詳細本文
ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。
MotoGP世界選手権 カタールテスト、ビニャーレスが総合トップ、ロッシは12位、モルビデリとクアルタラロは2・3位!
2020年2月25日
2月22日(1日目)
開幕前最後のテストをスタート
ビニャーレスが3番手、ロッシは7番手、モルビデリが5番手を獲得
開幕前最後のテストをスタート
ビニャーレスが3番手、ロッシは7番手、モルビデリが5番手を獲得
「Monster Energy Yamaha MotoGP Team」が、ロサイル・インターナショナル・サーキットにおいて、2020シーズン開幕前最終となるIRTA公式テストの初日に臨み、マーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシが3番手と7番手を獲得しました。
ふたりは、残り4時間となった現地時間16:00少し前に最初の走行を開始。2週間後に迫った2020シーズン開幕に備え、実際の決勝時間に合わせて最終調整をスタートしました。
ビニャーレスは素早くタイムを上げ6度目のトライで2番手に浮上すると、3回の走行後にはトップへ。その後も決勝用セッティングにおけるYZR-M1のフィーリングは上々で、全50ラップ中31ラップ目に記録した1分54秒494のベストタイムで、セッションの残り30分まで首位をキープ。その後ライバルがタイムアタックをはじめると3番手に後退し、トップから0.032秒差で1日目を終えました。
チームメイトのロッシもまた、充実の一日を過ごしました。この日の最大の目標は、前回のセパンテストの成果が、ここカタールにおいても同様に機能するかどうかを確認すること。合計51ラップを走破して常に10番手以内をキープし、決勝用セッティングで着実にラップタイムを上げながら、マシンのフィーリングも向上するなどの成果を得ることができました。ベストタイムは1分54秒876で7番手。トップとの差は0.414秒でした。
一方、「PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team」のフランコ・モルビデリとファビオ・クアルタラロは、それぞれ5番手と8番手で初日を終了しました。
セッション開始時刻は気温が高過ぎて予定しているテストプログラムに適さないため、ふたりは、実際の決勝時刻に予想されるコンディションを待ってから走行を開始。今月初めのセパンテストで使用したベースセッティングを試しました。
モルビデリは合計57ラップを走行し、1分54秒700のベストタイムでトップから0.238秒差の5番手。一方のクアルタラロは合計56ラップで1分55秒074秒を記録。モルビデリから0.374秒差の8番手でした。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・リンス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1’54.462 |
2 | J・ミル | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1’54.464 |
3 | M・ビニャーレス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’54.494 |
4 | D・ペトルッチ | Ducati Team | Ducati | 1’54.634 |
5 | F・モルビデリ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 1’54.700 |
6 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1’54.823 |
7 | V・ロッシ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’54.876 |
8 | F・クアルタラロ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 1’55.074 |
カタール レコードラップ:J・ロレンソ 1分54秒927(2016年)
カタール ベストラップ:M・ビニャーレス 1分53秒546(2019年)
2月23日(2日目)
ビニャーレスは好調をキープして3番手、ロッシも順調にテストをこなし9番手
クアルタラロはトップ、モルビデリも4番手と順調
ビニャーレスは好調をキープして3番手、ロッシも順調にテストをこなし9番手
クアルタラロはトップ、モルビデリも4番手と順調
テスト2日目、夕方の湿度の高さにより多くのライダーが転倒するなか、「Monster Energy Yamaha MotoGP Team」のビニャーレスはペースを掴んで3番手、ロッシもテストを順調にこなし9番手を獲得しました。
しっかり練られた戦略が功を奏し、ビニャーレスは来るカタールGPに備えテストプログラムを着実に遂行。YZR-M1のセッティングをさらに煮詰めながらニュータイヤで周回を重ねました。テスト2日目の合計周回数は68ラップ。そのなかで1分54秒264のベストタイムを記録し、トップから0.226秒差の3番手となりました。
ロッシもまた、ミシュランタイヤとYZR-M1のフィーリング向上を目指して臨みました。様々なセッティングを試して明日以降の方向性を探りながら、セッション終盤で多く周回を重ね合計52ラップを走破。22ラップ目に記録した1分54秒740のベストタイムで9番手。トップとの差は0.702でした。
「PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team」のテスト2日目、クアルタラロはほとんどの時間をコース上で費やし、この日のトップタイムをマーク。一方のモルビデリも4番手と健闘しました。
クアルタラロは真っ先にコースイン。日没前と後とで大きく異なるコンディションを利用し、それぞれのセッティングでフィーリングを追求していきました。そのほかフロント周りの空気抵抗対策についてのテストもいくつかこなし合計65ラップを走行。セッション終盤にはタイムアタックを行い1分54秒038を記録してトップで2日目を終えました。
一方のモルビデリはYZR-M1の最適バランスを見つけるために様々なセッティング変更を試しました。午後には周回ごとにラップタイムを短縮し、決勝ペースだけでなくタイムアタックでも大きな成果をあげています。そして参加ライダー中、最多の70ラップを走り切り、1分54秒481のベストタイムで4番手。トップのクアルタラロとの差は0.443秒でした。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | F・クアルタラロ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 1’54.038 |
2 | A・リンス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1’54.200 |
3 | M・ビニャーレス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’54.264 |
4 | F・モルビデリ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 1’54.481 |
5 | F・バニャイア | Pramac Racing | Ducati | 1’54.520 |
6 | J・ザルコ | Reale Avintia Racing | Ducati | 1’54.565 |
9 | V・ロッシ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’54.740 |
カタール レコードラップ:J・ロレンソ 1分54秒927(2016年)
カタール ベストラップ:M・ビニャーレス 1分53秒546(2019年)
2月24日(3日目)
ビニャーレスが最終日トップ! ロッシは12番手
モルビデリが2番手、クアルタラロは4番手でテストを終了
ビニャーレスが最終日トップ! ロッシは12番手
モルビデリが2番手、クアルタラロは4番手でテストを終了
「Monster Energy Yamaha MotoGP Team」が冬季テストを終了。最終日も前日までと同様に決勝時間を待ってから走行を開始し、この日の順位はビニャーレスがトップ、ロッシは12番手でした。
ビニャーレスはYZR-M1のバランスに満足しており、最終日の今日もさらなるペースアップを目指しました。ほとんどの時間帯でユーズドタイヤを使用しましたが、終盤にはタイムアタックに挑み、69ラップ目に1分53秒858のベストタイムを記録してトップに浮上。この記録により3日間の総合順位でも首位を獲得しています。2位との差は0.033秒。
チームメイトのロッシは主に、タイヤの耐久性テストに取り組みました。中盤までトップ3をキープしたあと、決勝用セッティングでさらにプッシュしていきましたが、気温低下と高湿度の影響を受けて第2コーナーで転倒。幸い怪我はなく再びコースに復帰したものの、ベストタイムを更新することはできませんでした。合計47ラップを走行し、その28ラップ目に記録した1分54秒332により12番手。3日間の総合順位は12位で、トップのビニャーレスとの差は0.474秒でした。
「PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team」のモルビデリとクアルタラロがそれぞれ2番手と4番手を獲得し、好調のままシーズン前の最終テストを終了しました。
モルビデリは気温が下がるのを待ってからコースイン。用意していたテストプログラムの第1段階を終えるとタイムアタックを開始し、何度かのトライのあと1分53秒台をマーク。また終盤には決勝を想定した20ラップのロングランも実施。合計52ラップを走行し、1分53秒891のベストラップでトップのビニャーレスに0.033秒差の2番手、総合でも2位を獲得しました。
一方のクアルタラロは、最終日もまた真っ先にピットを離れてニュータイヤのテストに取り組みました。そのなかでも常に上位をキープし1分54秒077のベストラップで4番手を獲得。3日間の総合順位では3位となりました。また終盤にはモルビデリと同様に21ラップのロングランを行い、合計58ラップを走破しています。
これで冬季テストは終了。開幕戦のカタールGPは3月6~8日、ロサイル・インターナショナル・サーキットにおいて行われます。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ビニャーレス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’53.858 |
2 | F・モルビデリ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 1’53.891 |
3 | A・リンス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1’54.068 |
4 | F・クアルタラロ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 1’54.077 |
5 | J・ミラー | Pramac Racing | Ducati | 1’54.105 |
6 | J・ミル | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1’54.129 |
12 | V・ロッシ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’54.332 |
カタール レコードラップ:J・ロレンソ 1分54秒927(2016年)
カタール ベストラップ:M・ビニャーレス 1分53秒546(2019年)
Monster Energy Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手談(総合トップ)
「かなり使い込んだユーズドタイヤを履き、しかも難しいコンディションのなかで手応えをつかむことができ満足しています。コンディションがよくないときにも、それにしっかり適応できることが目標のひとつで、最終日もユーズドタイヤでベストをつくしました。なぜならそのような難しい状況が、決勝中にもよく起こり、そのときのために何をすべきかを理解したかったのです。チームが正しい方向性に導いてくれたおかげで、結果にはとても満足できました。セパンと合わせて6日間のテストを行ってマシンに好感触を得ています。マシンはしっかりでき上がっていますが、私たちはこれからもさらにハードワークを継続しなければなりません。大きく前進しましたが、まだ十分ではないからです。この3日間は非常に楽しく乗ることができたので、開幕までの時間がとても長く感じられそうです。ウイーク初日の金曜日、そして日曜日のグリッドが待ちきれません」
V・ロッシ選手談(総合12位)
「何よりもまず、今は非常に驚いています。なぜなら今日もまた、15人ものライダーがコンマ5秒差のなかにひしめいているのです。まさにMoto2と同様の状況で、ファンにもレース展開のためにも、チャンピオンシップ全体のためにもすばらしいことだと思います。異なるライダーと異なるマシンが、それぞれ絶妙のバランスになっているのです。最終日の今日は2本目のタイヤで転倒してしまったこともあり順位を上げることができませんでした。でもそのことよりも、ペースのほうが気になっています。ロングランも予定していたのですが、タイヤに昨年と同じような問題があり、何周かするとペースを落とさなければならなくなってしまうのです。これは決してよいことではありません。でもテストは終わったので、あとはレースウイーク中に対処していきます。そして決勝となれば、状況はいつも変わります」
M・メレガリ、チーム・ダイレクター談
「この3日間のテストに非常に満足しています。開幕戦を2週間後に控え、今回のテストでは、我々が十分に戦える状態であることを確認することが重要でした。ふたりのライダーが順調に前進を続けるなかで2020シーズンのすべてのテストプログラムを終えることができ、準備がしっかり整ったと感じています。ビニャーレス選手は好調。タイムシートのトップに立ったことは当然ながら大きな自信になりますが、私たちがそれ以上に評価するのが決勝用セッティングでのペースです。ロッシ選手は最終日に軽い転倒がありましたが、湿度が上がり、気温が下がったときには起こりがちなことだし、とくにあのときはプッシュしていましたからね。幸い怪我はなく、その後も走行を続けることができました。来週にかけて今日のデータを分析し、タイヤの耐久性向上を進めていきたいと思っています。いずれにしても、我々はいつも上位での戦いを期待しています。今はただ、シーズンのスタートが楽しみです!」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
F・モルビデリ選手談(総合2位)
「トップとの差を少しずつ縮め、最終日の今日もペースは上々でした。タイムアタックも順調で、2位の結果にもとても満足しています。よかったところをさらに伸ばし、最終的には最も重要な決勝でよい仕事をして好結果につなげていきたいと思っています。セパンテストから早々に好フィーリングをつかむことができましたし、ここカタールでは、マシンをより深く理解したことで、ますます気持ちよく乗れるようになっています。この調子でさらに前へ進みたいと思います」
F・クアルタラロ選手談(総合3位)
「最終日は決勝シミュレーションを行い、ほとんどの周回で1分54秒をキープでき、ペースがとてもよかったので満足しています。タイムアタックに専念することはありませんでしたが、それでも速さを維持していますし、ライバルとの差はわずかコンマ2秒以下。アタックのときにミスをしていることを考えれば、その差はもっと縮まるはずです。GPウイークがはじまったら、いつものようにタイム更新を目指します。開幕戦からそれができるように準備を整えてきたので今日の結果にも満足です」
W・ズィーレンベルグ、チーム・マネジャー談
「冬季テストが終了し、チームとしてやるべきことをすべて行い、その結果としてふたりのライダーが2位・3位と、ともにトップ3に入ることができました。これはテストであって本番でないことはもちろん承知していますが、この時点で十分なスピードを獲得し、決勝シミュレーションにおいてもよいフィーリングを得ていることに非常に満足しています。クアルタラロ選手は昨年同様の速さを見せています。そしてモルビデリ選手もまた一歩前進し、トップ3のスピードを証明してくれました。ヤマハはハイスペックのマシンを約束し、確かにそれを実行してくれました。開幕戦が楽しみです」
R・ラザリ、チーム代表談
「2週間後に迫った開幕戦を前に、その同じ舞台で非常に有効なテストを行うことができました。モルビデリ選手もクアルタラロ選手も日に日にフィーリングが上がっており、決勝を想定した様々なコンディションも経験することができました。上位は非常に接近しており、とくにトップ6は激しい戦いですが、我がチームのふたりは必ず、カタールGPの決勝でもよい走りを見せてくれると確信しています」