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ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。
MotoGP世界選手権 タイ・テスト、ビニャーレスが総合8位、ロッシは12位、ザルコは2位を獲得
2018年2月19日
2月16日(1日目)
Movistar Yamaha、ブリラムで公式テストを再開
Tech3はシャーリンを迎えテストを実施
Movistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシとマーベリック・ビニャーレスは16日、タイ・ブリラムのチャーン・インターナショナル・サーキットで今年2回目となるMotoGP公式テストに臨み、2週間前に行ったセパンでの成果を確認しながら、さらなるステップアップを目指した。
2月16日、39歳の誕生日を迎えたロッシは10時過ぎから走行を開始し、初めてのコースを楽しむように積極的に周回を重ねていった。そしてセパンで試した様々な要素を再確認しながらトータル74ラップを走破。マシンの挙動分析に焦点を当てながらも、68ラップ目に1分31秒189のベストタイムを記録し、トップと0.392秒差の8番手につけた。
一方、初めて訪れたサーキットで走行時間を最大限に活用したいビニャーレスは、ロッシよりもさらに早い現地時間9時半、セッションのスタートとともにコースイン。午前中はコーナー進入のパフォーマンス向上を目指してセッティングに励み、午後1時半から休憩をとった。午後のセッションでも同様に周回数を重ねたビニャーレスは、トータル70ラップを走りテスト終盤でベストタイムを更新。トップから0.497秒差の1分31秒294で11番手となった。
初のサーキットとなったMonster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコは、木曜日中にサーキットを視察し、金曜日の走行開始早々からフィーリングをつかんで順調にペースアップ。トップにコンマ5秒差の12番手で初日を終了した。一方のハフィス・シャーリンは、YZR-M1、コースともに初めてという難しいチャレンジとなったが、このチャンスを最大限に生かして1分33秒165と健闘した。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・クラッチロー | LCR Honda CASTROL | Honda | 1'30.797 |
2 | A・リンス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'30.809 |
3 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.912 |
4 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'30.945 |
5 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.960 |
6 | D・ペトルッチ | Alma Pramac Racing | Ducati | 1'31.003 |
8 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'31.189 |
11 | M・ビニャーレス | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'31.294 |
12 | J・ザルコ | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'31.305 |
24 | H・シャーリン | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'33.165 |
2月17日(2日目)
Movistar Yamaha MotoGPのビニャーレスが4番手
Tech3のふたりは大きく躍進
テスト2日目を迎えたMovistar Yamaha MotoGPのビニャーレスとロッシは、セッティングに多くの時間を割き、ラップタイムではそれぞれ4番手と14番手で終了した。
前日と同様、ビニャーレスはセッション開始早々にピットアウト。タイム更新とともに、来るシーズンに備えて貴重なデータを収集することを目標に周回を重ねていった。この日はトータル90ラップを走行し、セッティングを煮詰めながら2種類のタイヤテストを行った。セッション終盤になって一気にペースを上げると、84ラップ目で1分30秒274のベストラップを記録し4番手を獲得した。
一方のロッシは午前中のセッションで、1分30秒888というベストラップを記録したあとは、予定していたテストに専念してマシンのバランス向上を目指した。トータル65ラップのなかで、いくつかのタイヤを試したほか、電子制御システムやセッティングの修正に取り組んだが、ラップタイム更新はならず、トップから0.919秒差の14番手でテスト2日目を終えた。
Monster Yamaha Tech3のザルコとシャーリンは2日目、サーキットの焼けつくような暑さのなかで、そろって順調にペースを上げた。ザルコは前日の自己ベストを0.945秒更新して5番手へジャンプアップ。一方のシャーリンは23番手だったものの、最高峰クラス2日目にして早くもヤマハYZR-M1への適合を示し、前日から1.167秒もタイムを短縮した。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'29.969 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.127 |
3 | J・ミラー | Alma Pramac Racing | Ducati | 1'30.185 |
4 | M・ビニャーレス | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'30.274 |
5 | J・ザルコ | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'30.360 |
6 | D・ペトルッチ | Alma Pramac Racing | Ducati | 1'30.367 |
14 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'30.888 |
23 | H・シャーリン | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'31.998 |
2月18日(3日目)
Movistar Yamaha MotoGP、総合成績でビニャーレスが8位、ロッシが12位
ザルコがヤマハ勢トップの総合2位を獲得
Movistar Yamaha MotoGPのロッシとビニャーレスは、それぞれ10番手と12番手でテスト3日目を終了した。
ロッシは前日のタイムを基に、予定していたスケジュールをこなしていった。数種類のタイヤを試し、様々なセッティングを比較し、さらには電子制御システムの確認にも取り組んだ。その結果、最終走行ではペースアップに成功し、トータル70ラップ中、69ラップ目に1分30秒511のベストラップをマークし、トップから0.730秒差の10番手。3日間の総合順位は12位となった。
ビニャーレスは、テスト最終日もセッションのスタートと同時にピットアウト。前日の走行のなかで見出した新しいセッティングを再確認し、エンジンおよびシャシーについて最終決定を下したいところだったが、昨日までの好感触を得ることができなかった。これにより前日のラップタイムを更新できず、トータル69ラップを走行し、66ラップ目に1分30秒590を記録してトップから0.809秒差の12番手で3日目を終了した。総合順位は2日目の1分30秒274により8位となった。
Monster Yamaha Tech3のザルコとシャーリンは好調のうちにテスト最終日を終了。ザルコはほとんどの時間帯でトップをキープし、一方のシャーリンも初めてのMotoGPテストで大きな進化を見せた。
ザルコはセッション中盤で1分29秒867のベストタイムを記録してこの日2番手、総合でもヤマハ勢トップとなる2位を獲得した。シャーリンは走るたびに力をつけて、トップに1.756秒差まで近づき21番手で最終日を終了、総合では22位となった。
シーズン開幕前の最終テストが1週間後に迫っており、Monster Yamaha Tech3は数日のうちにザルコのチームメイトを正式に決定することになる。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'29.781 |
2 | J・ザルコ | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'29.867 |
3 | C・クラッチロー | LCR Honda CASTROL | Honda | 1'30.064 |
4 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.143 |
5 | A・リンス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'30.178 |
6 | J・ミラー | Alma Pramac Racing | Ducati | 1'30.190 |
10 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'30.511 |
12 | M・ビニャーレス | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'30.590 |
21 | H・シャーリン | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'31.573 |
コメント
Movistar Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手談(総合8位)
「マレーシアと同様、今回も厳しい状況でした。ブレーキングの問題を解決するべく懸命にがんばっていますが、今後も作業を続け、改善策を探さなければなりません。シーズンは着々と近づいてきています。テストはあとカタールでの3日間しか残っていませんが、仕事に専念し100%になるように準備をしていきます」
V・ロッシ選手談(総合12位)
「最終日は1分30秒5でしたが、順調に来ていたラップの終盤でミスしてしまいました。もしもそれがなければ1分30秒2まではいけたはずです。昨年も同じ状況でしたが、みんなのタイムが接近しているため、自分がどのあたりにいるかわかりにくい状況です。あるライダーはマレーシアではとても好調でしたが、タイでは苦戦しました。またその逆もありました。いずれにしても、私たちは前進を続けなければなりません。課題はまだまだたくさんあり、それを解消していくしかないのです。カタールではきっとうまくいくでしょう」
M・メレガリ、チーム・ディレクター 談
「タイムアタックに集中するのではなく、ユーズド・タイヤで多くの周回数を走って感触をつかむことにしました。問題解決のために多くのことを試しましたが、その効果は様々でした。このような状況のなかでも、エンジンとシャシーについては今回のテストのなかで決めておかなければなりません。このあとは電子制御システムの課題に取り組んでいきます。カタールであと3日間のテストが残っているので、前進するために努力します」
Monster Yamaha Tech3
J・ザルコ選手談(総合2位)
「3日目は非常に好調でした。タイヤもとてもよかったので、ラップタイム更新を狙い目標を達成できました。ここまで多くの仕事を順調にこなし、データも十分に得ることができたので、最終日は早めに切り上げました。走るたびにマシンコントロールがうまくできるようになり、好感触を得ることができたのがとてもよかったと思います。タイヤについても、しっかりフィーリングをつかんで、その挙動を感じることができました。10月にここに戻って来るときにタイヤが変わっていたとしても、きっといい走りができると思います。セパンよりも今回はペースが上がってきているので、開幕戦に向けて良いきざしだと感じています」
H・シャーリン選手談(総合22位)
「ここまでかなりのハードワークでしたし、MotoGPマシンの負荷に慣れるまでには時間も必要なので、最終日は午前中で走行を切り上げました。セッションごとに少しずつよくなってきたと思いますが、とくに最終セッションでは大幅な進化が感じられました。全体的にも非常に満足できる結果となり、マシンに好感触を得ることができ、今は、早くまたこのチームに戻って来られるよう願っています。いろいろな情報を提供してくれ、成長に手を貸してくださったチームの皆さんとヨハン、また私にチャンスをくれたエルベ、ヤマハ、モンスター、すべての人にお礼を言います。ありがとうございました」