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ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。
MotoGP世界選手権
カタールテストを終了、ロレンソは総合トップ、ロッシは総合5番手で開幕へ!
2016年3月7日
3月2日(1日目)
Movistar Yamaha MotoGP、カタールテスト初日をトップでスタート!
先月のセパン、フィリップアイランドに続いて3回目となる公式テストがロサイル・インターナショナル・サーキットでスタート。Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソとV・ロッシは、3月20日に迫った2016シーズンの開幕に向けて、最後のテストを実施。多くのテスト項目をこなしながら好調をアピールした。
前回のフィリップアイランドでは、厳しい状況のなかでも成果をあげてきたロレンソ。今回のロサイルでは夜間の寒さとコース上の砂に悩まされながらも、セッティング作業に取り組み、成果をさらに積み上げた。セッション開始早々トップに立ち、真っ先に1分55秒台に突入。YZR-M1とミシュラン製ニュータイヤの好調ぶりを見せつけながら、1分55秒452のベストラップを記録して2番手以下にコンマ5秒近い差をつけた。
チームメイトのロッシは午前中のセッションで転倒があったものの、幸い怪我はなくすぐにコースに復帰。その後は想定される決勝時と同様のコンディションのもとで、マシンのテストを行いながら少しずつペースを上げていった。最終的には1分55秒894を記録して3番手へ浮上。トップのロレンソとの差は0.442秒。
Monster Yamaha Tech 3のB・スミスとP・エスパルガロも、前回のフィリップアイランドからのさらなる前進を目指し、18日後に迫った開幕戦に向けてテストを続けた。
スミスは初日、タイヤ・オプションとホイールベースのセッティングに取り組んだ。セッション中盤になってからコースインしたスミスは、23ラップ目で自己ベストを記録して3番手にコンマ6秒差の9番手。一方のエスパルガロもYZR-M1をロサイル・サーキットに合わせてセッティングし、順調にペースを上げていった。徐々に自信をつけると、34ラップ目にはスミスにコンマ2秒差まで迫る自己ベストを記録して12番手。チームは、引き続き、ラップタイム更新とポジションアップを目指してセッティング作業に集中する。
順位 | ライダー名 | チーム名 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'55.452 |
2 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'55.880 |
3 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'55.894 |
4 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'56.119 |
5 | S・レディング | Octo Pramac Yakhnich | Ducati | 1'56.213 |
6 | H・バルベラ | Avintia Racing | Ducati | 1'56.320 |
9 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'56.517 |
12 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'56.747 |
カタール レコードラップ: C・ストーナー 1分55秒153(2008年)
カタール ベストラップ: J・ロレンソ 1分53秒927(2008年)
3月3日(2日目)
ヤマハ両チームが、2日目も引き続き前進
Movistar Yamaha MotoGPのロレンソとロッシは、テスト2日目、ミシュラン製ニュータイヤと新型電子制御システムを搭載する2016年型YZR-M1の最適バランスの追求などに取り組み、それぞれ3番手と8番手を獲得した。
ロレンソはトラクション不足に悩まされながらもペースを落とすことなく、セッション序盤で早々にファステスト・ラップを記録。後半は完璧なセッティングを追求することに専念し、1分55秒535のタイムで3番手となった。トップとの差はコンマ1秒以内。
チームメイトのロッシは、真っ先にコースインして素早くトップに浮上。その後はセッティング作業に切り替えて新しいテスト項目に集中した。タイヤ本数が限られているためタイムアタックに挑めず、昨日までのベストタイムを更新できないまま1分55秒947で終了。トップからの差は、コンマ5秒強で、8番手となった。
テスト3日目の明日はいよいよ、シーズン開幕前のテスト最終日となる。ライダーもチームクルーも新たなシーズンの到来を心待ちにしており、フェイスブックの200万以上のファンのサポートを受けながらMotoGP三冠を守るために戦いに挑む。
Monster Yamaha Tech 3のエスパルガロとスミスは、2016シーズンの開幕戦でサテライト勢トップを目指すべく、テスト2日目も懸命にテストに取り組んだ。
エスパルガロは、昨日の自己ベストをコンマ5秒以上も更新。第15コーナーで転倒があったが、幸い怪我はなく、ラップタイムへの影響もほとんどなかった。一方のスミスは、タイヤを最終セッションのために温存し、16番手。テスト最終日には持ち前の力強い走りが期待される。
順位 | ライダー名 | チーム名 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'55.436 |
2 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'55.508 |
3 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'55.535 |
4 | S・レディング | Octo Pramac Yakhnich | Ducati | 1'55.677 |
5 | H・バルベラ | Avintia Racing | Ducati | 1'55.815 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'55.856 |
8 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'55.947 |
11 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'56.173 |
16 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'57.267 |
カタール レコードラップ: C・ストーナー 1分55秒153(2008年)
カタール ベストラップ: J・ロレンソ 1分53秒927(2008年)
3月4日(3日目)
開幕に向け、大きな成果とともにテストを終了
Movistar Yamaha MotoGPは、カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで3日間にわたり行われた公式テストを終了。ロレンソは終始、持ち前の安定感をアピールし、ファステスト・ラップを記録して総合トップを獲得。チームメイトのロッシも総合で5番手と健闘し、優勝候補のひとりとして、その実力を発揮した。
ロレンソは、高い集中力で初日から常に上位をキープ。最終日には現行のサーキット・レコード、1分55秒153を更新し、ただひとり55秒の壁を破る1分54秒810を記録した。ライバルたちに0.516秒の差をつけて3日間の総合順位でトップを獲得。また午後のセッションではロングランも敢行した。
チームメイトのロッシは、YZR-M1のセッティングの最終仕上げに取り組んだ。そんな中、第10コーナーで転倒があったが、再スタート後はペースを上げて初日のベストタイムを大きく更新。1分55秒429と、トップのロレンソからはコンマ6秒差の5番手となった。総合順位でも同様の5番手と好調を維持し、3月18~20日に行われる開幕戦に備える。
Monster Yamaha Tech 3のエスパルガロとスミスも、シーズン開幕前の最終テストを好調のうちに完了。開幕戦に向けて大いに自信を深めた。
エスパルガロは電子制御システムとミシュラン・タイヤのテストを続けて手応えをつかみ、また、レースシミュレーションも敢行した。ラップタイムではテスト初日から0.865秒も短縮し、総合2番手にわずかコンマ5秒差まで迫っている。一方のスミスは合計62ラップもの周回数を重ね、ラップタイムではエスパルガロに0.084秒差。開幕戦ではトップ8を目指す。
順位 | ライダー名 | チーム名 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'54.810 |
2 | S・レディング | Octo Pramac Yakhnich | Ducati | 1'55.326 |
3 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'55.333 |
4 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'55.402 |
5 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'55.429 |
6 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'55.535 |
10 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'55.882 |
12 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'55.966 |
カタール レコードラップ: C・ストーナー 1分55秒153(2008年)
カタール ベストラップ: J・ロレンソ 1分53秒927(2008年)
J・ロレンソ選手談(3日目:1番手/1分54秒810)
「今日はとても順調だった。ラップタイムを大幅に更新し、レースシミュレーションにも挑戦。フロントタイヤが完璧ではなかったにもかかわらず、1分55秒台を何度か記録することができた。ソフト・コンパウンドを履けばもっと速く走ることができるが、どうやら決勝で使うことはできないようだ。ミシュランはタイヤの配分の変更を予定していて、ひとつは硬め、もうひとつはシミュレーションで使ったものよりは柔らかめのものになるという。フロントにインターメディエイトを履いたときはもっと速く走れていたので、今日のファステスト・ラップにもシミュレーションにも満足している。開幕戦への準備は整った」
V・ロッシ選手談(3日目:5番手/1分55秒429)
「最後にようやくハッピーな気分になれた。また同じコーナーで転倒してしまったのは残念だったけれど、小さいものだったし、何事もチームとともにトライできるのはうれしいこと。最後の1時間半でセッティングを向上させ、ペースも良くなり、タイムアタックもうまくいった。ラップタイムも悪くなかったし、何よりもレースシミュレーションでの好調の意味は大きいよ。ライバルたちも最初のテストから大幅に前進しているので、厳しい戦いになるだろう。でも僕らも彼らと同様のレベルまで上がっている。多くのライダーが開幕戦から速さを見せてくるだろうけど、僕らもかなり強敵だよ! このコースは路面コンディションが日ごとに良くなってきて、フロントタイヤへの負担が増してくるので、臨機応変に対応しなければならない。昨日はそれほどでもなかったけれど、今日のは柔らかかった。最後の5ラップは誰もが苦労することになるだろうけど、マシンがとても良い状態なのでハイペースをキープできると思う」
M・メレガリ談(Movistar Yamaha MotoGP、チーム・ディレクター)
「最後の3日間が非常に重要だった。だからこそ、この好調に満足している。当初の計画通りに、レースシミュレーションとタイムアタックの前にセッティングの最終調整を完了することができた。バレンティーノの転倒を除いて、すべてが非常にスムースに運び、ホルヘのファステスト・ラップ、そしてレースシミュレーションでのふたりのペースが、我々に自信を与えてくれた。オフシーズン中の3回の公式テストを総合的に見ても、常に安定して速く、ラップタイムもパフォーマンスも素晴らしかった。この結果に満足するとともに、2週間後の開幕戦に向けて準備が整ったと感じている。目標は、昨シーズンと同様の勢いでシーズンをスタートすること」
P・エスパルガロ選手談(3日目:10番手/1分55秒882)
「今日の成果には大いに満足しているよ。マレーシアでは電子制御システムのトラブルで、向かうべき方向性も見えずにかなり悲観的になっていた。次のフィリップアイランドではそれらが改善され、目標としていたトップ10に入ることができた。依然としてラップタイムでは際立った速さを見せることができないけれど、それよりも重要なのは、レースシミュレーションに挑戦した数少ないライダーのひとりになれたこと、しかもリズムがとても良かったことなんだ。またタイヤ・チョイスも完了し、それがとても好調。そして実は、決勝よりも2ラップ多く走っていたんだよ。レース距離をフルに走ったあとにファステスト・ラップが出ていて、こんなことはこれまでなかった。そういうわけで、今はとても気持ちよく乗れていて、カタールでの開幕戦を楽しみに待っている。正直なところ、予選は厳しい状況になると思うけど、決勝はうまくやれると確信している」
B・スミス選手談(3日目:12番手/1分55秒966)
「好調のうちにテストを終了することができた。でもあらゆる面で、2016年のシーズン前テストは、これまでと違っている。ニュータイヤに慣れることが求められたし、以前とは異なる前後タイヤのスペックを判断、分析しなければならなかった。これらの様々なコンパウンドにマシンを適合させるのは、決して簡単なことじゃなく、3回のテストのなかでも何度か厳しい状況に遭遇した。オーストラリアでは天候に恵まれずテストの機会が減ってしまったし、カタールでも、結局、限られた時間のなかで最大限の成果を導き出すことができなかったんだ。それにもかかわらず、今年の目標となるだろうトップ8に手が届くところに留まることができた。マシンはまだ90%の状態だと思っているので、まだ改善の余地があるし、常に前進している。だから開幕戦では良い走りができると確信しているよ。今夜のテストは順調で、ラップタイムを大幅に更新したし、ペースも安定していた。また、今まではスタート早々からペースを上げるのが難しかったけれど、今日はそれができて、何らかの答えをつかむことができたと思う。こうしてテストを完了し、いよいよレースモードに入ることに、今はとてもワクワクしている。いつも以上のプレッシャーを好む人もいるし、嫌う人もいるけれど、僕の場合はプレッシャーのなかに置かれることが好きで、そのような状況で、より良いパフォーマンスができるんだ。だから間近に迫ったシーズン開幕、そしてフリープラクティス初日をとても楽しみにしているよ」