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ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。

MotoGP世界選手権
フィリップアイランド・テスト、ロレンソとロッシが総合4位と6位を獲得

2016年2月22日

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2月17日(1日目)
フィリップアイランドでの公式テスト初日はスミスが3位、ロッシが6位を獲得

 2週間前、セパンでの今季初テストで好感触をつかんだMovistar Yamaha MotoGPのV・ロッシとJ・ロレンソ。ここで収集したデータを活用してさらなる前進を目指し、意気揚々とフィリップアイランドに乗り込み、第2回公式テストに臨んだ。ところがサーキットは雨に見舞われてウエット・コンディション。2人はテスト・プランを予定通りにこなすことができず、それぞれ6位と16位で1日目のテストを終了した。
 開始予定時刻から2時間が経過し、天候が回復し始めてからフィリップアイランドでのテストがようやくスタート。ロッシとロレンソは限られた時間を最大限に活用しようと、ウエット・コンディションでのミシュラン製レイン・タイヤと電子制御システムのテストに集中的に取り組んだ。
 なかでもロッシは、チャンスを無駄にせず、2015年型に近いマシンと2016年型とを比較。ドライ・コンディションはわずかな時間だったが、熱心に作業に取り組み、合計27ラップを走破した。難しいコンディションのエキスパートとして知られるロッシはセッション終盤、急激に乾き始めた路面で1分33秒088のベストタイムを記録、6位に浮上した。
 チームメイトのロレンソにとっても充実した一日となった。ロッシよりも先にコースインし、コンディションに慣れるにつれてコンスタントにスピードを上げていった。2時間ほどの走行のなかで終盤まで6位をキープしたあと、午後の太陽がコースに差し込み始めたところでさらにペースアップ。1分39秒825へと更新して一時、3位まで浮上した。このあと雨が降り出したため一旦ピットに戻ったが、のちのドライ・コンディションではスリック・タイヤでさらに2ラップ。合計24ラップを走り切ったあと早めにテストを切り上げ、16位で終了した。

 Monster Yamaha Tech 3のB・スミスとP・エスパルガロも好調ぶりをアピールした。テスト・プランは少なからず天候の影響を受けたものの、2人は貴重なデータを収集し、ミシュラン製の新しいレイン・タイヤを試すこともできた。
 スミスはすぐさま作業に取り掛かり、前回のセパン・テストで確立した電子制御システムとそのセッティングを確認。合計27ラップを走行し、2位にコンマ1秒差と迫る3位を獲得した。一方のエスパルガロは、ウエット・コンディションを利用してウエット用セットアップに集中。合計20ラップの最終ラップで最速タイムを記録し、スミスにコンマ5秒差で7位となった。

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フィリップアイランド テスト1日目(2月17日)結果
順位 ライダー名 チーム名 マシン タイム
1 D・ペトルッチ Octo Pramac Yakhnich Ducati 1'31.764
2 M・ビニャーレス Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 1'32.483
3 B・スミス Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 1'32.590
4 S・レディング Octo Pramac Yakhnich Ducati 1'32.864
5 C・クラッチロー LCR Honda Honda 1'32.948
6 V・ロッシ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 1'33.088
7 P・エスパルガロ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 1'33.126
16 J・ロレンソ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 1'39.825

フィリップアイランド レコードラップ: M・マルケス 1分28秒108(2013年)

 フィリップアイランド ベストラップ: J・ロレンソ 1分27秒899(2013年)

2月18日(2日目)
ロレンソとロッシが3・4位を獲得
Monster Yamaha Tech 3の2人は10・13位

 フィリップアイランドでのMotoGP公式テスト2日目、午前中のセッションはウエット・コンディションで始まったが、Movistar Yamaha MotoGPは走行を敢行。素早くペースを上げたロレンソが3位、ロッシはわずかの差で4位となった。
 午前中が雨になったにもかかわらず、ロレンソは1日のスケジュールをフル活用。セッション序盤はコースをほぼ独占してセッティングに取り組み、YZR-M1の最適バランスを追求。とくにタイヤの摩耗が激しい状態での貴重なデータを収集した。その後、路面コンディションが回復すると、すべてのライダーがピットから出て行く。ロレンソは気温が上がった午後のセッションで、全80ラップ中65ラップ目に1分29秒357を記録。トップに0.226秒と迫る3位につけた。
 ロッシもまた、順調に好タイムを連発。フィリップアイランド・サーキットにドライ・ラインが出現すると、5ラップ目に1分31秒1を記録して暫定トップに浮上。太陽は短時間で隠れてしまい、再び雨が降り始めたが、午後のセッションをすべて走り切って合計71ラップ。1分29秒404のベストラップで4位につけた。トップとの差は0.273秒。

 Monster Yamaha Tech 3のスミスとエスパルガロは、またもウエット・コンディションとなったフィリップアイランドで作業を続行。午後になると雲の合間に太陽が姿を現したため、2人はこの間にペースを上げていった。
 スミスはいくつかのセッティングとミシュラン・タイヤのテストを続けながら、休むことなく周回数を重ね、自己最速タイムを最終ラップで記録。ヤマハ・ファクトリーのV・ロッシにコンマ5秒差まで近づいた。一方のエスパルガロは、路面コンディションが安定してからコンスタントにペースアップ。貴重なセットアップ・データを収集しながら、スミスにコンマ2秒差と迫る健闘を見せた。

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フィリップアイランド テスト2日目(2月18日)結果
順位 ライダー名 チーム名 マシン タイム
1 M・ビニャーレス Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 1'29.131
2 M・マルケス Repsol Honda Team Honda 1'29.292
3 J・ロレンソ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 1'29.357
4 V・ロッシ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 1'29.404
5 C・クラッチロー LCR Honda Honda 1'29.671
6 H・バルベラ Avintia Racing Ducati 1'29.854
10 B・スミス Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 1'29.992
13 P・エスパルガロ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 1'30.154

フィリップアイランド レコードラップ: M・マルケス 1分28秒108(2013年)

 フィリップアイランド ベストラップ: J・ロレンソ 1分27秒899(2013年)

2月19日(3日目)
フィリップアイランド・テストを好調のうちに終了

 Movistar Yamaha MotoGPのロッシとロレンソは、フィリップアイランド・サーキットでのテスト最終日で5位と9位、総合順位ではロレンソが4位とロッシが6位を獲得した。
 2人はこの3日間で多くのニューパーツを含む様々な要素を試しながら、2015年モデルに近いマシンと新型マシンとを乗り比べてきたが、テスト最終日には、今後の開発の方向性を決定するためにどちらか一方を選択するという重要は使命が残されていた。
 ロッシは最後尾からコースイン。積極的なプッシュで素早く追いつき4位まで浮上したが、またも天候が変化してセッションは中断。午後になって雨が弱まったところで再びペースを上げ、合計56ラップ、1分29秒435の記録で5位を獲得した。トップとの差は0.277秒。3日間のベストラップは1分29秒404で、トップから0.273秒差の総合6位。
 一方のロレンソは早々にピットを離れ、午前中のドライ・コンディションを十分に活用して予定していたテスト項目を積極的にこなしていった。さらなるステップアップのためにできる限り多くのデータを収集しようと、合計41ラップを走行して1分29秒760のベストラップを記録した。トップとの差は0.602秒。午後のセッションでは転倒があり、幸い怪我はなかったものの早めにこの日の走行を切り上げた。3日間のベストラップでは1分29秒357の総合4位。トップとの差は0.226秒。
 チームはこのあとヨーロッパへ。エンジニアたちは日本へ戻り、今回収集したデータを分析して2016シーズンの開幕に向けて準備を整える。

 Monster Yamaha Tech 3のエスパルガロとスミスは、フィリップアイランドでの3日間のテストを好調のうちに終了。最終日も雨に見舞われたが、確かな手応えとともにまた一歩前進した。不安定な天候によって走行時間は限られたが、2人は力を緩めることなく作業に集中した。
 エスパルガロはベース・セッティングをさらに磨き上げるための新型ECUを十分に理解しようと懸命のプッシュ。この結果、昨日までのタイムをコンマ5秒近く短縮し、3日間のベストラップでトップに0.587秒差と近づいた。一方のスミスも積極的な走りを見せ、中盤で転倒があったものの合計45ラップを走破。最終日は16位に留まったが、昨日までの記録によって総合13位。3位からわずかコンマ6秒差につけて自信を高め、最終日を終えた。

 次回テストは3月2日。両チームは開幕戦の舞台となるカタールはロサイル・サーキットで再び集結し、シーズン前の最終テストに参加する。開幕戦はそれから約2週間後に行われる。

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フィリップアイランド テスト3日目(2月19日)結果
順位 ライダー名 チーム名 マシン タイム
1 M・マルケス Repsol Honda Team Honda 1'29.158
2 M・ビニャーレス Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 1'29.299
3 C・クラッチロー LCR Honda Honda 1'29.348
4 H・バルベラ Avintia Racing Ducati 1'29.361
5 V・ロッシ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 1'29.435
6 L・バズ Avintia Racing Ducati 1'29.583
8 P・エスパルガロ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 1'29.718
9 J・ロレンソ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 1'29.760
16 B・スミス Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 1'30.188

フィリップアイランド レコードラップ: M・マルケス 1分28秒108(2013年)

 フィリップアイランド ベストラップ: J・ロレンソ 1分27秒899(2013年)

V・ロッシ選手談(3日目:5位/1分29秒435)

「今回のコンディションは、残念ながらあまり良くなかったね。結局、コンディションが良かったのは1日だけで、それが昨日だったというわけ。でも1日もないよりは、まだ良かったということ… 僕らは最終日も引き続きテスト作業を行いながら2台の異なるマシンを比較。僕の答えは、やはり昨年モデルに近いものを使うことになるだろう。総合してみればとても充実したテストになったと思う。マシンもタイヤもフィーリングが良く、僕自身のペースも悪くなかったので満足しているよ」

J・ロレンソ選手談(3日目:9位/1分29秒760)

「午前中はあまりテスト時間がとれず、このなかでのベストラップは、すでに24ラップも使ったリアタイヤで記録したものだった。新品タイヤがあと1本しか残っていなかったので、今日はずっと中古タイヤで走っていたんだ。最後にようやく路面が乾いたので、残していた新品のリアタイヤを履いてタイムアタック。でもラバティーが転倒してしまったので、僕も走行をあきらめなければならなかったんだ。その後は決勝シミュレーションに切り替えたが、その1周目、冷たい路面の上でクラッシュ。かなり気合いが入っていたこともあって、フロント・ブレーキを強くかけ過ぎてしまったようだ。この時間帯は僕以外にもたくさんの転倒車が出ていて、早めにテストを切り上げることにした。前回のセパンはすばらしかったが、今回は状況が一変してしまった。次のカタールに期待したい」

M・メレガリ談(Movistar Yamaha MotoGP、チーム・ディレクター)

「3日間という限られたテスト時間を考慮すれば、今回我々は、十分に良い仕事ができたと思う。唯一の誤算はホルヘのクラッシュだが、原因はおそらくこの寒さだろう。天候が変わりやすく、今回もまたあまり多くの周回数を走行することができなかったが、予定していたテストはほぼ完了。どちらのマシンでシーズンをスタートすべきなのかを決定することが最大の目的だったが、午後になって路面が乾いてから2台を比較し、適切な方法で選択することができたと思う。次回のカタール・テストに向けて、またしっかりと準備をしていきたい」

P・エスパルガロ選手談(3日目:8位/1分29秒718)

「すべてを総合して、今回のテストの進み具合に満足しているよ。もちろん、晴れてくれればもっとよかったんだけれど、天気予報ほどは悪くならなかったことを、むしろ喜ばないとね。3日間でとてもたくさんのことを試すことができたし、実際、走りのリズムにはかなり満足している。前回のセパンでは苦労したけれど、今回はラップタイムも上がってきて、期待したところ、僕らがいるべきところに戻ってくることができたと思う。電子制御システムについてはまだ十分に把握しきれていないので、もっと多くの情報収集が必要なことは言うまでもない。でも、良い方向へと進んでいると信じている。タイヤの知識もまだ限られていて、とくに路面温度が低いときには誰もが苦労しているようだ。シーズン中もこのようなコンディションに遭遇することになると思うので、これからもっと多くのことを勉強していかなければならないね。唯一の失敗が転倒。ピットを離れたときからタイヤのフィーリングに自信が持てなかったので、一旦、戻って別のものに交換。だからホルヘが僕を抜いていった時には、まだマシンの挙動をチェックしている最中だったんだ。僕とホルヘの間には4秒ほどの距離があったはずなんだけど、第1コーナーで近づき、第2コーナーではほぼ一緒になってしまった。彼のために十分なスペースを空けようと大回りをして、コースの端の路面が汚れたところでブレーキをかけて転倒してしまったというわけ。これは残念だったけれど、幸い怪我はなかったし、チームも頑張ってマシンを修復してくれた。おかげで成果をあげて最終日を終えることができた。数日前とは比べものにならないほどの自信を得て、オーストラリアを離れることができるよ」

B・スミス選手談(3日目:9位/1分30秒188)

「課題はまだまだあるけれど、この3日間は良い仕事ができたよ。不運だったのは、あの有名な第4コーナーで転倒してしまったこと。2014年の決勝ではこのコーナーが僕に有利にはたらいてくれて表彰台を獲得することができたんだけれど、今日は残念ながらそうはならなかったんだ。でもひどい怪我も痛みもなく、もう一度マシンに跨ると順調に走ることができたからひと安心。寒さと、途中で降り出した雨がフロントタイヤの選択に影響してしまったことは残念だったけれど、そのなかでもテスト・プログラムをすべてこなし、すばらしいベース・セッティングができ上がったと確信している。カタールでの最終テストでは、今回試したいくつかのことを再確認する予定。フィリップアイランドのコースはとても特徴的で、グリップ・レベルも高い。でもカタールのロサイル・サーキットはまったく違っていて、グリップ・レベルがかなり低いんだ。だから、ここオーストラリアでの成果をすべて再チェックする必要があると思っている。現時点で電子制御システムがとてもうまくいっていることはうれしいし、これをよく理解しようとチームと協力してがんばってきた。加速性能についてはまだ課題が残っているけれど、それは誰にとっても同じだろう。今回の成果には満足しているけれど、16位ではチームにもスポンサーにも申し訳ないから、次はもっとハードにプッシュしないとね。そうは言ったものの、現時点では順位は大きな問題ではないんだ。シーズンが始まってから考えればいいことなので、次のカタールでも引き続き仕事をこなしていくよ」

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