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ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。
MotoGP世界選手権 IRTA公式セパンテスト
クアルタラロとモルビデリが進化と課題を確認して終了
2023年2月13日
2月10日(1日目)
2023シーズンのセパンテストを大きな手応えとともにスタート
2023シーズンのセパンテストを大きな手応えとともにスタート
Monster Energy Yamaha MotoGPのフランコ・モルビデリとファビオ・クアルタラロは10日、マレーシアはセパン・サーキットで開催された公式IRTA MotoGPに参加し、YZR-M1で2023シーズンの初走行に臨みました。ふたりはすぐさま仕事に取り掛かり、最新パーツの評価を行いながら走行を続け、ラップタイムではそれぞれ10番手と11番手となりました。
2023シーズンに向けて意欲を燃やすモルビデリは、さまざまな最新アイテムのテストに熱心に取り組みました。ドライコンディションを最大限に活用し、3ヵ月ぶりの走行となった午前中のセッションで、すぐさまリズムを取り戻します。午後は初日のテストプランを順調に完了。最後の1時間はペースアップを目指してプッシュし、この日は合計59ラップを走行し、トップから0.648秒差の1分59秒118で10番手となりました。
同様にYZR-M1のライディングを熱望していたクアルタラロも、すぐさま仕事に取り掛かり2023シーズンをスタート。午前中のセッションではさまざまなタイヤオプションを試しながら走行の勘を取り戻し、午後は最新装備を評価しながら着実にテストプログラムをこなしました。高温の環境下で8時間にわたるテストを終えて合計58ラップを走破。ラップタイムでは1分59秒422を記録し、トップから0.952秒差の11番手で初日を終了しました。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ベッツェッキ | Mooney VR46 Racing Team | Ducati | 1'58.470 |
2 | M・ビニャーレス | Aprilia Racing | Aprilia | 1'58.600 |
3 | E・バスティアニーニ | Ducati Lenovo Team | Ducati | 1'58.732 |
4 | J・マルティン | Prima Pramac Racing | Ducati | 1'58.737 |
5 | F・バニャイア | Ducati Lenovo Team | Ducati | 1'58.857 |
6 | A・エスパルガロ | Aprilia Racing | Aprilia | 1'58.941 |
10 | M・モルビデリ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'59.118 |
11 | F・クアルタラロ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'59.422 |
セパン レコードラップ:V・ロッシ 1分59秒611(2019年)
セパン ベストラップ:J・マルティン 1分57秒790(2022年)
2月11日(2日目)
Monster Energy Yamaha MotoGP、ウエット・コンディションで好調な走り
Monster Energy Yamaha MotoGP、ウエット・コンディションで好調な走り
Monster Energy Yamaha MotoGPのクアルタラロとモルビデリはセパン・インターナショナル・サーキットでテスト2日目を迎えたが、午前、午後ともに雨に見舞われテスト・スケジュールを予定通りに進めることはできませんでした。そのなかでもふたりはコースに出てさまざまなテスト項目に取り組み、ラップタイムではそれぞれ4番手と11番手を獲得しました。
クアルタラロはここセパン・サーキットでより多く周回することを望んでいましたが、ウエットコンディションとなったこの日は我慢を強いられました。ベストタイムの1分58秒897は全34ラップ中8ラップ目に記録したもので、トップから0.161秒差の4番手。また1日目と2日目の総合ではトップから0.427秒差の8番手となっています。
チームメイトのモルビデリも予定していたテストプランをこなすことはできなかったものの、多くの周回数を走行しました。全44ラップ中8ラップ目に1分59秒289のベストタイムを記録し、同セッションでトップから0.553秒差の11番手。1日目の1分59秒118に届かず、1日目と2日目の総合ではトップから0.648秒差の14番手で2日目を終えました。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・マルティン | Prima Pramac Racing | Ducati | 1'58.736 |
2 | M・オリベイラ | RNF MotoGP Team | Aprilia | 1'58.839 |
3 | P・エスパルガロ | GASGAS Factory Racing Tech3 | GASGAS | 1'58.881 |
4 | F・クアルタラロ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'58.897 |
5 | F・バニャイア | Ducati Lenovo Team | Ducati | 1'59.067 |
6 | R・フェルナンデス | RNF MotoGP Team | Aprilia | 1'59.112 |
11 | F・モルビデリ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'59.289 |
セパン レコードラップ:V・ロッシ 1分59秒611(2019年)
セパン ベストラップ:J・マルティン 1分57秒790(2022年)
2月12日(3日目)
クアルタラロとモルビデリが3日間のテストを終え総合17位と20位を獲得
クアルタラロとモルビデリが3日間のテストを終え総合17位と20位を獲得
Monster Energy Yamaha MotoGPのクアルタラロとモルビデリは、IRTA公式セパンテストの最終日は、前日の雨による遅れを取り戻そうとハードワークに取り組みました。この結果、ふたりは最終的に、総合成績でそれぞれ17番手と20番手となりました。
クアルタラロはこの最終日、最大限のデータ収集を目指して出場ライダー中、最多となる全63ラップを走行。その48ラップ目に1分58秒943のベストタイムを記録し、トップから1.054秒差の19番手としました。3日間の総合では2日目に記録した1分58秒897で17位となっており、トップとの差は1.008秒でした。
チームメイトのモルビデリも同様に、エンジニアが新アイテムについての情報を獲得できるよう、テストプログラムをできるだけ多くこなすことに努めました。全44ラップ中、38ラップ目に記録した1分58秒986がベストタイムとなり、3日目および総合の両方でトップから1.097秒差の20番手となっています。
このあとチームはヨーロッパへ戻り、エンジニアたちは日本でテスト・データの分析に取り組むこととなります。Monster Energy Yamaha MotoGPチームは3月11~12日に再び集結し、開幕戦が行われるポルトガルのポルティマオで公式テストに臨みます。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | L・マリーニ | Mooney VR46 Racing Team | Ducati | 1’57.889 |
2 | F・バニャイア | Ducati Lenovo Team | Ducati | 1’57.969 |
3 | M・ビニャーレス | Aprilia Racing | Aprilia | 1’58.036 |
4 | E・バスティアニーニ | Ducati Lenovo Team | Ducati | 1’58.149 |
5 | J・マリティン | Prima Pramac Racing | Ducati | 1’58.204 |
6 | A・エスパルガロ | Aprilia Racing | Aprilia | 1’58.307 |
19 | F・クアルタラロ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’58.943 |
20 | M・モルビデリ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’58.986 |
セパン レコードラップ:V・ロッシ 1分59秒611(2019年)
セパン ベストラップ:J・マルティン 1分57秒790(2022年)
Monster Energy Yamaha MotoGP
ファビオ・クアルタラロ選手談(総合17位)
「トップスピードにはとても満足しています。私が長い間、求めてきたものです。テスト項目は非常に多かったのですが、これも希望していたことなので満足です。全体的にはユーズドタイヤでのペースが素晴らしかったので非常にハッピーですが、ニュータイヤのライディングは改善が必要です。タイムアタック中のフィーリングはあまり良くありませんでした。すべてのデータを見てから、次のポルティマオに向けた“再設定”の方法を考えようと思っています。大きく前進できるかどうか楽しみです」
フランコ・モルビデリ選手談(総合20位)
「最終日にようやく空力特性に関するオプションを試しました。これはどうしても必要な作業で、興味深い発見があったのでポルティマオでも確認したいと思います。その他にも、いくつかのことを繰り返しテストしました。そして最後にタイムアタックを行いましたが、あまり良い結果にはなりませんでした。このことについては、より深く追求しなければなりません。引き続き作業を行い、しっかり準備を整えてポルティマオに臨みます」
マッシモ・メレガリ、チーム・ディレクター談
「私たちにとって非常に重要なテストでした。この3日間のなかで分析・評価すべき項目が非常にたくさんあったのです。3日間を通じて何度も雨が降り、時間を無駄にしてしまったことが残念です。そのなかでもできるだけ多くの仕事をこなし大量のデータを収集することができました。しかしそれを短時間で評価するのは簡単ではありません。幸いなことに、今回のテスト中に評価が必要となる最も重要なアイテムについては決定することができました。それ以外の空力特性に関するものやシャシーなどのパーツについては、今回は決められず、ポルティマオでもう一度、試さなければならなくなりました。トップスピードの進化には満足しています。しかし残念ながら、すべてのテスト・プランを完了できたわけではありません。テスト項目は非常に多く、それに対してドライ・コンディションの時間が短かったため、すべての仕事を完了することはできませんでした。ここで分析しきれなかったデータについては、これから取り組み、開幕前最後となる非常に重要な3月のポルティマオ・テストに備えます」