46 Racing Team | Ducati | 0.374 |
5 | E・バスティアニーニ | Ducati Lenovo Team | Ducati | 0.406 |
6 | M・ビニャーレス | Aprilia Racing | Aprilia | 0.519 |
11 | A・リンス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 0.765 |
セパン レコードラップ:A・マルケス 1分58秒979(2023年)
セパン ベストラップ:F・バニャイア 1分57秒491(2023年)
2月7日(2日目)
Monster Energy Yamaha MotoGP、テスト2日目はラップタイムを追求
Monster Energy Yamaha MotoGP、テスト2日目はラップタイムを追求
セパン・インターナショナル・サーキットでの公式テスト2日目に臨んだMonster Energy Yamaha MotoGPのクアルタラロ選手とリンス選手は、テストプログラムを継続してさまざまなセッティングを試し、ラップタイムではそれぞれ11番手と13番手で終えました。
クアルタラロ選手はさまざまなセッティングを試しながら前日より多い53ラップを走行。そのなかで2024年型YZR-M1のトップスピードは時速338.5キロに達しましたが、ラップタイムは7ラップ目の1分57秒888が最高で、前日の記録を上回ることができず1分57秒888。トップから0.754秒差の11番手と、今後はさらなるタイムの短縮を目指します。
チームメイトのリンス選手は前日に続き電子制御システムとセッティングに取り組みました。全50ラップを走行するなかで少しずつYZR-M1にも慣れ、49ラップ目には前日のタイムを0.606秒短縮する1分58秒110をマーク。トップとの差は0.976秒となり、13番手で2日目を終えました。
順位 | ライダー | チーム | マシン | ギャップ |
---|---|---|---|---|
1 | E・バスティアニーニ | Ducati Lenovo Team | Ducati | 1’57.134 |
2 | J・マルティン | Prima Pramac Racing | Ducati | 0.139 |
3 | B・ビンダー | Red Bull KTM Factory Racing | KTM | 0.193 |
4 | A・エスパルガロ | Aprilia Racing | Aprilia | 0.312 |
5 | F・バニャイア | Ducati Lenovo Team | Ducati | 0.335 |
6 | F・ディ・ギャナントニオ | Pertamina Enduro VR46 Racing Team | Ducati | 0.485 |
11 | F・クアルタラロ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 0.754 |
13 | A・リンス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 0.976 |
セパン レコードラップ:A・マルケス 1分58秒979(2023年)
セパン ベストラップ:F・バニャイア 1分57秒491(2023年)
2月8日(3日目)
Monster Energy Yamaha MotoGP、セパンテストを無事終了
Monster Energy Yamaha MotoGP、セパンテストを無事終了
Monster Energy Yamaha MotoGPのクアルタラロ選手とリンス選手は、セパン・インターナショナル・サーキットで3日間にわたり行われた公式テストを終了しました。さまざまなニューパーツをテストしてデータを収集し、最終日はラップタイムでそれぞれ11番手と15番手。3日間の総合成績では11番手と16番手となりました。
クアルタラロ選手は次回のテストおよび、今後のさらなる開発・改良に向けて明確な方向性を確立するため、ひたすら周回を重ねて合計56ラップを走行。最終的にはニューエンジンやエアロパーツ、ローンチコントロール・デバイスなどに手応えをつかみ、決勝用セッティングで好調なペースを披露しました。テスト最終日のベストタイムは12ラップ目に記録した1分57秒525。トップから0.843秒差で11番手につけ、3日間の総合でも11番手でした。
リンス選手もクアルタラロ選手と同様、シーズン開幕戦までにマシンの準備を整え、できるだけ多くのデータを収集することを目標に臨み、最終日のこの日は、用意されたさまざまなテスト項目について評価しました。タイムでは、全52ラップ中13ラップ目に1分57秒879を記録して15番手、3日間の総合ではトップから1.197秒差の16番手でした。
このあとチームはヨーロッパへ、エンジニアらは日本に戻りテストデータの分析を行います。そして2月19~20日にはカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで再び合流し、開幕前最後となる公式テストに臨みます。シーズン開幕戦は3月8~10日、同サーキットで行われます。
順位 | ライダー | チーム | マシン | ギャップ |
---|---|---|---|---|
1 | F・バニャイア | Ducati Lenovo Team | Ducati | 1’56.682 |
2 | J・マルティン | Prima Pramac Racing | Ducati | 0.172 |
3 | E・バスティアニーニ | Ducati Lenovo Team | Ducati | 0.233 |
4 | A・マルケス | Gresini Racing MotoGP | Ducati | 0.256 |
5 | A・エスパルガロ | Aprilia Racing | Aprilia | 0.409 |
6 | M・マルケス | Gresini Racing MotoGP | Ducati | 0.588 |
11 | F・クアルタラロ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 0.843 |
15 | A・リンス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1.197 |
セパン レコードラップ:A・マルケス 1分58秒979(2023年)
セパン ベストラップ:F・バニャイア 1分57秒491(2023年)
Monster Energy Yamaha MotoGP
ファビオ・クアルタラロ選手談(総合11番手)
「引き続きワンラップの速さを追求する必要があります。何とかもう一歩、前進したいと思っています。それが次回のテストからシーズン序盤戦にかけての課題になるでしょう。新型エンジンとエアロパーツは改良されていますが、電子制御グリップが十分ではありません。それでもこれから一歩ずつトップに近づき差を詰められると考えています。ペースについてはすでにかなり速くなってきているので、次の目標は予選でグリッド2列目、悪くとも3列目までを確保することです」
アレックス・リンス選手談(総合16番手)
「ここまでいいテストができたので非常に満足しています。でもブレーキングでやや手間取ったり、リアタイヤが浮き上がったりと課題も残っており、セットアップ作業は依然として続いています。このテストではテスト項目に集中していたため、セットアップにはあまり注意を払いませんでした。それでもここまでに多くのデータを収集し、いい仕事ができたことに手ごたえを感じています。今後もこの調子で作業に取り組み、改善し続けられるかどうかが鍵になるでしょう」
マッシモ・メレガリ、チーム・ディレクター談
「たくさんの重要なデータを収集することができました。今回、最も力を入れたのはエンジンとエアロパーツで、その他に新しいローンチコントロール・システムも導入しました。これらのアイテムはクラッチロー選手、クアルタラロ選手、リンス選手の全員が承認しています。これはとてもいいサインと言え、冬休み中の仕事が正しく行われたことを意味していると思います。トップとの間には依然として差がありますが、開幕までもう少し時間があるので、どんどん縮めていきます。一方で決勝用セッティングについては改善が見られ、速さが増しています。エアロパーツもコーナリングで効果が出ていますし、ローンチコントロール・システムによりウイリーが軽減され、加速力が上がっています。現時点で課題をひとつ挙げるとすれば、間違いなく予選です。それが次の目標です」