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ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。
MotoGP世界選手権 カタールテスト 5日間の日程が終了、ビニャーレスとクアルタラロが総合2・3位を獲得
2021年3月15日
3月10日(3日目)
Monster Energy Yamaha MotoGPは進化を継続
Petronas Yamaha SRTのモルビデリとロッシは11・13番手
Monster Energy Yamaha MotoGPは進化を継続
Petronas Yamaha SRTのモルビデリとロッシは11・13番手
カタールMotoGP公式テストは2日間のインターバルをはさみ、10日から残り3日間のスケジュールがスタート。Monster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロとマーベリック・ビニャーレスはそれぞれ総合2番手と3番手を獲得し、前回から確かな進化を続けました。
クアルタラロは2日間の休養の間にエネルギーを充電しサーキットに戻ってきました。決勝用セッティングに取り組みながら合計62ラップを走行し、その55ラップ目で1分53秒263のベストラップを記録。これで一時トップに浮上した後、0.080秒差の2番手に後退して3日目のセッションを終了しました。
チームメイトのビニャーレスは序盤、新型「YZR-M1」と自らのライディングスタイルのマッチングを追求したほか、初戦に備えてスタート練習を繰り返しました。そのなかで第1コーナーでの転倒があったものの大きな影響はなく、終盤では短時間のタイムアタックを実施。全77ラップ中75ラップ目で1分53秒510のベストラップを記録し、トップに0.327秒差に迫る3番手となりました。
Petronas Yamaha Sepang Racing Teamのフランコ・モルビデリとバレンティーノ・ロッシは、カタール・テスト3日目を、それぞれ11番手と13番手で終了しました。
モルビデリは序盤で好タイムを記録したあと、主に新型フロントフォークとショックアブソーバーのセッティングに集中。合計55ラップでタイムアタックは行わず、1分54秒367のベストラップで11番手となりました。
一方のロッシは、引き続きシャシーの比較を行いながら「YZR-M1」の新型カウルのテストに取り組み、決勝用セッティングでは前の2日間の記録を更新するなど好調。合計56ラップを走行し、1分54秒618のベストラップで13番手となっています。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ミラー | Ducati Lenovo Team | Ducati | 1’53.183 |
2 | F・クアルタラロ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’53.263 |
3 | M・ビニャーレス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’53.510 |
4 | J・ザルコ | Pramac Racing | Ducati | 1’53.899 |
5 | P・エスパルガロ | Repsol Honda Team | Honda | 1’53.899 |
6 | A・エスパルガロ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1’53.971 |
11 | M・モルビデリ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 1’54.367 |
13 | V・ロッシ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 1’54.618 |
カタール レコードラップ:J・ロレンソ 1分54秒927(2016年)
カタール ベストラップ:M・ビニャーレス 1分53秒546(2019年)
3月11日(4日目)
ビニャーレスがトップ、モルビデリとクアルタラロが2・3番手
ロッシはトップ10に食い込む8番手に浮上
ビニャーレスがトップ、モルビデリとクアルタラロが2・3番手
ロッシはトップ10に食い込む8番手に浮上
Monster Energy Yamaha MotoGPのビニャーレスとクアルタラロは、ロサイル・インターナショナル・サーキットで行われたテスト4日目、トップと3番手を獲得して好調ぶりをアピールしました。
ビニャーレスはセッションのほとんどの時間を「YZR-M1」のセッティング作業に費やし、終盤でタイムアタックを行い、合計58ラップを走行して1分53秒244のベストタイムを記録。モルビデリを0.079秒上回りトップに浮上。4日間の総合順位でも2番手に上がり、トップに0.061秒差と迫りました。
チームメイトのクアルタラロはセッションを通してペースアップに集中しました。合計52ラップの最後の数ラップでタイムアタックを試み、48ラップ目で1分53秒398のベストタイムを記録。これで一時2番手に浮上した後、3番手に後退してセッションを終了しました。トップとの差は0.154秒。4日間の総合では3番手につけており、トップとの差は0.080秒となっています。
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのモルビデリとロッシはテスト4日目、大幅な進歩を見せてそれぞれ2番手と8番手を獲得しました。
モルビデリはこの日もセッション序盤からペースを上げてトップタイムをマーク。そのままセッティングを変更することなく全62ラップを走行し、終盤で1分53秒323のベストタイムを記録してトップに0.079秒差と迫る2番手を獲得しました。
一方のロッシはタイムアタックで好調をキープし、セッションの序盤、終盤ともにトップ5をキープ。セッティング作業では新型のフロントフェンダー、フロントフォーク、リアショックをテストし、初日から取り組んできたシャシーの比較において最終確認を行った。ベストは、合計52ラップを走行して1分53秒993を記録し、8番手で4日目を終了しています。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ビニャーレス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’53.244 |
2 | F・モルビデリ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 1’53.323 |
3 | F・クアルタラロ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’53.398 |
4 | F・バニャイア | Ducati Lenovo Team | Ducati | 1’53.444 |
5 | A・エスパルガロ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1’53.640 |
6 | J・ミル | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1’53.827 |
8 | V・ロッシ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 1’53.993 |
カタール レコードラップ:J・ロレンソ 1分54秒927(2016年)
カタール ベストラップ:M・ビニャーレス 1分53秒546(2019年)
3月12日(5日目)
カタールテスト最終日はコンディションの悪化により出走できず
総合ではヤマハ勢が2-4位を占め、好調のまま開幕へ挑む
カタールテスト最終日はコンディションの悪化により出走できず
総合ではヤマハ勢が2-4位を占め、好調のまま開幕へ挑む
Monster Energy Yamaha MotoGPの公式テスト最終日、砂ぼこりと風によりコース・コンディションが悪化。ビニャーレスとクアルタラロは予定していたテストプログラムを実施することができませんでした。そのためラップタイムは更新できず、セッションの終盤でスタート練習を数回行っただけでこの日の走行を終了しました。
ビニャーレスはテスト4日目に記録した1分53秒244でトップに0.061秒差に迫る総合2位。昨日までにほとんどの作業を終えており、間近に迫った2021シーズン開幕に自信を見せています。
チームメイトのクアルタラロはテスト3日目に記録した1分53秒263でビニャーレスに続く総合3位。トップとの差は0.080秒で、ビニャーレス同様、2週間後の開幕戦に向け、好調のままテストを終えました。
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのモルビデリとロッシは、嵐に見舞われ清掃のためコースが閉じられ、終盤になって再開されたものの、走行を取りやめました。これにより4日間の総合で、それぞれ4位と11位で、テストを終えることとなりました。
モルビデリはこの4日間を通じて速さをアピールし、ラップタイムでも常に上位につけていました。PETRONAS Yamaha SRTで3年目となる今シーズンを前に十分に勘を取り戻し、マシン開発とその評価に取り組みました。この結果、合計241ラップを走行し、総合結果は4日目に記録した1分53秒323で4位となりました。
一方、今シーズンからPETRONAS Yamaha SRTに加入し、カタール公式テストで初めて同チームのYZR-M1を走らせたロッシ。この4日間では、シャシー・オプションの比較や新型カウルの評価を行いながら、合計212ラップを走行し、4日目に1分53秒993のベストラップを記録して総合11位でした。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ミラー | Ducati Lenovo Team | Ducati | 1’53.183 |
2 | M・ビニャーレス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’53.244 |
3 | F・クアルタラロ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’53.263 |
4 | F・モルビデリ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 1’53.323 |
5 | F・バニャイア | Ducati Lenovo Team | Ducati | 1’53.444 |
6 | A・エスパルガロ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1’53.640 |
11 | V・ロッシ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 1’53.993 |
カタール レコードラップ:J・ロレンソ 1分54秒927(2016年)
カタール ベストラップ:M・ビニャーレス 1分53秒546(2019年)
Monster Energy Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手談(総合2位)
「カタール公式テストを終えて、非常にポジティブな気持ちです。そして私たちはとても冷静です。現状を把握し、進むべき方向を理解し、最速を目指して懸命にハードワークに取り組んできました。なかでもレース序盤を想定したテストでは、マシンもハンドリングも素晴らしい動きをしてくれました。フルタンクの状態では、このことがとても重要です。私が希望していたテストは完了しており、今は非常に良いレベルにあります。シーズンのスタートに向けて準備が整いました」
F・クアルタラロ選手談(総合3位)
「最終日は十分な走行ができませんでしたが、気持ちはとても前向きです。この公式テストを順調に終えることができ、自分のペースに満足し、レースへの準備は整ったと感じています。当然、2週間後にはコンディションが変わっていると思いますが、今までのところはとても満足です。5日目は、細かいところを確認するために走りたいと思っていました。重要なテストはなかったのですが、決勝のシミュレーションをしたかったからです。それでも必要なことはすべて完了しており、ここまでの仕事に十分満足しています」
M・メレガリ、チーム・ダイレクター談
「路面コンディションの悪化により、最終日に走行できなかったことはとても残念です。小さな嵐が大量の砂をコースに吹き寄せていて、この状況でライダーたちを送り出すのは非常にリスキーなことだと判断しました。幸い、私たちは昨日までに多くの分析・評価を終えています。今日のことは、もちろん決して理想的とは言えませんが、実際にはそれほど大きな問題ではありません。開幕までの2週間で、この4日間で収集したすべてのデータをさらに詳細に分析していきます。そしていよいよ2021シーズンの始まりです!」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
F・モルビデリ選手談(総合4位)
「今回のテストはとても良かったと思います。たくさんのことを試し、ラップタイムも上がっています。ここまでの私たちの仕事に満足しており、シーズン初戦への準備は整ったと感じています。ロングランのデータ収集ができなかったことは少し残念でした。しかし常に進化が期待されており、そのための課題はいつもあるわけですが、現時点ではとても良い位置にあると思っています。でもカタールの最初のフリープラクティスで何が起きるかわかりません。また今日のようにコンディションが悪くなるかもしれません。コース・コンディションに合わせた対応ができるように、私たちは多くのセッティングを試してきたのです。目標はもちろん、トップで戦うこと。ライバルたちの状況もしっかり見ていかなければなりません」
V・ロッシ選手談(総合11位)
「今日もやりたいことがあったので、このような状況になってしまったことは残念です。とくにレース・シミュレーションを希望していたのですが、大量の砂と風で断念せざるを得ませんでした。でも天気予報でこのことはわかっていたので、幸い、昨日までに重要なことはすべて済ませていました。4日間を走り終えて、バランスが良く、昨日はとくにいい走りができました。多くのライダーが様々なマシンに乗り、それぞれ強さを見せていますが、私たちも間違いなく上位のグループに入っていて、いいペースをつかんでいます。日に日に進化し、チームはとても良い雰囲気です。シーズン開始の準備はできたと思っています」
R・ラザリ、チーム代表談
「マシンテストは、シーズン初戦に向けて準備するための最も重要なイベントです。今年はとくに、マレーシアのセパン・サーキットでの公式テストが中止となったため、より一層、重要になりました。テストの結果がすべてではありませんが、必要とされるテストを通じ、すべてが順調に機能することを確認する重要な機会になりますし、初戦に備えるためのベースとなるものを提供してくれます。今日のコンディションはとても残念でしたが、モルビデリ選手、ロッシ選手ともにこれまでの4日間、非常に良い走りを見せてくれたのでうれしく思っています。ロッシ選手はたくさんのパーツをテストし、モルビデリ選手はYZR-M1の最高性能を引き出すことに取り組みました。まだテスト段階ですが、ふたりがハッピーであり、開幕戦の準備が整ったことが大切です」
W・ズィーレンベルグ、チーム・マネジャー談
「最終日に走行できなかったのは残念なことですが、それまでの4日間で必要なテストは完了することができました。レースを再開するための準備はすでに整っており、チームのハードワークに非常に満足しています。今日はロングランと細かい確認を予定していましたが、主要なものは完了し、開幕戦に向けた明確なプランが出来上がっているのです。ふたりともマシンに好感触を得ており、ラップタイムも上がってきています。実際、彼らはそれまでの自己ベストをコンマ5秒ほど短縮しているのです。この5日間に満足し、初戦を楽しみにしています」