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ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。
MotoGP世界選手権
セパンテスト、ビニャーレスが総合トップ、ロッシは総合6番手で終了
2017年2月3日
1月30日(1日目)
ヤマハMotoGPチーム、セパンテストを好スタート
新加入のビニャーレスが3番手、ロッシが8番手、ルーキーのフォルガーが7番手
2017シーズン最初のMotoGPオフィシャル・テストが、セパン・インターナショナル・サーキットでスタートした。Movistar Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシは好調を維持し、3番手と8番手で初日を終えた。
2013年Moto3チャンピオンで今シーズンからヤマハに加入したビニャーレスは、YZR-M1にすぐに順応すると3時間とかからずに3番手までポジションアップし、トップに0.447秒差に迫る2分00秒128の好タイムを記録した。
短いランチ休憩をはさんでテストを継続したビニャーレスは、セッティングやタイヤの耐久性を向上させるなど重要な成果をあげた。予定時間を2時間残して雨が降り出したため走行を取りやめ、3番手で初日を終了した。
チームメイトのロッシは、ひどい頭痛により万全の体調ではなかったものの、マレーシアの暑さのなかで2017年型YZR-M1を走らせ、テストプログラムを消化した。
初日の最大の目標は、明日以降の2日間に照準を合わせ、昨年11月のテストで収集したデータを確認すること。午前、午後を通して少しずつペースを上げていき、2分00秒695を記録して8位へ。テスト終盤ではエンジンや電子制御システムの性能向上に取り組んだため、それ以上のタイム更新はならなかったが、順位は変わらず、トップから1.014秒差の8番手で初日を終えた。
今シーズン、新たな布陣で臨むMonster Yamaha Tech 3は、ジョナス・フォルガーとヨハン・ザルコが、MotoGPへの素早い順応を見せた。フォルガーはルーキーとしてトップの7番手を獲得する大活躍で、トップに0.963秒差まで迫った。一方のザルコはコンスタントな走りで着実にペースを上げ、最終的には最多周回数を走破。ラップタイムでもロッシにコンマ5秒差まで迫る14番手につけた。ふたりは、ウエット・コンディションも経験し、手ごたえをつかんでいた。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・ストーナー | Ducati Test Team | Ducati | 1'59.680 |
2 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'59.797 |
3 | M・ビニャーレス | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 2'00.129 |
4 | A・バウティスタ | Pull&Bear Aspar Team | Ducati | 2'00.134 |
5 | A・イアンノーネ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 2'00.489 |
6 | C・クラッチロー | LCR Honda | Honda | 2'00.569 |
7 | J・フォルガー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'00.643 |
8 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 2'00.694 |
14 | J・ザルコ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'01.224 |
23 | 野左根航汰 | Yamaha Factory Test Team | Yamaha | 2'02.187 |
24 | 中須賀克行 | Yamaha Factory Test Team | Yamaha | 2'02.291 |
セパン レコードラップ:J・ロレンソ 2分00秒606(2015年)
セパン ベストラップ:D・ペドロサ 1分59秒053(2015年)
1月31日(2日目)
雨のセパンでビニャーレスが2番手、ロッシも4番手へ浮上!
ザルコはルーキー最速タイムで5番手を獲得
MotoGPオフィシャル・テスト2日目。Movistar Yamaha MotoGPのビニャーレスとロッシは、難しい路面コンディションにもかかわらず、ニューパーツのテストなどを含めテストを順調にこなし、それぞれ2番手と4番手を獲得した。
テストの時間は8時間。しかしそのうち初めの4時間は、雨のために待機を余儀なくされてしまった。ようやく路面が乾いて走行がスタートすると、ビニャーレスはすぐにコースイン。よりよいセッティングを求めて周回を重ねていく。すぐにリズムをつかんだビニャーレスは昨日までのタイムを難なく更新し、2分00秒646のベストタイムを記録して一時トップに立った。
その後はチームメイトとデータを比較するため新型フェアリングのテストに移行したが、ペースを緩めることはなく、ついには2分の壁を破って1分59秒858に更新。最終的にはトップに0.406秒差の2番手を獲得した。
一方のロッシも、マシンのパフォーマンス向上をめざして早々にコースイン。新旧のフェアリングを比較しながら合計54ラップを走破した。
昨日に比べ体調がいくぶん改善したこともあり、ラップタイムを更新して好調をアピール。セッションの最後にはタイムアタックを行い、2分00秒254を記録して4番手に浮上した。トップとの差は0.802秒だった。
MotoGPルーキーのザルコとフォルガーは、テスト2日目に大きなジャンプアップを果たした。ザルコは初日のタイムを0.9秒も更新し、3位に0.125秒差と迫るルーキー最速タイムをマークし5番手。フォルガーは、着実にペースを上げて、最後のアタックで自己ベストを更新。ザルコに0.152秒差の9位となった。テスト最終日、ふたりはさらなる前進をめざす。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・イアンノーネ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'59.452 |
2 | M・ビニャーレス | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'59.858 |
3 | A・バウティスタ | Pull&Bear Aspar Team | Ducati | 2'00.218 |
4 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 2'00.254 |
5 | J・ザルコ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'00.343 |
6 | H・バルベラ | Reale Esponsorama Racing | Ducati | 2'00.352 |
9 | J・フォルガー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'00.495 |
26 | 中須賀克行 | Yamaha Factory Test Team | Yamaha | 2'02.893 |
27 | 野左根航汰 | Yamaha Factory Test Team | Yamaha | 2'03.052 |
セパン レコードラップ:J・ロレンソ 2分00秒606(2015年)
セパン ベストラップ:D・ペドロサ 1分59秒053(2015年)
2月1日(3日目)
ヤマハMotoGPチーム、第1回オフィシャル・テストを好感触で終了
Movistar Yamaha MotoGPは、セパン・インターナショナル・サーキットで行われた2017年の第1回目となるオフィシャル・テストを終了。ビニャーレスとロッシはこの3日間で多くのテスト項目をこなしてYZR-M1のパフォーマンス向上を図り、それぞれ総合1番手と総合6番手を獲得した。
昨日の雨で走行できなかった時間を取り戻そうと、最終日は厳しい暑さのなかで何度も走行を繰り返し、ライダーたちにとっては3日間で最も過酷な1日となった。
ビニャーレスは、午前中から多くの好ラップを繰り返しながら、40ラップ目で今日のファステスト・タイムとなる1分59秒368を記録してトップに躍り出た。2位以下に0.138秒の差をつけ、その後はマシン・セッティングの最終調整に取り組みながらも最後までトップを守りきった。
午後になると雨粒が落ち始めたため、しばらく待機。コンディションが回復するとYZR-M1での最後のセッションに臨み、タイムアタックに挑んだ。午前中の自らのタイムを更新することはできなかったものの、合計72ラップを走破し、大きな自信とともにテストのプログラムを終了した。
チームメイトのロッシもテスト最終日を有効に利用。午前中はニュータイヤを試したほか、昨日までに得た成果をさらに磨き上げゆく作業に取り組んだ。
午後のセッションではビニャーレスと同様、コンディションが回復するとすぐにアタックを開始。午前中には2分00秒125で11番手、トップから0.756秒離されていたが、午後はポジションアップに力を注いで、全62ラップ中の50ラップ目で1分59秒589をマーク。トップとの差を0.221秒に縮めて4位に浮上した。終盤になって全体のペースが上がるとひとつ順位を下げたが、5番手を獲得して最終日を終了した。
このあとチームはヨーロッパへ戻り、エンジニアたちは日本へ戻ってデータ分析に取り掛かり、2017シーズンの開幕に向けて準備を進める。
Monster Yamaha Tech 3のザルコとフォルガーは、最終日の今日も力強いパフォーマンスを披露。ザルコはラップタイムで初日の記録を1.5秒も更新し、この日はトップから0.404秒差の10番手、総合では11番手としてMotoGPルーキーのトップに輝いた。一方のフォルガーも、YZR-M1についての理解を深めながら、決勝シミュレーションを行うなど多くの経験を積んだ。ラップタイムではトップから0.944秒差の15番手、総合でも15番手で第1回目のオフィシャル・テストを終了した。
両チームは、2月15日から17日、第2回オフィシャル・テストのためにオーストラリアはフィリップアイランドで再集結する。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ビニャーレス | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'59.368 |
2 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'59.506 |
3 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'59.553 |
4 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'59.578 |
5 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'59.589 |
6 | A・バウティスタ | Pull&Bear Aspar Team | Ducati | 1'59.628 |
10 | J・ザルコ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'59.772 |
15 | J・フォルガー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'00.312 |
24 | 中須賀克行 | Yamaha Factory Test Team | Yamaha | 2'01.658 |
セパン レコードラップ:J・ロレンソ 2分00秒606(2015年)
セパン ベストラップ:D・ペドロサ 1分59秒053(2015年)
M・ビニャーレス選手談(総合1番手)
「今日も昨日と同じように、主にレース用セッティングに取り組んで大幅にペースを上げた。1分59秒が出たことには自分でもびっくりだけど、とても速くてマシンもよく走ってくれたからすごくうれしいです! この3日間を通して多くのものを試したので、次のオーストラリアでは、今回以上にいいマシンになると思います。現時点では、マシンのどこが最もすばらしかったかは説明しにくいですが。マシンを開発している途中だから、とにかく現状より良くすることに力を注いでいます。少なくとも今日は1ラップの速さを証明することができたので、これからもひとつひとつ良いものを選びながら、一歩一歩前進していきたい」
V・ロッシ選手談(総合6番手)
「とてもハッピーです! テストは順調でした。1分59秒589のラップタイムは悪くないし、上位はみんな接近していますからね。全体的にマシンのフィーリングが良かっただけでなく、今日はさらに向上させるための興味深い要素も見つかった。チャレンジがいっぱいの厳しいテストだったけれど、明るい材料を見つけることができてとても良かったと思う」
M・メレガリ、Movistar Yamaha MotoGP、チーム・ディレクター談
「この3日間、大きな問題もなくさまざまな項目を試すことができ、その成果にも非常に満足している。たとえばフレーム、フェアリング、電子制御システム、マッピング、タイヤなどについて多くのデータを収集。しかしそれ以上に重要なのは、2017シーズンに向けて、早くもいくつかの決定ができたことだ。また、今回のテストのなかで最も重視していたことのひとつ、タイヤの耐久性についても有効なデータを得ることができた。これによってスピードが上がっただけでなく安定性も向上している。ファステスト・タイムを記録してセパンを去ることになり、今は次のフィリップアイランドでさらにマシン開発を進めることが非常に楽しみだ。マーベリック、バレンティーノ、チーム、そして日本のエンジニアたち、全員がすばらしい仕事をしてくれた。自信を持って次に臨める」
J・ザルコ選手談(総合11番手)
「今回、マレーシアで達成した多くのことにとても満足しています。昨日までの2日間で体力を消耗してしまったので、今日は少し体を休ませなければならなくて、午前中は低い気温のもとで何周かタイムアタックを試しただけで、あとは決勝を想定した長距離走行に取り組みました。このなかで少しずつリラックスして乗れるようになっていったけれど、タイヤが限界になってしまい完遂できなかった。もう少しのところだったから残念だけど、ユーズドタイヤでプッシュするリスクを避けて、午後のセッションに賭けました。テスト終盤で最後のニュータイヤを装着すると、ついに2分の壁を突破。目標に到達することができて本当にうれしかったです。もちろん多くのライダーが達成していることだけれど、僕もそのひとりに入っているのだから喜んでいいと思います。今は次のフィリップアイランドが楽しみです」
J・フォルガー選手談(総合15番手)
「最終日の今日は、チームとともにレースシミュレーションに集中しました。フルタンクのマシンにユーズドタイヤを装着し、その状況のなかでも僕は常に安定した走りをキープ。タイヤを消耗したあとも、ほとんど変わらないタイムで走り続けることができました。このロングランのなかで多くの知識を吸収し、エンジン・マッピングや、それぞれのオプションがどのように機能するかについても体験できました。今は、次のテストで活用できる膨大なデータが手元にあるのでとても楽しみです。Monster Yamaha Tech3 のすばらしい仕事にお礼を言わなければならないですね」