詳細本文
ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。
2018 FIMトライアル世界選手権 TrialEクラス最終戦 黒山健一選手と電動トライアルバイク「TY-E」がランキング2位を獲得
2018年7月23日
2018年7月21~22日、FIMトライアル世界選手権の第6戦ベルギーGPにてTrialE(Electric)クラスの第2戦(最終戦)が行われ、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」から、電動トライアルバイク「TY-E」で参戦した黒山健一選手が2位を獲得し、年間ランキング2位でシーズンを終えました。
全日本に参戦する黒山選手の「TY-E」によるTrialEクラスへの参戦が決定したのは今年3月。そこから「チャンピオン獲得」を照準に、全日本トップライダーの知識と経験を織り込みながらの開発を進め、7月14-15日のフランスGPでは、15セクション×2ラップでわずか2回の失敗(減点2)でデビューウィンを飾りました。
迎えたベルギーGP、黒山選手と「TY-E」は1ラップ目を減点 7、これに対してライバルが減点4とリード許してしまいます。そして2ラップ目はともに減点6となり僅差の2位。この結果、2戦の獲得ポイントは同点となりましたが、第2戦の成績を重視するレギュレーションにより黒山選手と「TY-E」はランキング2位となりました。
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | 減点/クリーン |
---|---|---|---|---|
1 | Loris Gubian | FRA | Gas Gas | 10/24 |
2 | 黒山健一 | JPN | Yamaha | 13/25 |
3 | Joan Cordon | ESP | Mecatecno | 28/18 |
4 | Christophe Bruand | FRA | Electric Motion | 37/16 |
5 | Takumi Narita | JPN | Electric Motion | 49/10 |
6 | David Oliver Blasco | ESP | ON Racing Trial-E | 82/8 |
7 | Bastien Hieyte | FRA | Electric Motion | 83/4 |
8 | Jerome Delair | FRA | Electric Motion | 98/5 |
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | Loris Gubian | FRA | Gas Gas | 37 |
2 | 黒山健一 | JPN | Yamaha | 37 |
3 | Christophe Bruand | FRA | Electric Motion | 28 |
4 | Joan Cordon | ESP | Mecatecno | 24 |
5 | Bastien Hieyte | FRA | Electric Motion | 22 |
黒山健一選手談(ランキング2位)
「前回のフランスGPは1位と絶好のスタートを切れたのですが、ベルギー大会の結果は残念ながら2位となりました。体はよく動いていたのですが、メンタルの疲労から必要のないミスをおかしてしまったことが敗因です。今回の電動トライアルバイクTY-Eでの挑戦は、今後トライアルを続けていく上での大きなモチベーションとなり、同時にとてもすばらしい経験となりました。そしてたくさんの応援が僕にとって大きな力になりました。本当にありがとうございました」
木村治男談(YAMAHA FACTORY RACING TEAM監督)
「黒山選手は、トライアルに関するすべての経験と知識を総動員して、開発段階から初の実戦まで最大限の努力ですばらしい走りを見せてくれました。一方で若いエンジニアたちは、短い期間でトライアルという特殊で過酷な競技にマッチした高いレベルの車両を作り上げ、慣れない実戦では多くを吸収し頼れる存在へと成長しました。結果は残念でしたが、TY-Eと当社の電動技術の可能性を広げるだけでなく、電動技術に関するノウハウやチームワーク、経験、新たな目標など多くを獲得できました。そして勝利を逃した悔しさをバネに、黒山選手もエンジニアもさらに飛躍を遂げてくれるだろうし、もしこうした機会があればぜひ挑戦したいと思います」
佐藤美之談(MS戦略部レース支援グループマネージャー)
「電動トライアルバイクTY-Eの開発は、来たる電動化社会においても、お客様に感動を届けるために積極的に取り組んでいくという当社の姿勢を示すものです。また世界最高峰の電動トライアルバイク競技TrialEクラスでのチャンピオン獲得という目標には届きませんでしたが、初挑戦でランキング2位と、当社の電動技術の進化を示すことができたと自負しています。最後に、この挑戦に賛同し全力で取り組んでくれた黒山選手をはじめ、本プロジェクトに関わったすべての方に感謝いたします。ありがとうございました」