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ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。
MotoGP世界選手権 カタール・テスト、ロッシが総合2位、ビニャーレスは5位、ザルコがトップで、シャーリンは16位を獲得
2018年3月5日
3月1日(1日目)
Movistar Yamaha、Monster Yamaha Tech3ともに
2018シーズン開幕前の最終テストを始動
Movistar Yamaha MotoGPのM・ビニャーレスとV・ロッシが、カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットでマシン・テストに参加。それぞれ初日は、トップと7番手につけた。
ビニャーレスはセッション序盤でYZR-M1のセッティング作業に取り組み、フィーリング向上とともにポジション・アップを図り2番手に浮上。残り3時間半はライディング・スタイルを調整しながら安定したペースで周回を続け、トータル64ラップ中50ラップ目に1分55秒053を記録してトップに立った。
一方のロッシは現地時間15:30に走行開始。すぐさまフィーリングをつかむと1分55秒827で一気にトップに浮上し、そのあとはマシン・セッティングに集中した。太陽が沈んで辺りが暗くなってから、さらに1分55秒432へと短縮。これでトップから0.379秒差の7番手で初日を終了した。
Monster Yamaha Tech3のJ・ザルコとH・シャーリンは、ロサイル・インターナショナル・サーキットの夜間照明の下でプレシーズン最後となるマシン・テストに臨んだ。
ザルコは素早くリズムをつかんでトップに0.133秒差と迫り、サテライト・ライダーとして最上位の4番手を獲得。
一方、MotoGPルーキーとなるシャーリンも少しずつペースを上げ、マシンのフィーリングが向上するなかで目を見張るほどの進歩。ザルコに1.5秒差まで近づいて1日目を終了した。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ビニャーレス | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'55.053 |
2 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'55.104 |
3 | A・イアンノーネ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'55.107 |
4 | J・ザルコ | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'55.186 |
5 | J・ロレンソ | Ducati Team | Ducati | 1'55.423 |
6 | A・リンス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'55.432 |
7 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'55.432 |
22 | H・シャーリン | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'56.731 |
3月2日(2日目)
Movistar Yamaha、テストを継続
Monster Yamaha Tech3のふたりは2日目に躍進
カタール・テストの2日目、Movistar Yamaha MotoGPのM・ビニャーレスとV・ロッシはそれぞれ7番手と11番手につけた。
ビニャーレスはハードワークを実践。YZR-M1のセッティング向上を目指してトータル52ラップを走破し、コーナリングでの安定性を高めてラップタイムを短縮していった。そのなかで51ラップ目に1分55秒051のベストラップを記録。トップに0.465秒差と迫る7番手を獲得した。
チームメイトのロッシも同様にセッティング作業に集中して少しずつ調子を上げていった。タイムアタックでは全45ラップ中30ラップ目に1分55秒316を記録。トップに0.730秒差の11番手でテスト2日目を終えた。
Monster Yamaha Tech3のJ・ザルコは、テスト2日目に好調ぶりをアピールした。ラップタイムではヤマハ勢トップの4番手を獲得し、トップに0.288秒差まで迫っている。
GPルーキーのH・シャーリンは、YZR-M1での走行わずか5日目にして早くもその特性をつかみ始めている。ライディング・スタイルを適合させることで、ラップタイムを前日からコンマ5秒近く更新した。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・イアンノーネ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'54.586 |
2 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'54.627 |
3 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'54.753 |
4 | J・ザルコ | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'54.874 |
5 | A・リンス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'54.967 |
6 | C・クラッチロー | LCR Honda CASTROL | Honda | 1'54.992 |
7 | M・ビニャーレス | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'55.051 |
11 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'55.316 |
22 | H・シャーリン | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'56.263 |
3月3日(3日目)
Movistar Yamaha MotoGP、好結果を残してテストを終了
プレシーズン最終テストでザルコがトップ獲得! シャーリンも前進
カタール・テストの最終日、Movistar Yamaha MotoGPのV・ロッシとM・ビニャーレスはそれぞれ2番手と5番手を獲得。3日間の総合順位では2位と5位となっている。ふたりはドライ、ウエット両方のコンディションを最大限に走り切った。
前日は十分なタイムアタックができなかったロッシ。テスト最終日はタイム更新を目標に、現地時間15:30にコースに飛び出していった。第14コーナーで転倒があったものの、時間を無駄にすることなく復帰し、残り4時間のドライ・コンディションを走り切った。そして全49ラップ中42ラップ目に1分54秒276を記録し、トップから0.247秒差と迫る2番手につけた。
一方のビニャーレスはロッシより30分遅れてコースインし、ドライ・コンディションの40ラップでハードワークの成果を獲得。最後の40分間でペースを上げると38ラップ目に1分54秒471へ更新し、トップから0.422秒差の5番手を獲得した。
ロサイル・インターナショナル・サーキットはこのあとウエット・コンディションへと変更。そのなかでロッシは2分15秒542を記録して3番手、ビニャーレスは2分21秒302で7番手となった。
Movistar Yamaha MotoGPは3月15日にカタールへ戻ってシーズン開幕のプレゼンテーションに出席。16日〜18日にはいよいよ、2018シーズンの開幕戦となるカタールGPが開催される。
Monster Yamaha Tech3のJ・ザルコが1分54秒029をたたき出し、2018シーズン開幕前の最終テストでトップを獲得した。2週間後に始まるカタールGPの決勝に備え、前半はレース・シミュレーションに専念したザルコ。そのあとタイムアタックに臨み、セッション終了の2時間前にトップに躍り出た。
H・シャーリンも順調にテストをこなし、最終日で大きく前進。ラップタイムではテスト初日から1.5秒近く短縮し、ルーキー最上位に0.141秒差と迫る総合16位に浮上した。ザルコとシャーリンは好結果を受けて、新たなシーズンのスタートを心待ちにしている。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ザルコ | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'54.029 |
2 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'54.276 |
3 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'54.331 |
4 | C・クラッチロー | LCR Honda CASTROL | Honda | 1'54.457 |
5 | M・ビニャーレス | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'54.471 |
6 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'54.591 |
15 | H・シャーリン | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'55.273 |
Movistar Yamaha MotoGP
V・ロッシ選手談(総合2位)
「カタール・テストを終えて、今はとても満足しています。とくに今日の午後は、前半で良い仕事ができたのでこのような好結果につながったと思います。ドライ・コンディションのなかではすべての要素をそろえ、タイムを更新して2位を獲得。リズムも良かったし、ペースも十分だったので手ごたえをつかむことができました。しかし、上位陣は依然としてタイムが接近しており、多くのライダーが強さを見せています。今日は前後タイヤの感触がいまひとつで、レース距離の半分だけを走行したのですが、そこから先にどんなことが起きるのかを、あと2週間で把握しなければなりません」
M・ビニャーレス選手談(総合5位)
「最後の40分間で大きく進歩しました。マシンのフィーリングはまだ100%とは言えず改善の余地が残っていますが、それでもかなり良くなってきています。3日間のハードワークのなかでは迷うこともあり、セッティング変更に十分に注意を払う必要がありましたが、それが功を奏して最後の40分では見違えるように素晴らしいマシンに生まれ変わったのです。もしも今、タイムアタックを行えば好結果を出すことができるでしょう。セッティング変更のあとは、マシンにまたがるとすぐに好感触が得られ、良いリズムをキープすることができました。去年ほどではありませんが、3日間を終えて一定の成果を導き出すことができたと思っています」
M・メレガリ、チーム・ディレクター 談
「この3日間、懸命にハードワークに取り組んできましたが、決してスムースな道のりではありませんでした。何度も問題にぶつかり、それを克服するために時間を要してきましたが、そのなかで多くのテストを完了することができましたし、いくつかの解決策も見つかりました。多くの要素をテストし、そのなかには良いものも悪いものもありましたが、今日のドライ・コンディションの終盤で大きな成果が現れたのです。そのうえ、ウエット・コンディションを試すチャンスにも恵まれました。何よりふたりのライダーがマシンに良いフィーリングをつかみ、速く安定したペースをキープできるようになったことが重要です。シーズンは2週間後に始まります。とても楽しみにしています」
Monster Yamaha Tech3
J・ザルコ選手談(総合1位)
「テスト3日目は非常に順調で、トップタイムを記録することができてとてもうれしいです。53秒後半へ入れることも可能だったかもしれませんが、それよりも、このハイスピードでの乗り方に少しずつ慣れていくことのほうが重要だと考えています。チームとともに良い仕事ができたこと、この3日間すべてのことが私に自信を与えてくれています。でも決勝を想定したロングランは、あまり速くありませんでした。連続で17ラップ走りましたが、3日間のテストの最後ということで少し疲れていたかもしれません。いずれにしてもとても安定していましたし、リラックスして乗れていたので満足です。この感覚を心のなかに持ち続け、2週間後のレースウイークに臨みたいと思います」
H・シャーリン選手談(総合16位)
「今日の走りにとても満足しています。55秒台前半に入れて、それをコンスタントにキープできるようになるとは思ってもみなかったので、素晴らしい仕事をしてくれたTech3のクルーに心から感謝しています。私たちは、少しでも前へ近づくために懸命にがんばってきました。でも今日の結果に、自分でも驚いているというのが正直な気持ちです。レース・シミュレーションのなかでは小さなミスがありましたが、すぐに原因を把握することができましたし、決勝日までに何をすべきかもわかっています。本当にわくわくしています。チームやスポンサーのみなさま、ファンの方々に感謝します」